「四十九日法要」は、お葬式後に初めて行う法要です。正式には49日目ぴったりで行なうものですが、平日に集まるのが難しい場合には、必ず前倒しで設定しましょう。49日は、亡くなった日を入れて49日後です。49日を過ぎてからでは出来ません。早めの準備が必要となります。通常、49日前の土曜日か日曜日など、皆さんが集まりやすい日に法要を設定します。希望日程をご住職と相談しながら決め、場所は自宅、菩提寺、霊園の施設などを利用します。
49日は、仏教的にも大切な法要になります。仏教では亡くなった後、冥土(めいど)の旅に出て、7日ごとに閻魔大王の裁きを受けます。初七日・二七日・三七日・四七日・五七日・六七日・七七日、七日ごとの裁判の後、来世の判決が下されます。四十九日法要は、来世の判決が下される日に合わせて営まれる大切な法要なのです。亡くなってから冥土を旅する49日間を「忌中(きちゅう)」と言い、来世が決まり、四十九日法要を終えることを「忌明け(きあけ)」と言います。
※「形見分け」「故人の持ち物の整理」などは四十九日法要までに終わらせておきましょう。
四十九日法要までのスケジュール
葬儀が終わりましたら、さっそく法要の準備をしていきます。
1.法要の日取り・場所を決める
前述のとおり、正式には49日あたりに行なうものですが、集まっていただく皆さんの予定もありますし、またお寺のご住職の予定や施設側の都合を確認し、通常、49日前の土曜か日曜に法要を行ないます。遅くとも1か月前までには決めましょう。
法要を行なうにあたり、お布施が必要です。金額は3万円~5万円、または、葬儀の際の金額の1割程度をお包みするといいでしょう。表書きは「お布施」です。
※菩提寺の客間を使わせていただく場合は、お茶代として別に5千円~1万円程度を用意しましょう。
※菩提寺が無く、僧侶を手配したい場合、お勤めをしてくれる僧侶を派遣してくれるサービスがあります。まずは葬儀をお願いした葬儀社に相談しましょう。
2.本位牌を注文する
葬儀の際に準備した白木の位牌は、四十九日までの仮位牌です。四十九日の法要を機とし、本位牌に作り直し、魂を移すお経を読んでもらいます。位牌は、法要の2週間前くらいまでに依頼しておきましょう。
※位牌の手配が不明な場合は、まず葬儀をお願いした葬儀社さんに相談してみましょう。葬儀社さんというのはいわば葬儀関連の総合代理店です、位牌はもちろんのこと、仏壇や仏具全般の手配をお願いすることができます。
3.墓石への彫刻を石材店に発注
基本的に、納骨は四十九日法要にあわせます、日程と頂戴した戒名を石材店に伝え、彫刻してもらいます。なお、お寺によっては出入りの石材店があります、一度お寺に問い合わせてみましょう。当日、納骨に立ち会う職人さんには、寸志を3千円~5千円程度お渡ししましょう。
4.案内状の作成
法要の日時と場所が決定したら、参列してほしい方々へ案内を出します。1か月半前までには案内状を作成、連絡や送付は1か月前までに済ませましょう。近い親戚などの身内には電話連絡で構いません、その他の方々へは案内状(返信用のハガキの同封を忘れないようにしましょう)を送ります。略式の往復ハガキを利用するケースも多いので忘れないかとは思いますが、通常のハガキで案内だけを送らないように気をつけてください。
参列人数が分かったら、法要後の会食の場所も忘れずに手配します。お寺や霊園の施設で仕出しを取って会食することも多くあります、部屋をお借りできるか問い合わせてみましょう。
5.卒塔婆(そとば)のリストを作り、発注
卒塔婆とは、故人へのお手紙です。法要の案内の際に伺った注文でリストを作成、菩提寺へ届けましょう。費用は約3,000円~10,000円ほどです。封筒に入れ、表書きは「御布施」や「卒塔婆代」と書きましょう。
6.参加者への返礼品の用意
葬儀と同様、法要の際にもお香典(四十九日からは「御仏前」となります)をいただきますので、返礼品を人数分(お香典の数分)用意します。会食後、解散の際にお渡ししますので、会食場所へ届けてもらうようにします。
7.四十九日法要当日
四十九日法要当日は、正喪服を着用し、法要場所に直接集合しましょう。持ち物は以下のとおりですので忘れずに準備しましょう。なお施主は早めに到着し、ご住職さまに挨拶をしましょう。
・お骨
・白木位牌
・本位牌
・お布施
・お茶代
・寸志
・遺影写真
・供花
【法要】
ご住職による読経、焼香、最後に法話をお願いします。
【墓地への移動・納骨】
全員、墓地へ向かい、墓前でお経をあげていただきます。お参りしたら、これで法要自体は終了となります。
【会食場所へ移動、会食後解散】
ご住職とともに全員、会食場所へ移動します。ご住職が会食を辞退される場合、「御膳料」として5千円~1万円程度用意しましょう。
会食場所では、以下の順序で進行します。
・施主が挨拶
・親戚の中で一番目上にあたる方に「献杯(けんぱい)」の発声をお願いします
会食が済んだら、
・施主が閉式の挨拶
・返礼品を渡し、解散
※会食自体を行わない場合は、引き出物と一緒に折詰めの料理、酒の小瓶等を渡しましょう。
※白木の位牌は菩提寺(お寺)へ納め、本位牌は帰宅後、仏壇に供えます。
四十九日法要後の法要等
死後7日ごと49日まで行う忌日法要(きびほうよう)を納めた後は、百カ日(命日を含め100日目)法要を経過すると下記の年忌法要(ねんきほうよう)があります。
一周忌(翌年)、三回忌(翌々年)、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌、百回忌と続きますが、一般には三十三回忌、または五十回忌(死後49年)をもって「弔い上げ」とし、法事の締めくくりとします。
また、「初盆(新盆(あらぼん・にいぼん))」は、故人にとって亡くなって最初の盆のことを言い、親族が盆提灯を送るなど、風習は様々です。
卒塔婆(そとば)とは
前述のとおり、卒塔婆とは簡単に言うと「故人へのお手紙」です。
故人の「追善供養(ついぜんくよう・生きている人の善行が故人の善行にもなる)のために用いるもので、細長い板の形をしています。
仏教では卒塔婆を立てることが善行であるため、法要やお盆、お彼岸といった際に卒塔婆が用意されます。
書かれている文字は、以下の通りです。
・戒名(法名)
・故人の命日
・経文(宗派によって書かれる経文は違います)
・梵字(空風火水地にあたる梵字と、供養日に縁のある梵字が一文字書かれます)
・施主名(卒塔婆を依頼した人の名前)
・供養年月日(卒塔婆を立てた日)
裏面には、大日如来(だいにちにょらい)を表す梵字(ぼんじ)が書かれていることもあります。墓地や霊園で、この卒塔婆が山と立てられている風景を皆さんもご覧になったことがあると思います。
この卒塔婆は木でできているため朽ちますし、また、お盆や次の法要の際に新しい卒塔婆を立てるスペースが無くなることから、時期をみて、墓地や霊園の管理者に相談のうえ、古い卒塔婆は処分するようにします。