新潟県のお葬式には「赤色」が出てくる
お葬式に深い関係のある色は、日本全国や世界規模で見ても、白や黒といった色であることが多いです。
日本の場合、白という色にはこの世とあの世をつなぐ霊界の象徴という意味があります。
あの世に旅立つ人の衣装の色というのが最もわかりやすい形です。
宗派を問わず、清い色という意味でも白が重要な色とされています。
しかし、新潟県の死生観は少し特徴的で、火葬祖行ったら故人が仏様になったという捉え方をします。
仏様になったことを祝うという意味で、慶事でよく使われる色である「赤色」が火葬後から使われるようになります。
赤いろうそく、お赤飯、朱塗りのお膳
火葬が終わるまでは一般的なお葬式同様に、白いろうそくを用いますが、火葬後の法要からは白いろうそくではなく赤いろうそくを用います。
地域によっては、精進落としの席でお赤飯を食べることもあります。
その時に用いるお膳も、一般的な黒塗りのものではなく、朱塗りのものを使って食べる地域もあります。
農村部では伝統的な「野辺の送り」を行なう地域も
「野辺の送り」というのは特に都市部を中心に、最近ではほとんど廃れてしまったお葬式の儀式です。
ご遺体を埋葬地や火葬場まで運び送る儀式で、葬列を組みます。
供え膳や水などを近親者が持って続き、清めの作法として米や銭を撒いたり松明の火を魔払いに使うといった様々な意味のある儀式を行う大切なものでした。
新潟県でも都市部である新潟市などでは行われなくなりましたが、農村部では今も行っている地域があります。
葬儀の時におにぎりを食べる
全国各地に葬儀の際ご飯を食べる文化が存在します。
野辺の送りや埋葬といった儀式には、多くの労力が必要で、役割によっては力仕事を必要とする人も居ます。
そういった人達が力をつけてしっかりお葬式を終えられるようにという理由で、食べ物を食べるようになったと言われています。
故人があの世に行くための力をつけるという意味では、基本的にはお供えのご飯がその役目を担っていますが、遺族が代わりに食べるという考え方をする地域もあるようです。
赤飯のおにぎりを食べる地域もある
佐渡で葬儀の際に食べるおにぎりは普通にお米を炊いた白米のおにぎりですが、新潟県にはお赤飯のおにぎりを食べる地域も存在します。
どういった理由で始まったのかは諸説ありますが、お赤飯のおにぎりを一本の箸で食べることもあります。
香典袋の表書きは「御灯明料」
新潟県では親戚が亡くなった場合に限り、香典袋の表書きを「御灯明料」とする場合があります。
親戚の場合に限るため、新潟県に親戚が居ない場合にはほとんど気にしなくてもよいしきたりですが、もし新潟県の親戚のお葬式に参列する場合には、事前に確認を取っておくことをおすすめします。