四十九日はさまよっていた故人の霊が成仏に至る日と言われています。また遺族もこの日をもって「忌明け」となり日常生活に戻るため、四十九日の法要は大切な節目となるものです。
一般的には初七日のタイミングで葬儀社や菩提寺に四十九日法要の手配をすることを勧められるようですが、ここではどのような流れで四十九日法要の準備をするのか解説します。
四十九日は命日から?日数の数え方と必要なこと
四十九日に限らず葬儀後に行う追善供養は、故人が亡くなった日(命日)を含めた日数ごとに行うものです。例えば命日が10月20日なら、命日を含めて数えた7日目の10月26日が「初七日」、同様に数えると四十九日は12月7日となります。最近では命日を入力すると年忌ごとの法要をいつ行えばいいか分かる早見表サイトなどもありますので、参考にするといいでしょう。
とはいえ単純に数えると法要が平日になってしまうことがあります。それでは親族などが集まりにくいため、四十九日法要は土日・祝日に行うことが多いようです。また実際の四十九日目よりも法要の日程を早めることは構いませんが、後ろにずらすことは避けた方がいいようです。これは故人への思いやりから来ていると言われています。また四十九日法要においては、葬儀のように友引や仏滅などの「六曜」を気にする必要はありません。
以上の点から四十九日法要は必ずしも当日に行うわけでありません。ですからまずは遺族や親族と日程を相談し、菩提寺や葬儀社に問い合わせてスケジュールを調整したうえで日時を決定します。
また四十九日法要は読経の時間、納骨式を行う場合は会場までの移動時間、会食などの時間を考慮して無理のない時間帯にする必要があります。会食の時間は故人との語らいの場なので2時間ほど取るようにします。一例をあげると朝10時頃に集まり、読経・焼香や納骨式に会食を済ませ夕方の16時近くに終わるといったものになるようです。
四十九日法要を自宅で行う場合
四十九日は法要の後に納骨式を行い、その後会食をするといった流れが主流ですが、菩提寺がなかったり四十九日までにお墓の用意が間に合わないなどで納骨ができない、もしくは家族だけでの法要をしたいなどの場合は自宅で四十九日法要をすることがあります。
四十九日法要は葬儀社や菩提寺などに相談して日時を決めます。その後具体的に何の準備をするのかと言えば、挨拶状・引き出物・納骨式を行うのであれば会場まで参列者を乗せるマイクロバスの手配、「精進落とし」と呼ばれる食事の手配などです。これは自宅で法要を行う場合も基本的には変わりません。
また一般的に四十九日は自宅で供養していたお骨を墓地などに納骨し、故人を「仏」として奉るタイミングでもあります。ですからこの時までにお墓や仏壇を用意したり、これまで白木の仮位牌だったものを本位牌に変える必要があります。特に墓石や位牌は名入れをするため、注文してからの日数がかかることがあります。位牌の名入れは3週間程度、墓石は墓地の契約などとの兼ね合いでさらに日数がかかります。ですから四十九日法要の手配や位牌の注文などは初七日のタイミングで葬儀社や菩提寺に相談するといいでしょう。
自宅で四十九日法要を行う場合に必要なのはまず掃除です。これは参列客を迎えるためのものでもありますが、同時に故人を「仏」として迎える場を清めると言った意味合いがあります。仏壇がある場合はもちろん、ない場合にもお供え物・白いろうそくと白を基調とした花のお供え、それから僧侶が読経をするための場所と控室の確保が必要です。
お供え物は餅やお菓子・果物など故人の好きだったものを供えてかまいません。宗派によっては過去帳を用意することもあります。
位牌はあるが戒名がありません
四十九日法要は故人の霊が「仏」となるための大切な節目です。この日をもって故人のお骨は墓地などに納骨され、仏壇やお墓に手を合わせる仏様になるのです。そのため一般的には四十九日までにお墓・仏壇・位牌を用意しておく必要があります。もちろんこれは法律などで決まっているわけではないので、家庭の事情や故人や遺族の宗教観によってはしないこともあります。
とはいえ多くの家庭では位牌などを用意しているようです。その際位牌に戒名を入れますが、戒名がない俗名での位牌では意味がないと言われています。位牌というものは故人を表すものなので、もはや人間ではなく仏になった身で俗名というのはおかしいという考え方があるようです。また位牌には名入れをしないと誰なのか分かりませんから、先に戒名をつける必要があります。
戒名は菩提寺でつけてもらうのが一般的ですが、不可能な場合は葬儀社や仏具店に相談すると紹介してくれることもあります。近年ではインターネットで戒名を作るサービスもありますが、戒名のつけ方には故人の功績や宗派によって様々なルールがあるので相当の知識が必要です。また寺院に依頼した場合の戒名料は安くても20万円程度からと言われています。信頼できる相手あるいは複数に相談して、慎重に選んだほうがいいでしょう。