四十九日は故人の来世での行き先が決まると言われており、また遺族にとっても「忌明け」と呼ばれ、日常生活に戻る節目となる日です。ですから四十九日の法要は親族を集めて行う大きなものとなります。
しかし初めての法要となると喪主側も参列者も戸惑うものです。ここで四十九日の流れと疑問点を解決していきましょう。
四十九日の法要・服装や焼香は葬儀と同じですか?
四十九日に参列する場合の服装は、準礼装または略礼装です。基本的に男性は黒のスーツ・女性は黒のワンピース・スーツまたはアンサンブルを着用し、ストッキングや装飾品なども黒で統一します。男女ともにアクセサリーやベルトのバックルなどに光物を使用してはいけません。
乳幼児または制服のない小学生などは黒・紺・グレーのワンピースやセーター・ズボンなどを着用します。ブラウスやシャツは白でかまいません。また新生児を連れていく場合は、濃い色のベビーウェアがないこともあります。その際は白や淡い色の服または布などで包みますが、キャラクターものや全身に柄の入った服は避けた方が無難でしょう。
喪主や遺族は喪服(正礼装)を着用します。男性はブラックフォーマル、女性は長袖のフォーマルワンピースや和服を着用します。参列者・遺族側ともにアクセサリーは真珠またはオニキスの一連ネックレスと結婚指輪だけで、靴やバッグなどに革製品を使用してはいけません。
参列者が揃うと喪主の挨拶があり、読経が始まります。次いで焼香が行われますが、法要のスケジュールによっては、押し頂く回数などをあらかじめ決められたり簡略化されることがあります。その際は葬儀社スタッフや僧侶もしくは喪主の指示に従うようにしましょう。
基本的に焼香は喪主・僧侶・祭壇に一礼した後、右手の親指・人差し指・中指で抹香をつまみ、額の位置まで持ち上げる(押し頂く)動作をします。その後つまんだ抹香を香炉に落として合掌し、遺族に一礼して席に戻ります。
押し頂く回数は宗派によっても異なりますが、宗派が分からない場合は1回でかまいません。また狭い会場では香炉を回しての焼香になることがありますが、同様に焼香を行い、終わったら隣の人に回します。
納骨式に行けません……途中で断ってもいいの?
寺院などでの読経と焼香が済むと納骨式とお墓参りがあります。四十九日まではお骨は自宅での供養でしたが、一般的には四十九日のタイミングでお骨を納骨します。そのため法要後に墓地に移動する必要がありますが、高齢者や障がいのある方などは場所によって行けないことがあるでしょう。
そういった場合、事前に申し出て墓地や寺院・納骨堂などの控室があればそちらで待機させてもらうといいでしょう。控室がない場合は移動の際に乗ってきたマイクロバスなどの車内で待機させてもらうようにします。最近ではバリアフリーの墓地なども増えてきましたが、小さな墓地などでは足場も悪いことがあるので事情があれば失礼に当たらないことが多いようです。
とはいえ、四十九日法要・納骨式は事前に案内状が届くものです。会場も明記されていますから当日が心配なら施主に確認するなど下調べをし、体調面などで無理があれば参列は見合わせて香典だけを贈るのも一つの方法です。
精進落としに呼ばれたら
四十九日法要を終えると墓地などに移動して納骨式をし、その後施主の挨拶があり「精進落とし」と呼ばれる会食が行われることがあります。会食はお寺などの近くのホテルやレストラン、斎場などで行う場合はそちらに会食用の場所を設け、仕出し弁当やオードブルが出されることが多いようです。
全員の着席を確認されたら僧侶の紹介があり、次いで献杯の挨拶や施主の挨拶に参加者での黙とうなどをします。その後、施主の合図で食事に手をつけます。この時間は2時間ほどですが、精進落としは故人と食事を共にするという意味合いもあります。静かに故人のことなどを語る場にしましょう。
四十九日の引き出物にお返しは必要ですか?
四十九日法要は読経や焼香、納骨式、会食などを含めると時間にして4~6時間ほどの長丁場になることがありますが、最後に引き出物を渡されて四十九日法要は終わります。しかし引き出物については会食の時に渡されたりすることがあるので必ずしも最後に、というわけではないようです。
四十九日法要の引き出物として多いのは消耗品です。これは「不幸を残さない」という理由があるようです。海苔やお菓子・洗剤など3千円程度のものが選ばれるようですが、近年ではカタログギフトなども増えています。
また引き出物はあくまで参列者への、香典やお供えなどに対するお礼です。さらに引き出物や香典返しにお礼をするのは「不幸を繰り返す」と言われタブーとされているため、頂いた引き出物に対してのお返しは必要ありません。
気になるようなら何かの折にそれとなく健康などを気遣うとともに、「心遣い感謝します」といった内容を伝えるといいでしょう。