一周忌法要は故人の命日から数えて1年目に迎える、初めての年忌法要です。服装は葬儀の時と違ってもいいのか、香典やお供えの掛け紙は?お札の向きは?一周忌と新盆が一緒に来たらどっちを優先すればいいのか?様々な疑問があるでしょう。そこで今回は一周忌法要の一般的な流れを紹介しながら、質問に答えていきます。
一周忌法要とは何か・服装や香典について
一周忌法要は故人が亡くなったのと同じ月日(祥月命日)に行う1年目の法要のことです。近年は参列する親族などのことを考えて命日に近い土日や祝日に行うことが増えています。ちなみに命日の後に法要の日程をずらすことは勧められていないようです。いくら仏様とはいえ故人ですので、命日になっても何もないと「忘れられているのではないか」と思うでしょう。法要を前倒しにしても後方にずらさないのは、そういった気遣いがあるようです。
法要は遺族・親族をはじめ友人や知人など、故人と親しい間柄だけで行うことが一般的です。
参列する際の服装は基本的に一周忌までは喪服です。親族だけの場合は黒や紺のスーツやワンピース、結婚指輪以外の装飾品を外した略礼装でも構わないことが多いようですが、一周忌法要までは喪服が無難です。
男性はブラックフォーマルに黒のネクタイ、女性はスーツやワンピース・アンサンブルを着用し、アクセサリーもつける場合は真珠またはオニキスの一連ネックレスのみ、結婚指輪以外の装飾品は外します。髪飾りやベルトのバックルなどに光り物を使用してはいけません。また殺生をイメージする革製品や毛皮なども身につけないようにします。
幼児や児童は黒・紺・グレーなどのキャラクターものや柄物ではない服装、乳児も同様ですが、濃い色のベビーウェアがない場合は白やパステルカラーでも構いません。抑えた色の布で包んで抱きかかえてもいいでしょう。
また香典についてですが、こちらも葬儀と同様に年齢や故人との関係性で金額が変わってきます。基本的に一周忌を過ぎると友人などの参列はなくなっていくため、あくまで親族のみの例です。
故人が義理の親を含む両親の場合1万円から10万円、祖父母の場合は5千円から10万、兄弟姉妹の場合は5千円から5万円、叔父や叔母・その他親族の場合は5千円程度からと年代によって幅があるようです。
ただしこういった「相場」はアンケートなどで調査した平均値の結果であることが多いようです。一周忌法要はあくまで親族間で行うものなので、失礼のないようにしたいなら家族や親族に尋ねて、「その家庭での相場」を確認した方がいいでしょう。
一周忌と新盆が近い場合はどちらを優先するか
故人の命日しだいでは、一周忌法要が新盆の時季に重なることがあります。そういった場合どちらを優先するのか迷いますが、基本的には一周忌を優先させます。近年では時間や参列者の都合を考え、新盆の法要と一周忌法要を同日に行うことが多いようです。とはいえ地方や家庭によって同日に行うのをよく思わないこともあるため、菩提寺や親族の年長者に確認するといいでしょう。
この場合「一周忌法要および新盆法要を執り行います」といった案内がありますが、一周忌法要と新盆法要が同日になった場合の香典についてはあくまで一回の法要と数えるため、余分に包んだりする必要はないでしょう。
一周忌法要の所要時間はどのくらいか
忙しい現代ではお付き合いにも時間を気にすることがあります。また年配の方などは長時間の外出は疲れるものです。そこで一周忌法要にかかる時間についてですが、法要自体の時間は概ね2時間から4時間。それに会場から自宅までの移動時間を含めて考えるといいでしょう。
一般的な一周忌法要の流れを説明します。まず参列者が揃った後、施主による挨拶と僧侶の入場があります。その後読経が始まり、読経の間に施主から順番に焼香が始まります。これは施主から故人との関係が深い順番なので、時間が気になる参列者は当日座った席順を見てみると、ご自分の焼香が先の方なのか後なのかが分かるでしょう。
法要の席順は僧侶を先頭にしてその真後ろに施主、施主の後頭部を見た右側が遺族や親族、左側が知人や友人などです。ですから知人・友人の座る左側に席があった場合は自ずと焼香が後回しになります。
焼香が終わると法要は終わりますが、その後に施主による簡単な挨拶と、場合によっては僧侶による法話が始まることがあります。故人にまつわる思い出などを仏教の教えに絡めて話すことが多いようですが、法話自体に話し方などの決まりがあるわけではなく、時間なども僧侶に左右される部分があります。
その後、「精進落とし」と呼ばれる会食をすることがあります。斎場などで法要がある場合はホール内に場所を設けて仕出し弁当などを出すことがありますが、寺院などが会場の場合にはレストランやホテルなどに移動して行われることがあります。その時間を考えると一周忌法要にかかる時間は長くて4~5時間程度と思った方がいいでしょう。