四十九日法要は、亡くなった日を入れて49日後に行なわれる最初の法要であり、納骨の日でもあります。葬儀が終わり次第、喪主はすぐにこの四十九日法要にむけ様々な準備をしなければなりません。一般的な葬儀(家族葬などの参列者を制限している場合ではなく)の後の四十九日法要としてお話しします。まずは、四十九日法要の案内状です。
四十九日法要案内状
出欠の返事をもらうために、往復ハガキや返信用ハガキを同封して送ります。
案内文は簡潔に、必要なことを伝えることが大切です。
・時候のあいさつ
・誰の四十九日法要か
・日時
・場所(必要な場合は地図・電話番号を添えましょう)
・平服でもよい場合はその旨を明記します。
【例文】
謹啓 ○○の候 益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて先般、亡母の葬儀に際しましては、ご丁重なるご厚志を賜りまして、誠にありがとうございました。
来る○月○日は○○○○信女の七七日忌にあたります。
つきましては○月○日(○曜日)午前○時より、菩提寺の○○寺において、四十九日の法要を営みたいと存じます。
法要後は、供養のしるしに粗餐を差し上げたいと存じます。その折には、亡き母の思い出話などをお聞かせいただければ幸いでございます。
ご多忙中誠に恐縮ではございますが、ご出席くださいますようお願い申し上げます。
お手数ですが、○月○日までに同封の葉書にて、ご返信いただければ幸いです。
敬具
記
日時 ○月○日(○曜日)午前○時
場所 ○○○○○○
平成○○年○月○日
○○ ○○
四十九日法要での挨拶
1.法要が始まる前の挨拶(僧侶へ)
僧侶が到着(お寺を借りる場合は喪主・施主のお寺到着時)した際に「お忙しい中ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いしますと先にひと言、事前に挨拶をしておきましょう。
2.法要が始まる前の挨拶(参列者へ)
「本日はお忙し中お集まりいただき、誠にありがとうございます。これより父(母)「○○」の四十九日の法要を執り行いたいと思います。では住職よろしくお願いします」
※季節等に応じて「お暑い中」とか「お寒い中」、「雨の中」などに変えてもよいでしょう。
3.法要のお経が終わった後の挨拶(参列者へ)
「皆様、本日は誠にありがとうございました。おかげさまで無事、四十九日の法要を終えることができました。親しくしていただいた皆様にお集まりいただき、父(母)もさぞかし喜んでいることと存じます。父(母)亡き後、多大なご厚情を賜りながら、ゆっくりとお礼を申し上げることができず、申し訳ございませんでした。この場をお借りし、改めてお礼を申し上げます。ささやかではありますがお食事を用意しておりますので、お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしいただければと存じます。本日はありがとうございました」
会食がある場合はその旨を伝え、会食が無い場合はお持ち帰りいただく引き出物があるので受け取っていってほしい旨を伝えます。
4.法要が終わり、お布施を渡す際の挨拶(僧侶へ)
「本日はありがとうございました。些細ではございますが、お礼でございます、お納めください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
お礼を伝えるとともに「お布施」、「御膳料」(会食を辞退される場合)、「お車代」などを渡しましょう。
5.会食の始めの挨拶(施主の挨拶)
会食会場に着いたらまずは遺影を設置します。遺影の前に「故人への一杯」を用意します。たまにこれを忘れて献杯に移ろうとする場合がありますが、たいてい年上の方が気づいて用意してくれたりもします。しかし喪主・施主としても、「故人を偲ぶ会食」に一番に用意すべき「杯」を忘れないようにしましょう。
「本日はたいへんお忙しい中、亡き○○の四十九日の法要にお越しいただき誠にありがとうございます。葬儀告別式の際にはお世話になり、この場をお借りし、改めて御礼申し上げます」
この後は手短ではあるものの、故人のことや、故人が旅立った後の家族の様子などを少々付け足してもいいでしょう。具体例は以下の通りです。
「早いもので○○がこの世を去りあっという間に四十九日になりましたが、いまだに、すぐ近くにいるような感じがします。でもこの四十九日法要で一区切りつき、亡き○○のことを徐々に実感していくのであろうと思います。○○を失ったことは無念ですが家族力を合わせて生きていきますので、どうか今後ともご指導賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」
「本日はわざわざお越しいただきましたのに、たいしたおもてなしもできませんが、お時間の許す限りごゆっくりお過ごしいただければと存じます。本日は誠にありがとうございました。」
6.献杯(親族の中で一番年上の方、もしくは故人と親しかった方にお願いします)
献杯していただく方の紹介をしましょう。
7.会食の締めの挨拶(施主)
「皆さま本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。名残は尽きませんが、そろそろお時間となりましたので、お開きとさせていただきたいと存じます。今後とも、変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました」
最後は短く簡単な挨拶で終わらせましょう。
四十九日法要で喪主・施主が挨拶をしないといけない機会は上記のとおり、2か所(法要(お寺)の場所・会食の場所)で計6回(献杯していただく方の紹介も含めると7回)ありますが、家族葬の場合など規模によっては省いても良い場合もあります。
まとめ(ポイント)
法要とは、故人を供養し、残された者の心を癒し、明日への活力となるものでなければなりません。また、会食(お斎(おとき))は、僧侶や参列者へのお礼であると同時に、一同で故人を偲ぶために行なうものです。
挨拶の例文は挙げましたが、あまり重苦しくならず、できるだけ短く、感謝のこもった挨拶にしましょう。
・挨拶の内容は、まず、参列者への出席の感謝の言葉から始めましょう。
・天候不順だった場合などは、それについても一言添えるとたいへん丁寧です。
・葬儀の際の感謝を伝えましょう。
・その後、近況報告などを述べます。
・故人への想い、また、残された家族の今後の希望などを伝えましょう(前向きな姿勢を見せましょう)。
・参列者へのお願い(今後のご指導ご鞭撻等)を忘れないようにしてください。
・会食を楽しんでいただくよう促しましょう。