新盆とは故人が四十九日後に、初めて迎えるお盆のことを指します。新盆では親族を招き大きな法要を営むことがあり、遺族などもマナーの面で迷うことがあります。そこで今回は新盆を迎えるにあたって準備すること、法要の手配はいつしたらいいのかを解説していきます。
新盆の法要はいつ手配したらいいでしょうか
お盆は法要に依頼が多くなります。遅くても7月中には手配しましょう。
お盆の時期は法要や仏事が多くなるためお寺でも早めに依頼を打ち切っていることがあります。またお盆の時期に時間帯に合わせ、効率よく檀家を回れるスケジュールを組んでいる僧侶もいるでしょう。予定が狂うと僧侶だけでなく他の檀家にも迷惑が掛かります。
お寺に法要を依頼するには、早めに親族と連絡を取って集まりやすい日時を調整する必要があります。この際に会食はするのか、仕出しをとるのかホテルやレストランを予約するのか、僧侶を招くのかを決める必要があります。ですから7月の段階で僧侶に話してなければ間に合わないでしょう。
また法要の案内状も、参列者の人数を把握するため1か月前には送っていなければなりません。その上で会場や料理の手配をします。
さらにはお供え物や僧侶に渡すお布施の準備もします。新盆で渡すお布施は法要で3~4万円程度、その他必要に応じて5,000円~1万円程度の御車代や、食事をするのなら御膳料が必要だと言われています。
新盆には特別な飾りやお供えをしますか?
新盆では例年のお盆に用意する精霊棚・精霊馬やお供えの他に、故人のための「白提灯」を用意します。また地域によっては「お迎え団子」という白い団子を作ってお供えすることもあります。季節の果物や御膳といったお盆ならではのお供えの他、故人の好きだったものをお供えしましょう。これらのお供えや祭壇の準備は盆の入りまでに済ませる必要があるため、8月(7月に行う地方もあります)12日には終わらせるようにしましょう。
なお、お盆の機関は13日~16日です。16日を「盆明け」と言います。
お供えするのは食べ物の他、線香・ろうそく・花・きれいな水が必要です。これらをまとめて「五供」(ごく)といい、お供えの基本とも言われています。
新盆(にいぼん・あらぼん)とは四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆のことを言います。ですから故人の四十九日法要が済む前に夏が来ても、故人のためのお盆法要はしません。翌年のお盆が新盆となります。
家にある提灯ではダメですか
お盆は先祖の霊が家に帰ってくると言われていますが、初めて「里帰り」する故人は道に迷うこともあるでしょう。ですから道中を照らす故人のために夜目にも分かりやすい白い提灯が必要です。
白提灯は、白無地または白地に透かし紋が入った程度のもので、枠が白木でできているものを用意します。かつて白提灯は親族から贈られるもので、提灯の数が多いほど功徳を積んだ証として良しとされていた時代もあったようです。ただ現代では住宅事情などで沢山の提灯を灯せないこともあります。またかつては白一色でしたが、翌年以降も使えるようにと色柄入りの提灯も選ばれることがあります。
白提灯は故人にとって道しるべとなるため、窓際など軒先から見えるところに飾るようにします。不可能であれば仏壇のそばなどでもかまいません。また白提灯は一対で飾ることがありますが、一つだけでも問題ありません。白提灯は精霊棚を用意してお供えをするのと同じタイミング、12日に出すのがいいでしょう。とはいえ13日~16日であれば問題ないという意見もあります。
白提灯は初盆でしか使えないため、盆明けの送り火を焚いた時に一緒に燃やすことがあります。白提灯の処分はお焚き上げをしてもらう他、事情があってできない場合は、塩で清めた後に半紙に包んでゴミの日に出すという方法をとることもあるようです。
御提灯代とは何ですか?相場は?
かつては新盆の際に白提灯を送るのがマナーでした。しかし近年では住宅事情によって提灯が置けなかったり、送り火を焚いて提灯を燃やせないことも多いものです。ですから提灯のかわりに現金を送ることが多くなっています。
御提灯代とは白提灯を贈るかわりに現金を渡すものです。そもそも白提灯はお盆に向けて用意するため、少なくとも盆の入り前に間に合わせる必要がありました。ただし今はそこまでこだわることは少ないようです。
御提灯代は訪問の際に持参するのがいいですが、郵送するなら10日ころまでに着くようにします。郵送の際は「わずかばかりですが御提灯代にしてください」といった旨を書き添えると丁寧です。
御提灯代の相場は、提灯の値段相応もしくは1万円程度と言われています。ただし家族だけで法要を営む場合などに、香典を包むと遠慮されることがありますが、そういった場合に先方に気を遣わせないよう香典としてではなく「御提灯代」という表書きでお金を渡すというケースもあります。