訃報というのは、たいてい突然訪れます。急な予定の変更や、通夜に着ていくフォーマルスーツの手配、持参する数珠や香典の準備など、短時間であれやこれや考えることがたくさんあってほんとうに大変です。特に女性で気を付けなければならないのが、ネイル。ネイルを常日頃していると、付けていること自体を忘れてしまっていて、お通夜に参列してからしまった! なんてこともあり得ますから注意しなければいけません。特にキラキラしたストーンなどふんだんに付けていたりすると、そのままの状態で参列するのは、いただけませんよね。お通夜や告別式では、受付で名前を記入したり、お香典を渡したり、またお焼香などもしなければなりません。その度に、爪は公然の場にさらされるわけですから、普段はキラキラしてキュートなネイルですが、時として大変なマナー違反となってしまいます。ご遺族に対しても失礼ですし、自分自身も恥かしい思いをしなくてはならなくなります。
しかしそうは言っても、ついこの間ネイルサロンに行ったばかりで気に入っていたのに、とか、とにかくオフする時間がない! なんてすごく困った場合など、こんなときの対処方法をいくつかあげてみたいと思います。
黒い手袋をはめて葬儀に参列
一番簡単で手っ取り早いのが、黒の手袋をはめてネイルを隠してしまうという方法です。ただし手袋をはめての参列には、気を付けなければならないこともあります。たとえば、日本式の葬儀の場合、お焼香で手袋をはめたまま行うことはタブー視されることもあります。ただしあまり派手すぎるネイルだと外さなけれ良かったということにもなりかねないので、そこは自分自身の判断で、手袋をはめたまま行う選択もあるかもしれません。キリスト教の葬儀の場合は、献花のときも手袋をはめたまま行っても構いません。また警察庁の制服で行う焼香の時は白い手袋は着用のまま行うことが定められているようです。
ジェルネイルの上からシンプルなカラーのポリッシュを塗って隠す
ジェルネイルを外さずに、その上からシンプルなベージュやピーチカラーのポリッシュを塗ってしまうという技もあります。マットカラーを使えば、たいがいはきれいに隠れてくれます。ストーンがついている場合には、不自然にでこぼこしてしまうでしょうが、葬儀の間だけですし、キラキラ派手なまま参列するよりはましでしょう。あまりにも濃いめの色合いのためにどうしても透けてしまう場合には、何度も重ね塗りをすれば大丈夫ですが、重い感じになってしまいますし、それなら始めから下地にマットなホワイトを塗って、その上に重ねて塗ればきれいにかくれてくれます。ホワイトを塗ったあと乾くまで待って、その上からポリッシュを重ねるので、時間は多少かかりますが、丁寧にすれば完璧に隠すことのできる方法のひとつです。またポリッシュを塗る前にトップコートを塗っておくと、ジェルネイルの保護にもなります。ポリッシュを落としたときにきれいに落とすことができます。
ポリッシュを落とす場合に気を付けることは、除光液で落とす場合は「ノンアセトン」のものを選んでください。普通の除光液だと、ジェルネイルまで溶けてしまうことがあります。せっかくジェルネイルをそのまま保つために苦労したのに、その苦労が水の泡になってしまいますので、要注意です。
絆創膏で隠す
たとえば、全部の指がキラキラネイルでない場合などの必殺技としては、絆創膏がいいでしょう。全部の指が絆創膏で覆いかぶさっているとさすがに変ですが、1、2本の指が絆創膏で巻かれていてもそれほどには目立たないし、もしばれたとしても、キラキラ派手なままで出席せずに、そんなところまで気遣ってくれているんだという風に印象も悪くはならないでしょう。
ちゃんとオフするときの注意点
やっぱりこんな細かいことに気を遣わず、ちゃんと参列したいと考えた場合、やっぱりネイルオフするのが一番スッキリし、気持ちも楽になりますよね。でもなにしろ急ですから、すぐにネイルサロンの予約は取れないかも知れませんし、なにしろそんなことをのんびりしている時間もありません。ジェルネイルは外すとき爪がいたみやすいので注意が必要ですが、自分でオフする場合にはどうすればいいのでしょうか。
ジェルネイルオフの専用リムーバーというのがあります。現在では、街のドラッグストアにも置いてありますので簡単に手に入ります。ネイルサロンのように、コットンやアルミホイルを使って落とします。間違っても、絶対に無理やりに剥がしたりしてはいけません。確実に爪がいたんでしまう原因になります。慣れていないと、上手く剥がれませんし、結局爪をいためてしまうかもしれませんので、慎重に丁寧になるべく削りすぎないように注意してください。
女性が参列するときのうっかりマナー違反
ネイルも常につけているものですから、他は完璧に準備していてもついうっかりなんてことはあり得ますよね。男性にはあまり起こらないことも、女性ならではのついうっかりミスって結構あるものなんです。
たとえば、普段使っている傘。最近がゲリラ豪雨なんていうのもよく起こります。鞄の中に、普段使いの鮮やかな色のお洒落が折り畳み傘が常備されている人も多いでしょう。でも実はこれもマナー違反なんです。葬儀に参列する場合は、黒、紺、グレーなど無地の傘での参列を心がけましょう。用意できない場合は、コンビニの透明なビニール傘でも大丈夫です。
また、つい忘れがちなのが香水です。香水をつけていることが日常な人は、これも無意識につけてしまっている場合があります。しかし香水のキツイ香りは、葬儀の場には相応しくありませんよね。特にセレモニーでは式場で大勢の人が密集していますし、香りの嫌いな人も中にはいますので、この点についても注意が必要ですね。
葬儀では女性のアイテムのひとつとして、黒のストッキングもありますが、これももし伝線してしまうと非常にみっともないので、必ずバッグの中に予備のストッキングを常備させるようにしましょう。
お世話になった人や親しかった方との最後のお別れです。きちんとした姿で見送ってあげたいものですよね。