法要にお供え物を持参する代わりに、「御供物料」として現金で包むことがあります。お供えは地域によっては親族など集まった人でお菓子などを分け合うこともありますが、そうでない地域や家庭は現金ということもあるようです。
そこで今回は御供物料を現金で包む場合の相場や渡すタイミング、またはのし袋のマナーや郵送にする時の注意事項などを解説していきます。
御供物料を包むのはどんな時ですか
一般的にはお盆や年忌法要などの際に、香典とは別にお供え物を持参します。お供え物は日持ちのするお菓子や果物、あるいは故人の好きだった食べ物やお酒、またはろうそくや線香に花を贈ることが多いようです。
しかしこれは地域や家庭によって異なることがあります。特に地域によってはお供えは品物ではなく現金で包むことがありますし、また現代では家族が少なくお菓子などを頂いても食べきれない・墓地ではカラスに荒らされるなどでお供えを禁止しているなどの事情もあり、「現金の方が無難」という意見もあります。地域や家庭の事情を考え、お供えに何を贈るべきか迷った時には現金を包んだほうがいいでしょう。
品物で送ってはいけませんか
本来お供えは品物で贈るのが一般的でした。しかし現代では家庭や地域、もしくは墓地などお供えをするスペースの事情もあり「御供物料」として現金を包むことが多くなってきたようです。
ですから品物で贈っても構わないのですが、お供え物を贈るにはどんなものを贈ったらいいか迷うことがあります。お供えは後日親族など集まった人たちで分け合う慣習になっている地域や家もありますが、贈られるのはたいてい好き嫌いが大きく分かれない焼き菓子や缶詰のゼリー・果物などです。しかし誰しも同じようなことを考えるもので、無難にした結果同じようなお供えが集まることが多いものです。そうなると先方も困るでしょう。
また遠方から大きな荷物を抱えてお供え物を持参するよりも、封筒に入れたお金を「御供物料」として渡す方が参列者側も負担がありませんし、失礼には当たらないでしょう。どうしても品物で渡さなければならないという地域や家庭以外なら、お金を包んだ方がお互いの負担にならずに済みます。
御供物料の相場を教えてください
御供物料の相場は持参する法要によっても違いがあります。初盆や年忌法要といった大きな法要では1万円程度、2年目以降のお盆などでは3千円~5千円程度が相場と言われています。また御供物料の金額は法要後に会食があるかないかでも変わってきます。会食に参加する場合は1万円程度、しない場合は5千円程度と言われることもありますが、一般的に御供物料の相場は品物を贈るのと同じ程度の5千円が多いようです。
ちなみに法要の規模や会食の有無によって包む金額が変わるのは、施主が会食・会場の手配をする際の手間がかかっているからです。ですから本来はあってはいけませんが急用などで会食をキャンセルせざるを得なくなった場合、本来支払うべきだった食事代として御供物料を多く包む必要があるでしょう。
また地域によって御供物料は香典と同じ意味を持つことがあります。香典と御供物料を合わせて一つの封筒に入れ多めに包むこともあるので、迷ったら親族の年長者などに確認するのもいいでしょう。
御供物料ののし袋や表書きはどうしたらいいでしょう
まず御供物料をはじめ仏事でお金を包む際は「不祝儀袋」を使います。一般的に言われる「のし」は本来あわびのしを表し、お祝い事に使うものなので仏事にのしはありません。御供物料に使うのは白黒の結び切りの水引があるものですが、包む金額によって使う袋が変わります。
御供物料に関しては滅多にないことですが、数万円以上の金額を包む際には水引を外しての「正式包み」という包み方ができるものを使います。また1万円や5千円など金額が少ない時には、あらかじめ水引の柄が印刷された封筒タイプを使用します。正式包みの際はお金をくるんでから下の部分を引き上げて折り、そこに上の部分を重ねるようにして包みます。これは香典などその他の仏事でも一緒です。ただ御供物料はそれほど大きな金額を包むことがないので封筒タイプのものでいいでしょう。
封筒タイプの不祝儀袋を選ぶ際、蓮の花が描かれているものは仏式にしか使えないので注意しましょう。表書きに関しては「御供物料」なら宗派を問わず使えます。時々「中袋」「中包み」というものが付属されていることがあります。これは御供物料として入れた金額や渡し主の氏名や住所を書いて、不祝儀袋に同封するためのものです。中袋がある場合は縦書きで金額、その左に住所氏名を書きます。この際1万円なら「金壱萬円也」といったふうに難しい表記にするのが習わしです。一は壱、二は弐、十は拾、千は仟といった具合に書くのですが、これは金額の改ざんを防ぐためとも言われています。
御供物料はいつ渡したらいいでしょう
葬儀では受付がありますが、その他の法要では異なることがあります。一般的に御供物料またはお供えをいきなり仏壇にあげることは失礼になるため、事前に施主に確認します。タイミングとしては会場に着いた挨拶の際に、「御仏前にお供えください」と施主に渡すのが自然でしょう。