通夜見舞い
福岡県の通夜は通夜振る舞いが出されそれを食べることも一般的ですが、一般の弔問客に対して通夜振る舞いがされることは多くなく、そもそも遺族やごく一部の知人友人のみで行われることもあります。
福岡県では、通夜に参列する時には通夜見舞いを渡すことが多いです。渡すものは缶詰や果物、お酒やお菓子などで、金額にすると500円程度が目安になっています。
この通夜見舞いには、遺族などが通夜の後も故人が寂しくないように語明かす時に食べてもらうようにといった意味がありますが、一部の地域では通夜振る舞いと一緒に食べることもあるようです。
こういった通夜見舞いを受けっとた時には、香典返しを少し多めにするのもマナーの一つになっています。
読経中は焼香をしない
通夜や告別式などで焼香は、僧侶が読経している最中から開始されるのが全国的に見ても多いですが、読経中は焼香をしないで、終わって僧侶が退席してから始めるというしきたりがある宗派が福岡県には存在します。
地域的にそういった考えを持っていることもあれば、宗派の考えでそうしていることもあるため、参列する際などには念のため、読経中に焼香をするのかどうかも確認を取っておくとよいでしょう。
おとき
福岡県のお葬式では出棺の前に「おとき」という食事の席につくのが通例になっています。
他の地域などでもこのような出棺前の食事は存在していて、地域によって「別れ膳」や「出立ちの膳」などと呼び方が違っていますが、福岡県では「おとき」と呼ぶことが多いです。
この食事は基本的には親族のみで行うもので、それ以外の人が参加するとしても、関係の深かったごく一部の人のみということがほとんどです。
柳川市ではおときの際に冷酒を飲むことが伝統的に受け継がれています。
このようなお酒を飲む儀式に参加する必要がある立場であっても、車の運転や未成年であるといった理由で飲むことができない場合には、口をつけるふりをするなどしてやり過ごすようにしましょう。
三度回しと茶碗割り
福岡県でも九州地方や西日本で広く行われているお葬式での儀式が見られます。
出棺前に棺を3回回す三度回しと、個人の愛用していた茶碗を割るといった儀式は、そういった地方特有の儀式の中でも特に有名なものです。
これらの儀式は主に、この世への未練などを断ち切り、故人の魂が迷わずあの世に旅立って成仏してもらうためのものです。
最近ではこのような風習が都市部を中心に廃れつつあるため、必ずやるというわけではないことには留意しながらも、福岡県では広く行われていた儀式として覚えておきましょう。