絶対失敗したくないから、前もって準備しておくことが基本
ブラックフォーマルである、喪服。出番があまりないだけに、その選び方にはいろいろ悩むところです。真っ黒、と一口でいっても生地の質感や光沢によって、微妙な色の違いがそれぞれにあります。形も流行りにのっとったものや、そうでないもの。いざ選ぼうと思うと、いったいどこに注目すべきか迷ってしまいますよね。しかも滅多に着ることがないくせにお値段はそこそこするので、大きな買い物となりますよね。ですから、購入したのはいいけど気に入らなかったから、今度は違うのを購入しようなんて、気軽に買い替えるにしてはかなり負担となります。そんなにたくさんあっても仕方がないし、やはり自分に合った、失敗しない厳選の1枚を準備しておきたいものですね。
こういうことを念頭に探すのであれば、やはり前もって準備しておくことを心掛けておきましょう。喪服を作った途端に身近な誰かが不幸にあったらどうしようなんていうのは、要らぬ心配です。突然誰かの不幸があったときにとりあえず何でもいいから、なんて慌てふためいて適当に準備する方が故人に対しても失礼ですし、また葬儀に参列したときに気が気じゃないですよね。何しろ自分が納得して用意したものではないのですから。しっかり自分が選んだものを着て参列していれば、失礼のない参列ができていると、きっと自分にとっても自信となるのではないでしょうか。
喪服の色や形はどんなものをみんなは選んでいる?
いざ喪服を選ぼうとしたときに、つい目についてしまうのは、最近流行りの形ですよね。できれば、流行りのデザインのものを素敵に着こなしたい気持ちはわかります。だけどこれから何十年使い続けるのであれば、今流行っている形のものを選ぶよりも、シンプルかつオーソドックスで上品なものを選んでおくと間違いはないでしょう。ブランドなどに左右されるのもやめたほうがいいでしょう。
また生地については、しわになりにくいものを選ぶことも大切です。葬儀に参列すると立ったり座ったりしなければいけませんし、また長時間座り続けることもあります。今度立ち上がったときに座りじわがくっきりとついていたりしたら、あまり印象が良くないですよね。選ぶ際の重要なポイントです。そして色合いにつても、喪服ですからもちろん黒色ですが、黒にもいろいろな種類があります。いつまでも飽きのこない深めでシックな黒色を選ぶことをお勧めします。
女性用の喪服の選び方について
喪服は当然ながら男女ともブラックフォーマルを着用します。しかし選ぶときのポイントとして考えたとき、やはり女性用の喪服のほうがその種類は圧倒的に多くなります。ここでは女性用の喪服に特化して喪服選びのポイントについていろいろ考えてみたいと思います。
女性ならではの喪服選びで一番気をつけたいところは、スカートの丈です。立っている状態ではもちろん、座った状態のときでも、膝が見えない長さに調整しておきましょう。だいたい、膝下10㎝程度にしておくと、どのような動作をしても膝が見えることはなくなり、上品な印象となるでしょう。またぴったりとした形のものだと、身体のラインが強調されてしまいますので、喪服選びとしては相応しいとは言えません。喪服は今だけのものではありません。できれば長年着続けるためにも、少し大きめのものを選び、将来に備えておくといいでしょう。また身体に合わなくなってしまったときに、調整しやすいものを選ぶというのもひとつです。
あとは色合いについてです。黒色であればどんなものでも良いというわけではありません。まず黒色でもマナー違反とされるのは、光沢のあるものです。葬儀に参列している人たちは、だいたい落ち着いたシックな喪服を着ているでしょう。その中で、光沢の喪服を着ていれば、間違いなく悪目立ちしてしまうでしょうね。また素材があまりにも安っぽいものであったら、一人だけ浮いた状態となりすぐにばれてしまいます。慌てて適当に選んでしまうと、結局恥かしい思いをするは自分ですから、よく考えて選ばないといけないのはそういうことからなんです。ではいったいいくらくらいのものを買えば自分に相応しい喪服となるのでしょうか。当然、金額が上がればあがるほど生地の質感は、落ち着いた上品なものになります。黒色もテリテリとした安っぽい黒色ではなく、シックで深い色合いとなります。
年代別の具体的な価格帯としては、20代なら4~6万円のもの。30代以上なら7~9万円程度のものが適当だと言われています。10万円以上の喪服でしたら、生地の質感、色など仕立てがとてもいい品となるでしょう。
安いものをとりあえず購入し、あとで後悔してしまっては結局余計にお金がかかってしまう結果となってしまいます。のちのち失敗しないようにいつまでも使い続けることのできる逸品を選んでください。
喪服選びは誰のため?
葬儀に参列するときに考えなければならないことは、まず故人に対する思いですよね。また葬儀を主催する遺族に思いを伝えるために参列するんですよね。決して自分のファッションショーを行うわけではありません。先に喪服を用意しておくことに抵抗を感じるひとも多いでしょうが、当日慌てて用意することで、あとで後悔することのないように、よく考えて喪服を選べば失敗することはありません。送られる人にも恥をかかさないような喪服選びを行ってください。
現在喪服は黒色が基本ですが昔は白色が基本だった?
喪服の色は当然黒色ですよね。現在では黒色が一般的です。もし葬儀に参列したときに白色を着ていったら大変なことになってしまいます。葬儀に参列したことがない人でもそのくらいは、常識として知っているでしょう。
しかし実は、日本ではそんなに遠い昔でないころ、喪服といえば白色が常識だったのです。日本の長い歴史を振り返ってみて、たびたび黒色が流行った頃もありましたが、基本的には白色が主流となっていたようです。それが崩れたのは、明治維新をきっかけに欧米諸国の影響を受け始めたことでした。明治30年の皇室の葬儀で、黒色の喪服が世間に披露され、その後公式の場でのフォーマルな衣装として黒色が正式に規定されることになりました。
しかし一般庶民の葬儀で黒色の喪服が浸透されるのは、まだもう少し先の戦後まもなくのころでした。戦争で多くの人が亡くなり、貸衣装店が汚れやすい白を避けるようになり、徐々に黒色の需要が増えたためのようです。