京都府の習慣や風習は「皇室のお膝元」という考え方が重要
京都府はその地名の通り京が存在していたことが歴史や伝統に深く関係しています。
お葬式にもそういった京都が「皇室のお膝元」であるという理由の風習がいくつもあるので、ますは京都の考え方の基本としてこのことを覚えておくことが重要です。
水引きの色は庶民は「黄白」
皇室のお膝元であったことからできた京都の葬儀の風習で、最も特徴的なのは水引きの色です。
京都の庶民の水引きの色は「黄白」が基本になっています。
天皇家は「白黒」の水引を使用するため、京都に皇室が存在していた頃には、同じ色にしてしまうといけないという事で色を変えました。
最近ではそういった考え方は薄れつつありますが、念のため葬儀社などに確認しておくことをおすすめします。
京都府の特徴的な風習
供花には樒
祭壇の両脇などに飾られる献花には菊などの花を用いるのが一般的ですが、京都府南部の地域では樒を飾ります。
樒は枕花として飾られることが多いですが、京都では違います。
樒は古来から日本の葬儀に深く関係のある樹木です。
樒は香りが強い常緑樹で、枯れることがないという部分が仏の永遠と連想されて使われるようになったと言われています。
葉はその香りの強さから線香の材料にもなり、種子には猛毒が含まれているため墓地に動物に荒らされるのを防止する目的で植えられることも多く、葬儀の魔除けの意味も持ちます。
柩に友人形を入れる
全国的に見ても友引の日は葬儀は行うべきではないという考え方は一般的です。
友引という言葉のの本来の意味には「共に引く」という意味がありますが、「共」の字が「友」に変わりるなどの解釈の変化によって、「友を引く」という捉え方をするようになり、友をあの世に引いて行ってしまうという悪い印象になったため、友引には葬儀を行わない考えが広まりました。
京都の場合、やむを得ず友引の日に火葬を行う場合には、身代わりとして友人形を入れることでそういった心配を無くす考え方があります。
遺族は拾骨を行わない
最近はほとんど無くなった考え方ですが、京都では場合によっては火葬場に行くことができず拾骨を行わない遺族が存在しました。
そうなってしまう理由にはいくつかあります。
妻が夫に先立たれた場合
まず一つは「妻が夫に先立たれた場合」です。再婚の意志ありと周囲に思われてしまうため、避けられていました。逆に妻が先立った場合には夫は拾骨していましたが、再婚が一般的になった近年では、こういった考えは完全に無くなっています。
逆縁の不幸
親より子供が先に亡くなってしまった場合には、親の悲しみを深くしてしまわないようにという配慮でそういった風習が広まりました。
最近ではこの考え方もほとんど無くなっていますが、事情によってはこういった考え方に従って拾骨を行わない人もいます。