愛知県には地域ごとの風習が多数ある
愛知県はその広さや日本の東西の中間地点とも言える立地などから、地域ごとにお葬式に特徴的な風習やしきたりがあります。
特に知多半島では独特な風習が多く、愛知県内のみならず全国的に見ても独特な地域と言われています
「出立ちの膳」の「涙汁」
尾張地方の精進落しでの会食では、涙汁と言われる汁物が出されることがあります。
この汁は唐辛子や胡椒がとても大量に入っていて、辛い食べ物が余程得意な人でもない限り普通には飲めないほど辛い物です。
この涙汁をのむことで名前の通り涙が出てくることを目的としています。
涙を流すことにも意味があると同時に、辛い食べ物でお葬式の疲れをとるという意味があると言われています。
「淋し見舞」
愛知県では「淋し見舞」という風習があります。
香典以外にもお見舞いとしてお金や物品をわたすというもので、愛知県の他にも名前には差はありますが行われている地域は全国的に存在します。
わたす品や金額などは地域によって考え方が異なるので、その地域の事をよく知る人や葬儀社に聞くとよいでしょう。
知多半島南部の独特な風習やしきたり
知多半島というのは愛知県西部にある半島です。
この地域の時に南部の南知多町やその付近では独特の風習が数多くあります。
自宅にご遺体を安置してお寺さんが来るまでは焼香もしない
自宅でのご遺体の安置というのは全国的に見ても特に珍しい物ではありませんが、南知多町や善浜町の付近の地域では、自宅で安置している時に焼香をせず蝋燭も灯しません。
お寺さんが来て枕経をあげてくれるまでは、故人はまだ亡くなっていないという考え方のため、それまでは亡くなられた方にする行為である焼香などは行わないのです。
通夜や葬儀の席に座るのは遺族と親族のみということも
知多半島の中部に存在する半田市より南部の地域では家族葬でなくても、遺族や親族以外の人が通夜や葬儀に長時間参列することはほとんどありません。
故人に極親しかった人などが特別に認められた場合以外の一般会葬者は、参列が独特な方法になります。
その独特な参列方法というのは、会式の少し前から集まり読経中でも焼香を行いそのまま帰るというものです。
焼香だけ行い帰るだけでなく、いつでも焼香してかまわないという事もあって、他の地域から参列する場合には戸惑ってしまいがちです。
初めて参列する場合には、地元の方などについていくようにすると安心です。
出棺する時の風習
南知多町地域の棺の下にはござをひきます。出棺時にはそのござを竹の棒や木の棒で叩く風習があります。
自宅の外ではわらを焚きその上に棺が通るようにして霊柩車に運びます。
わらを焚くのには故人の帰る場所が無くなることを意味しています。
