お墓参りに行くのは何もお盆やお彼岸だけではありません。その他に納骨式や卒塔婆供養でも墓前に手を合わせますし、命日などにもお墓参りをします。
それではいつでも好きな時期や時間にお墓参りをしていいものでしょうか?今回はお墓参りの時期について、お盆やお彼岸にお墓参りに行けなかった場合にいつ行けばいいかなどについても解説していきます。
お墓参りの機会は一年に何回ありますか
お墓参りというのは基本的にいつ行ってもいいものですが、日本では古くから節目を大切にしてきました。ですからお墓参りにも節目というものがあります。節目としてはまず命日、月命日と故人が亡くなった日と同日同月の「祥月命日」、ここで月一回お墓参りに行く機会があります。さらに春と秋のお彼岸・夏のお盆にもお墓参りに行くでしょう。さらに人によってはお墓の大掃除や新年の挨拶がわりとして年末年始にお墓参りをすることもあります。
ですからお墓参りに行く機会は毎月の命日・春秋のお彼岸・お盆の計15回あると言えるでしょう。さらに人によっては年末年始、あるいは結婚や出産、進学や就職・昇進などを故人や先祖に報告する目的でお墓参りをすることがあるので、「何回あるのか」といった質問にはうまく答えられないのが実情です。
お盆・お彼岸にお墓参りに行けませんでした
お盆やお彼岸は夏休みや祭日にあたるため親族が集まりやすく、法要が営まれることも多いものです。ですからお墓参りに行くのも自然な流れと言えるでしょう。ただ家庭や個人の都合、また地域によっては春秋のお彼岸には雪や寒さで墓地に行けないこともあります。お盆やお彼岸にお墓参りができない場合はどうしたらいいのでしょうか。
お盆やお彼岸にお墓参りに行けない場合は、自宅で供養するのがいいでしょう。仏壇にお供えをする、花や線香をあげる、お盆なら精霊棚をつくり季節の果物や野菜をお供えします。可能なら行ける時期に改めてお墓参りをします。
また墓地の門や駐車場などが開いている時間にもよりますが、多くの僧侶や関係者が「お墓参りはいつ行ってもいい」とコメントしています。ですからお盆やお彼岸以外でも月命日などその他のタイミングでお参りするといいでしょう。あるいは菩提寺に依頼して卒塔婆を立てて頂く「卒塔婆供養」をしてもお墓参りのかわりになります。
命日は毎回お墓参りに行かなければいけないのでしょうか
お墓参りはいつ行っても構わないとされています。とはいえ一般的に法要の日程を決める際には、命日の後日にはしないという習わしがあります。命日になっても法要をしない・後回しにするというのは故人にとって失礼にあたります。そのため命日が平日などで親族が集まりにくい時には、命日の前に法要を行うようにします。
お墓参りも同様に、命日に行けない場合は命日の後日ではなく、前倒しにお参りする必要があります。しかしこれはあくまで命日に毎月お墓参りをする場合です。家庭や墓地の事情などでお墓参りに行けない場合はその限りではありません。お盆やお彼岸など無理なく行けるタイミングでお参りをします。
やはり夜に行くのは縁起が悪いですか?
よくお墓参りは日が落ちてからしてはいけないと言われています。古くから夕方からの日が沈む時間帯は「逢魔が時」(おうまがとき)と言われ、妖怪や悪霊にとり憑かれやすい時間帯とされてきました。
そうでなくとも夜間帯は墓地に明かりもなく足元もおぼつかないため危険ですし、事件に巻き込まれるおそれもあります。また墓地の門や管理室・駐車場なども時間によっては閉鎖されていることがあり、お墓を掃除するための道具や水道も借りられないことがあるでしょう。そういった不便もあるためお墓参りは明るい時間帯に済ませた方がいいのです。
またお墓参りは午前中がいいという意見もあります。これは先祖への供養を真っ先にするということが、故人や墓参者の功徳を積むという考え方からきているようです。
さらに日本人的な感覚として、「死」や「苦」を連想される4・9のついた日や「二重苦」につながる29日など縁起が良くないとされる日も避けるけいこうがあるようです。とはいえ29日は「福」に通じると言う人もいるため、このあたりの感覚は個人によってもかなり異なるようです。
お墓参りは故人や先祖へ会いに行くことでもあるので、お参りする人が気持ちよくいられるのなら数字にこだわる必要は特にないでしょう。
お墓参りに必要なもの・注意点を教えてください
まずお墓を掃除するためのバケツやほうき・雑巾が必要です。これは墓地で貸し出してくれる場合もありますが、可能なら持参した方がういいでしょう。それから線香・ろうそく・お供え物です。お供え物は故人の好きな果物やお菓子・お酒などがいいでしょう。ただしお供え物をはじめ花や線香などは、野生動物やいたずらなどで荒らされることがあるため、お供えしたままにできない墓地もあります。事前に確認した方が賢明です。
地方によってはお墓に手を合わせた後、その場でお供え物を分け、皆で食べるところもあります。またお墓を掃除した際などにゴミが出ることもありますので、大きめのビニール袋を何枚か用意するといいでしょう。