法要に招かれた場合、遠方に住んでいたり体調や仕事などの都合で欠席せざるを得なくなるのはよくあることです。とはいえ法要を欠席するにはどのような返信をして、何をすればいいのでしょう。
返信ハガキの書き方や香典を郵送する際の注意点なども含めて、これだけはやっておいた方がいいことをまとめました。
欠席の理由は正直に書くべきでしょうか
法要に出席できないと分かった時点で、なるべく早く先方に伝えるようにします。施主側は会場や食事の手配をするので事前に参列する人数を把握しなければなりません。そのため遅くとも法要の一か月前には案内状が送られているはずです。もっとも親族のみで法要を行ったり会食をしないなど、法要の規模が小さい場合は電話連絡のみの場合がありますが、一般的には往復ハガキでの案内状を送るようです。
案内状が届いたらすぐに返信します。どんな理由であれ法要を欠席する場合、こちらから具体的な理由を書く必要はありません。「やむを得ない事情」「都合により」など簡潔かつぼかしたものでかまわないのです。
ただし急病や遠方など物理的に参列が難しいということなら、理由を書いたほうが相手側が納得することもあります。しかし目上の相手には返信用のハガキを利用して長々と理由を書くと、法要に行きたくない言い訳のようでかえって失礼にあたることがあります。一言添えたいならお詫びの手紙に返信ハガキを同封するようにすると無難ですし、丁寧な印象も持たれるでしょう。
往復ハガキを使って返信する際には、返信側に記載されている「御出席」の文字を二重線で消します。筆記具は鉛筆や油性ボールペンではなく万年筆や筆ペンで書き、フリーハンドではなく定規を使って線を引くとより丁寧できちんとした印象になるでしょう。ちなみに定規を使って線を引く場合は、定規を裏返して使うと傾斜に沿ってインクが滲むことが少なくなります。
また常識として手紙などの言葉遣いは「自分を下げて相手を敬う」ものです。ですから自分宛てに書かれている「御芳名」や「御欠席」といった表現は二重線で消して「名」「欠席」といった表現に直し、必要があれば「欠席いたします」と書き加えます。さらに返信ハガキの宛名に書かれている相手の名前にある「行」を二重線で消し「様」に書き直します。
返信ハガキにコメント欄がある場合は、まず最初に遺族へのねぎらいと故人への感謝などを述べた上で、簡単に欠席へのお詫びを添えます。
コンビニで買った封筒で香典は送れますか
法要は「追善供養」とも言われ、故人が仏の道を無事に歩めるように遺族や参列者が集まって読経をあげるものです。初七日や四十九日はもちろん、一周忌や三回忌などの年忌法要も故人や遺族にとって大切な区切りとなる法要です。そのため基本的には法要に招かれたら参列するのがマナーであり、故人への供養にもなります。とはいえ遠方であったり、小さな子供がいたり、仕事などの都合で参列できないこともあるでしょう。
そういった場合は分かっている時点で欠席の返信をし、改めて電話や手紙などでお詫びをするようにしましょう。同時に法要に参列できない場合は香典を郵送する必要があります。
本来なら法要に出席できない場合、法要の前日までに遺族宅を訪問し故人に手を合わせるのが望ましいとされています。ですから香典を送るのも法要前がいいでしょう。法要の案内状が届いて返信するタイミングに合わせて、香典と手紙を同封して現金書留にして送るのがいいようです。
なお現金は郵便法により郵便局のみで扱う専用の封筒で送ります。ですから現金書留の封筒はコンビニなどで販売していません。また封筒なら何でもいいわけではないので注意しましょう。
あらかじめ頂いた案内状の返信と手紙、加えてのし袋に入れた香典を持参して郵便局に行き、現金書留用の封筒を購入したうえで、それらを同封して送るようにします。また現金書留は重さや大きさによって料金が変わるので窓口で確認した方が無難です。
御供物料と香典の違いや相場がわかりません
法要を欠席する場合は香典を前もって郵送しますが、ではよく聞く「御供物料」は別に送らなければいけないのでしょうか?また御供物料と香典はどう違うのでしょうか?
そもそも一般に法要に参列する際には、香典とは別にお菓子や果物などのお供えを持参することがあります。「御供物料」はこのお供えを現金でまかなうものです。ですから本来なら香典と御供物料は別物ではあります。
ただしこの慣習は地域や家庭によっても異なります。頂いたお供えを参列者で分け合うため現金ではなく品物で渡す地方があったり、あるいは香典と御供物料を一緒にしてしまう家庭があるなどです。こういった場合があるので迷った際は一族の年長者や菩提寺、または葬儀社など地域でのマナーに詳しい人に尋ねるのがいちばん無難と言えます。
一般的に法要を欠席する時に送る香典は、実際に参列する場合の半額が相場と言われています。これは法要に参列しないので会食などにかかる手数料が発生しないからです。この場合は香典がそのままお供えになるという考え方をすることもあり、「御仏前」または「御供物料」表書きしたのし袋に3千円から5千円程度の現金を送ることが多いようです。
金額が安いのは施主に対する気遣いでもあります。法要に参列しない人にまでお返しなどをするのは負担になりますので、法要に欠席す場合に限っては3千円から5千円程度の現金を「御仏前」または「御供物料」として法要の前に現金書留で郵送するのがいいようです。