相続に限らず法的な問題には必ず時効が関わってきます。最も身近な時効だと借金の問題がありますね。ある人達の間でお金の貸し借りがあったとします。通常貸した人が借りた人に貸したお金を返すよう督促しますね。そして、借りた人は督促に応じお金を返す義務が生じます。何等かの理由で貸した人が五年または十年以上督促をしなかった場合、借りた人には返す義務が法的になくなることになります。これが時効となるのです。相続に関して幾つか時効が決められている手続きがありますので、簡単に解説しましょう。
相続に関する時効とは何か、簡単に解説します
時効について説明しますと、ある事実について一定の期間(時効期間)継続したことを要件として、権利を得るかあるいは失う法律効果を認める制度です。前述の一例以外でも、ある人が所有する土地に他人が勝手に家を建て住み始めたとします。本来の土地の所有者が勝手に家を建てた人に対して十年または二十年以上退去するよう言わなかった場合、その土地の所有権は、勝手に家を建てた人に移ってしまうのです。これを取得時効と言い、前述の借金については消滅時効と言います。相続に関しては三つの時効が定められていますが、時効が無いものもあります。それは、遺産分割請求権です。この遺産分割請求権はある相続人が他の相続人に対して財産の分割を請求できる権利です。
相続に関する時効は、大きく分けて三つ有ります
相続に関する時効において、最初に説明するものは相続放棄です。亡くなったことを知った日の翌日から三ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てをしないと、相続放棄ができなくなります。一日でも遅れてしまったら受け付けて貰えません。次に遺留分減殺請求です。遺産分割協議が終わり、他に多大に財産の分割を受けた相続人が居て、自分の財産が不当に少なかったと見做される場合、本来自分が分割を受けるはずであった財産について請求できる権利です。本来自分が受けるはずであった財産を遺留分と言いますが、遺留分減殺請求は不当があったことを知った日から一年以内となっています。最後に相続税の納付期限です。亡くなったことを知った日の翌日から十ヶ月以内となっています。
時効を過ぎたらどうなるの?何が問題なの?
三つの時効が過ぎたらどうなるでしょうか。相続放棄については、放棄できずにそのまま相続することになりますが、亡くなった人が債務超過状態だったならば、相続人全員で借金の返済義務を負うことになります。遺留分減殺請求ですと、本来貰えるはずであった財産が貰えなくなり損をしますね。相続税の納付期限を過ぎてしまった場合、延滞税を始めとした様々な罰則を受けるだけでなく、最悪脱税と見做されれば懲役刑に課される可能性もあります。細かくみていくと寄与分を初め時効に関する規定は多く見受けられます。全てを把握し、問題なく手続きを進めるためには、税理士や弁護士に依頼することをお勧めします。