葬儀を助ける「講」という組織
山口県には「講」や「死講」といった呼ばれかたをする組織が存在します。
お葬式が必要な状況になると、近隣の「講」や「死講」の人達が集まり、葬儀の手伝いを行います。
葬儀などで食べる食事を作ったりするだけでなく、斎場の準備や片付けなど葬儀全般のことをを手伝ってくれます。
故人や遺族に親しい人が、自分から名乗り出てそういった活動に参加することも認められていることもあります。
時代の変化に伴い、こういった組織が町内会などに引き継がれた地域や、失われつつある地域もあると言われています。
確認をするには、地域に詳しいご高齢の方や地元の葬儀社に確認をするとよいでしょう。
他の地域でもこういったしきたりがある地域はあり、一般的には「隣組」などと言われています。
食事に関する風習
山口県のお葬式や関連する儀式において、食べ物に関する風習はいくつかあります。
これらの風習は、近隣の中国地方や九州地方にも似たようなものがあることも特徴です。
立飯
立飯は「たちは」や「たちはん」と読みます。
立って食べるといった意味合いがありそうな文字ですが、座って食べることもあります。
出棺の前に遺族や参列者が食事をする風習で、これは山口県では地域に関係なく一般的な風習です。
こういった風習は九州地方などを中心に存在しますが、山口県では立飯という呼び方で行われています。
どういった理由でそうなったのかは不明ですが、大豆の食べ物やご飯のおこげを食べるのが伝統的だと言われています。
棺に大豆やお米を入れることもある
山口県の一部の地域では、棺に大豆やお米を入れることもあります。
故人への供物という意味合いが強いですが、立飯で遺族や参列者も大豆やご飯のおこげを食べるため、供物の一部を遺族が食べるという捉え方もできます。
そういった行いに意味があるという考え方もあります。
香典と併せて供物も贈る
香典とは別に物やお金などを渡す風習は、一般的には「通夜見舞い」などと呼ばれて全国に存在します。
山口県でもそういった風習は存在しています。
一般的には果物やお菓子などが贈られますが、農村部や農家では野菜や穀物などを贈ることが多いようです。
香典とは別に供物として遺族に贈られたこれらの品々は、お葬式の式中に皆で分け合って食べることが多く、余った分は主に遺族が持ち帰ります。
焼香銭
山口県の一部の地域では「焼香銭」と言われる風習があります。焼香の時に横に器や袋などが用意されていて、それにお金を入れるというものです。
お金を入れる作法や金額に関しては、その地域の人や葬儀屋さんに事前に聞いておくことで、他の地域から参列した場合も安心して行うことができます。
