お盆期間中には法要やお墓参りなど、親族を訪ねたり慣れない法要に参列する機会も増えてきます。そこでしっかりとマナーを学んでいきたいものです。そこで今回はお盆で親族を訪ねる際のマナーやお墓参りに必要なことなど、質問に答えながら「お盆の心得」について解説していきます。
お盆期間中、お参りする日にちは決まっていますか
お盆期間中であれば特に指定はありませんが、先方の都合によります。
お盆の間は法要に招かれたり、お墓参りや仏前を訪ねたりと他家を訪れる機会も増えるものです。お墓参りや仏前に手を合わせる日時に本来決まりはありません。ただし「先祖の霊が帰ってくる」というお盆という行事の性質上、ご先祖様がこの世に滞在している8月(地方によっては7月のところもあります)13日から15日がお参りに望ましいとされています。
12日では盆の入りではないため先祖の霊も帰ってきておらず、またどこの家庭もお盆を迎える準備で忙しいものです。16日も同様です。お盆に備えて作った祭壇などの後片付けがあったり、客人を送った後で家族でゆっくりしたい時でもあります。またこの時期はご先祖様も帰る準備をしているでしょう。
こういった慌ただしい時にお参りしたり、先方を訪ねるよりは、13日から15日の間で空いている時間を電話などで先方に確認してから、訪ねるなりお墓参りをするなりした方がいいでしょう。また滞在時間は先方の負担にならないように長くても1時間程度とします。
訪問時間も、早朝・夜間・食事中は避けるといった一般常識があればおそらく大丈夫でしょうが、先方の健康状態などによっても「都合のいい時間」は変わってきます。事前に確認するようにしましょう。
お墓参りと自宅で持ち物は変わりますか
お参りや仏前に手を合わせる際に必要なものは、基本的に故人に供えるお菓子類・花・線香やろうそくといったものです。それに加えてお墓参りならお墓を掃除する必要があるのでバケツにほうきやちりとり、スポンジやナイロン製などのタワシ、雑巾やゴミ袋、ライターなどの必要に応じた「お参りグッズ」が必要です。自宅を訪問するなら掛け紙をかけたお供え物に、場合によっては香典や花を持参することがあります。
自宅にお供えの品を持参する場合は2,000円から3,000円が相場です。中身は親族が多く集まることから小分けにできるお菓子や水ようかんなどが適しているでしょう。家庭にもよりますが、果物は案外持て余すこともあるようです。
またお供えをお金で渡す際には同程度の金額で、不祝儀袋の表書きは「御仏前」とします。品物に掛け紙をかける場合は白黒の水引が印刷されたものを使用し、表書きは「御供」とします。地方などにもよりますが「外のし」にすることが多いようです。これは誰が何を送ってきたかが一目で分かるだけでなく、名前を見て他の親族との話題が作れるというメリットもあります。
新盆の法要でもない限り、香典は大げさだから受け取らないという人も中にはいます。それでも香典を渡すのなら5,000円程度がお盆の相場だそうです。
友達の家に行ってはいけないと聞きました
よく子供や学生が「お盆に友達の家に行くなと叱られた」と言います。これは仏教的な習わしや言い伝えというより、単に忙しい時にわざわざ遊びに行くなということです。お盆の時期は家族や親族が集まり、お参りや団らんの時間を設けていることがあります。また法要やお墓参りなどの外出で疲れていることもあります。そこに故人や仏様を訪ねに来たならまだしも、子供が遊びに来たのでは迷惑だと思うのも当然でしょう。
そういった事情があるため「友達の家には行くな」と言われているのです。しかしかつての友人が亡くなった場合や、お世話になった友人の両親の墓参をしたい場合は遊びではありません。きちんと先方にお参りをしたいことを伝えて、都合のいい日時を調整してもらいます。その上でお供えなどを持参して尋ねる分には全く問題はありません。
なお訪問する際の服装については、キャミソールや半ズボンなどの露出が多かったり遊びに行くような服装は避けるようにします。華美な装飾のない、地味な色合いの服装で訪ねるようにします。学生なら制服でもいいでしょう。
お供え物は郵送でもいいでしょうか
本来ならば仏前に手を合わせたいものの、遠方に住んでいるので叶わない。そういった場合にはお供え物を郵送することがあります。もちろんやむを得ない場合はかまいません。ただし郵送にするなら先方の都合を考えて少し早めの8月10日までには送るようにします。
内容は早めに送ることを考えて、日持ちのする焼き菓子や缶詰に入ったゼリーや水ようかんなどがいいでしょう。そうめんなどの乾物も盆棚にお供えする家庭もあるほか重いものではないので先方も負担が少ないようです。
現金で送る場合は必ず現金書留用の封筒を使用します。現金書留用の封筒はコンビニなどでは扱いがなく、封筒の大きさや同封物の重さによって値段が変わるので郵便局の窓口に行って相談する必要があります。
郵送の場合も相場は同様ですが、送る際には一筆添えるようにしましょう。