おさらいになりますが、相続とは亡くなった人の財産を相続人達が引き継ぐことを言います。何時何処で誰がという言葉がありますが、相続に当て嵌めると亡くなった時に亡くなった人が居住していた場所で相続人達が財産を引き継ぐとも言えますね。相続人を調べることと同時に引き継ぐ財産を調べることも大変重要です。引き継ぐ財産が確定しないと次の手続き、即ち誰が何を引き継ぐのかという手続きへ進めません。今回は更に深く触れてみましょう。
故人の財産について、具体的な調べ方を説明します
銀行預金の調べ方は簡単ですが、注意点があります。以前少し解説しましたが、亡くなった人の名義である預金口座全てにおいて、通帳を記帳しておきます。その後に亡くなった人の死亡日の日付で残高証明書と取引証明書の発行を依頼します。預金口座の手続きはこれで終わりとなりますが、特に注意して頂きたい点があります。それは、金融機関は人が亡くなると亡くなった人の口座を凍結し、一切の手続きを無効にしてしまいます。相続の手続きが終わった旨を金融機関に申請しない限り口座の凍結は解除されません。口座凍結の対処手続きは、各金融機関に予め問い合わせておくことをお勧めします。ここで少し付け加えますと、2019年6月16日の報道にて口座凍結後であっても150万円を上限とした預金の払い戻しが可能となるそうです。最新の報道ですので、詳細は念のために各金融機関に相談し確認して下さい。
預金は比較的簡単、手続きが面倒なのは不動産です
財産の内、調べるのが面倒なのが家や土地と言った不動産になります。預金は【1】で解説したとおりですが、不動産は様々な書類を揃えることから始めます。書類は登録済権利証、固定資産税納税通知書、名寄帳、登記簿謄本になります。登録済権利証は亡くなった所有者が持っていたはずですので、探しておいて下さい。固定資産税納税通知書は亡くなった人が居住していた市町村から送付されますので、探して保管しておきます。名寄帳は、市町村の課税課に申請すれば発行して貰えますので、用意しておきましょう。登記簿謄本は亡くなった人が居住していた住所地を管轄する法務局で発行して貰えます。厄介なのが先祖代々受け継いできた土地です。亡くなった人が所有者になっていることを把握していない場合がありますので、注意が必要になります。
ローン残高も確り調べ、漏れのないようにします
住宅ローンや自動車ローンの残高も当然調べなくてはなりません。マイナスの財産ですが相続税法では相続しなくてならない決りになっているからです。調べ方は、口座引き落とし額を調べるか、ローン会社に問い合わせ残高を調べて貰う必要があります。頭が痛いのは、消費者金融からお金を借りていて、その事実を家族が知らなかった場合です。こうなると、漏れが生じてしまう恐れもありますが、同じく消費者金融会社に問い合わせる必要がありますね。マイナスの財産を相続したくない人には限定承認もしくは、相続放棄という手もありますが、機会を改めて解説します。