最近多くなってきた「家族葬」の場合、座る席順など自由に、と言われますが、親族だからこそ注意したい席順があります。
席順は、その方の人生の立場、でもあるのです。
家系の立ち位置、また、お焼香の順番となりますので、注意しましょう。
通夜の場合
祭壇に近い上座に喪主や遺族、続いて血の濃い順に座ります。
・祭壇に向かって右側
喪主、遺族、近親者、親族などの位置になります。上座であればあるほど故人との縁が深かった人となります。
【故人の子どもが喪主をする場合】
上座から順番に、
1.喪主(父母が亡くなった時)
2.故人の配偶者
3.喪主の妻・子供
4.喪主の兄弟姉妹
5.故人の兄弟姉妹
6.故人の配偶者の兄弟姉妹
7.故人の親戚
8.故人の配偶者の親戚
9.来賓
【故人の配偶者が喪主をする場合】
上座から順番に、
1.喪主(配偶者が亡くなった時)
2.喪主の子供達
3.故人の親
4.故人の兄弟姉妹
5.喪主の親
6.喪主の兄弟姉妹
7.故人の親戚
8.喪主の親戚
9.来賓
・祭壇に向かって左側
世話役代表(葬儀委員長)、友人、知人、職場関係の人の席となります。
※職場関係の中では、役職者や故人の上司として直接親交があった人が上座となります。
・一般弔問客は、先着順に祭壇に近い方から詰めて席につきます。
焼香を行う場合には、上座から順番に喪主、遺族、弔問客の順に行い、弔問客は席順に焼香をします。
葬儀・告別式の場合
通夜の場合とほぼ同じです。なお、故人と縁が深い人や親しい人の席だけ決めておきましょう。
・祭壇に向かって右側
喪主、遺族、近親者、親族などの位置になります。上座であればあるほど故人との縁が深かった人となります(詳細は前述のとおりです)。
・祭壇に向かって左側
世話役代表(葬儀委員長)、友人、知人、職場関係の人の席となります。
※職場関係の中では、役職者や故人の上司として直接親交があった人が上座となります。
※もし職場関係の参列者がいない場合は、左側にも親族が座ります。
・一般弔問客は、先着順に祭壇に近い方から詰めて席につきます。
※キリスト教(キリスト教式)や神道(神式)のお葬式でも席順は同様となります。
その他、注意点
・血の濃い順番が不明な場合
年長者にきちんと確認しましょう
・赤ちゃんがいる場合
初めから後ろの席に座っていただきましょう。また、親族の中に赤ちゃんがいる場合は控室で我慢してもらうしかありませんが、ご焼香の直前には呼びに行ってあげましょう。(親族もしくは葬儀社スタッフがしばらくの間、赤ちゃんを預かってくれるはずです)
お焼香の順番
お焼香は、基本的にはお葬式の席順と同じになります。一般的に子ども達は両親と一緒にお焼香をしますので、スムーズに行うために「家族単位」で座りましょう。
後々わだかまりが残らないように、喪主1人で決めずに年長者にも相談をして決めたほうがよいでしょう。
司会者が肩書きや名前を呼び間違えないように、順位作成の時にふりがなも記入するようにします。
※来賓が参列されている場合、親族より先になる場合もあります。親族とよく話し合っておきましょう。
弔電の抜粋、紹介する順番
弔電は一般的に、親族、会社関係(関係の深い順)に読み上げますが、場合によっては、町内関係、公職者(市議会議員等)を先に呼ぶ場合もあります。
弔電拝読で本文まで読み上げられる、また肩書と名前のみの紹介で、どの弔電を紹介するかは難しいところです。
社葬など公的な葬儀の場合は、肩書を優先して紹介する弔電を選びますが、一般の葬儀であれば、生前に故人との交流が深かった方を優先することが多くあります。
また、定型文ではない心のこもった電文を、優先的に紹介すると良いでしょう。
なお、故人や喪主の勤務先の方がご参列の場合は、その勤務先からの弔電は必ず読み上げましょう。
以上のことを踏まえて、弔電を抜粋、順番を決め、早めに葬儀社スタッフ(司会者)に伝えましょう。
供花・供物の並び順
供花・供物の順番は、故人と関係の深い方から順に、祭壇に近い所より順にお供えします。
近親者、友人、知人、関係者の順に、関係者から届けられたものは、関係の深い順に、棺に近いところから並べます。
※祭壇の左右どちらが上座かを迷う場合、故人の頭の方を上座、反対側が下座と考えてください。
1対(2基)を揃えて並べる場合は以下のとおりです。
・故人の親族を上座の祭壇寄り
・下座の祭壇寄り
祭壇に近い方が故人との関係が深くなるように左右向かい合わせに交互に並べます。こちらも葬儀社スタッフが用意するでしょうから、早めに順番を伝えておきましょう。
骨上げ(こつあげ)の順番
骨上げは、故人と縁の深い人から順番に行います。最初に、喪主、遺族が行い、近親者、友人がそれに続きます。骨上げとは、二人一組で遺骨を箸で骨壺へ納めていくことですが、故人が三途の川を渡り、無事、あの世へ渡れるように橋渡しをする、という想いが込められています。
また、骨上げの二人一組でものを箸で挟むという、日常生活ではとらない行動には、人が亡くなるという悲しみが再び起きないようにという願いも込められています。マナーとしてまずタブーですが、デーブルマナーで1つの食べ物を二人がそれぞれの箸で挟むことがタブーとされるのは、これは骨上げと同じ動作になるためです。
上記の順番で、まずは遺骨の歯、そして足、徐々に上へ向かい、最後に「喉仏」を納めます。ちなみに「喉仏」の骨上げは、喪主ともう一人の近しい親族が一組となり行ないます。
喉仏が重要視されている理由は、特徴的な形状にあり、突起や曲線の感じが、仏様が座禅している姿によく似ているのです。それがある時に発見され、それ以来、この骨を最後に大切に骨上げするという習わしが生まれたそうです。最初と最後は喪主様が骨上げ、覚えておきましょう。
精進落としの席順
近年では葬儀、火葬が終わったその日に初七日法要を行ない、その後に精進落としをするケースが増えてきています。精進落としは、皆で食事をしながら故人を偲んで話をし、また、僧侶や葬儀を手伝ってくれた方へのねぎらいと感謝の席でもあります。
僧侶が参加している場合は以下の通りです。
1.僧侶が上座
2.世話役
3.会社関係
4.友人知人
5.親族
喪主や遺族が接待をする宴席なので、入口に近い末席に座り、出席者にお酌をしながら感謝の気持ちを伝えておもてなしをしましょう。