訃報とは誰かが亡くなったことを知らせることを言い、葬儀へ参加してもらう連絡事項としての役割となります。また、参列できない方へも葬儀が行われる旨の連絡となります。昔は電報を打ったりハガキでのお知らせが主流でしたが、それでは葬儀や通夜が終わってしまうこともあるため、基本的には、電話で伝えるのが今現在の一般的な方法です。もっと一斉に早く訃報を、という場合にメールを利用する人もいますが、訃報をメールでというのは抵抗や不信感を覚える方も多いので、送り手に失礼のないよう気を配りましょう。
訃報を伝える際に必要な内容・注意点
1.亡くなった日時(死因は簡潔にしましょう)
2.故人の名前
3.喪主の名前、および連絡先
4.喪主と故人との関係
(※故人との関係は、受取り手が弔電を出す際、また葬儀場に花を出す際に必要となるので忘れないようにしましょう)
5.通夜、葬儀スケジュール
(※葬儀の日時が決まっていない場合は「決まり次第連絡します」と伝えましょう)
6.葬儀の形式・様式(仏教・神道・キリスト教式 等、家族葬・直葬・一日葬・自宅葬 等)
(※通夜や告別式を行なわない場合、また、身内・親族のみで家族葬等を執り行う場合、注意点として、弔問や参列に足を運んでくださろうとする方々への配慮、また故人の遺志にそぐわない形にしないためにも、弔問や参列をお断りする旨はしっかりと伝えましょう)
7.香典、供花、お供物を辞退するかしないか
(※斎場もしくは自宅の場所が分からない方には、電話連絡の後、FAX等で地図を送りましょう。)
家族葬にはさまざまな形式がありますが、通夜や告別式を執り行うケースも少なくありません。訃報を伝える際には「家族葬」での通夜、告別式の有無をはっきりと伝えましょう。
「直葬」の場合
直葬では、通夜も告別式も執り行われませんので、以下のことをきちんと伝えましょう。
・お通夜、葬儀はしないため葬儀場は借りていない
・更衣室、控室は無い
・お供物やお花を置く場所が無い(希望される方には当日、花束をもってきてもらいましょう、または自宅に届けていただきましょう)
・香典、弔電のお断り
・火葬だけを行ないうため、火葬場を案内(火葬の際にお別れの会をする場合、その旨伝えます)
・火葬が行われる時刻の10分から15分前に火葬場に集合していただきたい旨の連絡
電話では「父の生前からの希望もあり通夜も葬儀も行わず、火葬だけを行ないます。おもてなしも何もできませんが、火葬の際に最後のお別れができますので、もし最後に顔を見てお別れをしていただけるのであれば、火葬場へ直接来ていただきたく、よろしくお願いします」などと伝えましょう。
大人数になっては故人の葬儀への願いも会葬者へのもてなしもできませんので、限られた範囲内の友人、知人等に伝えるようにしてください。
「一日葬」の場合
一日葬では、通夜を行ないません。弔問を遠慮していただくため、通夜は行わず○月○日に告別式を執り行います、と葬儀の日程を伝えましょう。
訃報を知らせる順番・伝える範囲
はじめに訃報を伝えるのは近親者や親族、基本的には三親等内の親族に連絡します。その際、遠方にいる親族にハガキや電報を送ってしまうと、通夜や葬儀が終わってしまいますので、早めに電話連絡しましょう。
三親等外では、故人と仲の良かった方や、葬儀に参列してほしい人に伝えます。また葬儀社への連絡も忘れてはなりません。ご逝去された場所が病院であった場合、すぐに病院にお迎えに来てもらう必要があるからです。
家族や親族、葬儀社への連絡が終わりましたら、菩提寺がある場合、菩提寺に連絡をします。なぜなら通夜や告別式の日程を僧侶に伝え、調整する必要があるからです。また地域によっては、枕経や前火葬・骨火葬など、通常の葬儀のスケジュールとは異なるケースもあるので注意が必要です。
そして最後は故人の友人、知人、学校や会社関係者への連絡です。電話連絡した際、他に親しい友人、知人がいなかったか確認しましょう。故人の電話帳や手紙などだけでは把握できない友人、知人がいるかもしれません。その場合、最初に電話連絡した友人、知人に葬儀の旨をその方々に伝えていただくのも方法のひとつです。
訃報があったことを伝える連絡が済みましたら、次は喪主自身の会社への忌引の申し出が必要です。これは喪主に限らず、参列する家族親族やそのお子さんも同様です。ただし故人との関係により休む日数が変わるので、気を付けましょう。ここでは忌引の日数をお伝えします。
・配偶者…10日間
・父母…7日間
・子ども…5日間
・祖父母、兄弟…3日間
・叔父・叔母・孫…1日間
・配偶者の父母…3日間
・配偶者の祖父祖母、兄弟…1日間
【町内会、近隣住民】
町内のつながりが希薄になってきた今日、地域・地方によってはいまだにご近所の方々、町内会、自治体が葬儀を手伝ってくださる場合があります。
町内会長に葬儀の旨を伝え、回覧板などで訃報を回してもらいましょう。
■メールでの訃報通知
基本的にメールで訃報を伝えることは、訃報を送る相手を軽んじているようにとられ推奨されていませんでした。しかし逆にメールだと正確に早く細かく通知でき一般的になりつつあるのが、「勤務先への連絡」です。
一報はもちろん電話が良いのですが、時間帯や、喪主としての務めに追われる中では、電話よりもメールもしくはFAXのほうが的確に勤務先へ伝わります。
・死亡日時
・故人の名前、故人と喪主との関係
・享年
・死因(簡潔に、プライバシー保護に関わる場合は除外)
・通夜の日時(直葬、一日葬、また家族葬の中でも通夜を行なわない場合は、「故人の希望により」と通夜の有無の通知、香典や供物、弔電のお断り等も通知)
・葬儀、告別式の日時(直葬、また家族葬や自宅葬の中でもごく近親者のみで行なう場合は「葬儀は近親者のみで行います」等の通知、香典や供物等のお断りも通知)
・斎場、または自宅の住所、地図(告別式を行なう場合)
・喪主の氏名
・喪主の連絡先
はっきりと情報が伝わる分、内容の間違いには十分な注意が必要です
訃報とは元々、故人の名前や自分との間柄を素早く人に知らせることを言い、場合によっては葬儀の日時は伝えず「亡くなった事実」だけ伝えることもあります。
まずは、故人の親族と葬儀会社に「亡くなった事実」を伝えることから始めましょう。