葬儀に参列するには、さまざまな守るべきマナーがあります。今までにそういう機会が無かったから知らなくてもしょうがないなんて言い訳は通用しません。一介の社会人として参列したからには、当然、周りからは大人の常識ある態度で対応することを求められます。しかも、マナーをきちんと守ることができたとしても、葬儀の形は、その家族の事情であったり、地域のしきたりがあったりなど、さまざまです。それほど複雑な葬儀のマナーに対して、自分はいったいどんな風に関わればいいのか迷ってしまうでしょう。
恋人に家族の葬儀に参列して欲しいと言われたら?
自分の恋人の家族が亡くなったときは、どうすればいいのでしょうか。そもそもお葬式に参列してもいいんでしょうか。また参列したとしても、一般席で参列すべきか、遺族側で参列するべきなのか、悩みは尽きません。
突然、こんな重大な問題を突きつけられてしまったら、慌ててしまって正しい行動がとれなくなってしまいます。いつどんな状態になっても、とりあえず心の準備だけでもしておくと冷静に判断することができるでしょう。自分はもちろん、恋人にも恥をかかすことのないよう、正しいマナーを習得して、この事態を乗り切りたいでしょう。
葬儀に参列できるのはどんな関係までならいいの?
訃報通知を受けて葬儀に参列するか否かの、選択をしなくてはいけない場面が突然起こった場合、いったい自分とどういう関わりを持っている人の葬儀に参列すべきなのでしょうか。たとえば「職場の上司」や「友人の家族」、「長年会っていなかった恩師」など。そして「恋人の家族」はどうでしょうか。悩みに悩んでやっと参列したのに「あの人、誰?」なんてひそひそ話なんてされたら、場違いなところに来てしまったんじゃないかと、恥かしい思いをしてしまうかもしれません。そんなことを、先回りして心配ばかりしてしまって二の足を踏んでませんか。
さらに、恋人の亡くなった家族にまだ会ったことすらないとなれば、顔も知らない人の葬儀に参列するわけですから、当然違和感があります。しかも恋人とはまだ結婚する予定もないとなれば、どんな顔をして参列すればいいのかわかりません。
でもその恋人から、ぜひ参列して欲しいなんて言われてしまったら、参列しないわけにいかなくなるでしょう。大切な恋人の大切な家族の葬儀。もちろん自分だって恋人の立場として、立派に参列してあげたい。
葬儀に参列するときのマナーとして、こんなときどうすればいいのでしょうか。
一度も会ったことがない恋人の家族の葬儀に参列すべき?
一度も会ったことがない、顔も知らない恋人の家族。でも恋人にとってはとても大切な家族となれば、葬儀に参列するのは問題ありません。両親や兄弟はもちろん、祖父母でもそれは誰あってもかまいません。というか、自分にとって大切な恋人の家族であって、ぜひとも参列してあげたいと願う、その気持ちが大事です。その気持ちさえあれば、ぜひとも参列すべきではないでしょうか。
では、通夜か告別式のどちらに参列すべきかということについては、昔は身内以外の一般弔問客は告別式に参列するのが普通でしたが、現在では通夜でも一般弔問客の受け入れも当たり前になりましたので、どちらに参列しても問題はないでしょう。最近は仕事の都合などもある、通夜にのみ参列する人も増えています。また通夜と告別式、どちらとも参列することも可能です。
恋人が参列を断ってきた場合はどうすればいい?
最近は家族やごく親しい人とだけ行う、家族葬という葬儀の形式を選ぶ人が増えています。弔問客の対応や香典返し、細かい事務処理などのわずらわしさを省いたシンプルな家族葬はまた、家族だけで静かに故人を送ってあげたい、故人や家族らしい葬儀にしたい、ということを願う人たちによって、今とても人気があります。
このように恋人の家族の葬儀が家族葬だった場合は、もちろん参列すべきではありません。家族だけの水入らずの時間を邪魔するのは、思いやりに欠ける行為です。
でももし、家族葬でなかった場合に、恋人から、亡くなった家族の意向によって、家族だけで小ぢんまりと葬儀をしたいので参列はしなくていい、と言われたときはどうすればいいのでしょうか。この場合もやはり、恋人や恋人の家族の気持ちを尊重することが大切で、参列しないほうがいいでしょう。どうしても気持ちだけでも伝えたいと思うなら、後日改めて弔問すればいいでしょう。
もしも恋人の自宅に行きにくい場合などは、香典のみ恋人に渡してみるのもいいでしょう。ただ、家族葬の場合は香典や供花供物をお断りしている場合もありますので、注意が必要です。香典を断っているのに無理矢理渡すのはマナー違反となります。香典を渡したら、遺族は香典返しを用意しなくてはならなくなります。どのような葬儀を恋人の家族が望んでいるのか、よく注意しておきましょう。
恋人の家族の葬儀に参列する場合、親族席なのか一般席なのか
さて恋人の家族の葬儀に参列することになりました。では自分は親族席に参列するばきなのか一般席に参列するべきなのか、ここも悩むところですよね。恋人との関係によってその立場は変わってきます。
たとえば、結婚が決まっており婚約者という立場であれば、親族席でも構わないでしょう。またもう一緒に暮らしていて事実上夫婦のように過ごしている場合など、家族も公認の仲であるようであれば、このときも親族席でも構わないでしょう。
しかし、親族席での参列をするということは、親族が葬儀で行うことは一般弔問客とは当然やることもタイミングも違います。焼香ひとつをとっても、気を付けなくてはならないことはたくさんあります。また火葬場まで付き合うか、どこまで親族として参列するか、始まる前に決めておかないと、あとでかえって迷惑をかけてしまうかもしれません。最初に恋人や親族ときちんと打ち合わせを行っておいてスムーズにこなせるよう準備をしておくことが大事でしょう。
大切な恋人の家族ですから、できれば葬儀に参列したいところですが、先ずは相手を思いやることが大切です。迷ったら、恋人やその親族に相談して、よりよい方法を選ぶといいでしょう。