「隣組」が機能している数少ない地域
日本では古来からお葬式には隣近所の人達のがお葬式の手伝いを行う文化があります。
地域によってその手伝いをする形にも種類があります。
お手伝いの専門家のような人が居る地域では、お葬式にはその専門家を呼ぶ形をとります。
近隣の家族をいくつかごとにひとまとめにして、「長屋の隣組」のような組織を作る地域は多いです。
最近では、葬儀屋などの存在も影響して、そういった風習は廃れつつありますが、長野県では今も「隣組」という呼ばれ方でしっかりと受け継がれています。
長野県は面積も広く山に各地域が分断されていることから、独自の風習を持つ地域が多いのが特徴ですが、隣組の風習は長野県全体で共通していると言われています。
葬儀は日が沈んでから
長野県の西部の地域では、日が昇っている間には葬儀を行わないという風習がある地域があります。
全国的に見ても葬儀を行うのは午前中から夕方までであることが多く、事情が重なったりでもしない限り、基本的には日が沈んでから始めることを優先して考える事すら珍しいです。
長野県西部の地域が日が沈んでからの葬儀を行う風習がある理由ははっきりとはわかりませんが、全国的にそういった風習が無い理由はあります。
葬儀を早い時間から行う理由
葬儀は午前中から夕方にかけて行うのが一般的ですが、その理由は、葬儀がそもそも数時間かかるため、遅い時間から始めると夜中になってしまうからです。
その日の内に納骨まで行う地域では、早い時間から始めるのが必然となります。
お坊さんや参列者の予定や火葬場の空いている時間など、夜遅くに葬儀を行うことで難しくなる部分というのは多いです。
門牌
「門牌」はもんぱいと読みます。文字通り門に置く牌で、不幸のあった家の道路側に葬儀終了までの間それを置きます。
形は位牌をそのまま大きくしたようなもので、お寺さんに戒名を書いてもらい、台に置き花と水を供えます。
門牌は大きいことが特徴で、1メートル近い大きさになることも珍しくないです。
紅白の水引で表書きは「お見舞い」と書いたお見舞金をわたす
香典をわたす時に紅白の水引で表書きは「お見舞い」と書いたお見舞金をわたす風習が一部の地域ではあります。
紅白の水引ということで、香典とはまるっきり意味の違うお金だということがわかります。
このお見舞金ですが、生前にお見舞いに行けなかったので、遅くなったけれどお見舞いをわたすという考え方の風習で、これをわたしてくれた人の香典返しは少し増やすのが一般的です。
最近では故人とごく親しかった人が行うことがある程度で、かなり廃れつつある風習だそうです。