人は死ぬことは避けられません。誰もがその瞬間を迎えます。人が亡くなれば悲しいのは当然ですし、亡くなった人が親や祖父母ならば、その喪失感はいかばかりかと考えると心が痛みます。ですが、悲しんでばかりも居られません。人が亡くなると、死亡届等の法的な手続き以外にも葬儀や埋葬の手配等やらなければならないことが沢山あります。他には相続と相続税に関することも考えなくてはなりません。
相続と相続税、一文字違いなだけで内容は同じ?
そもそも相続と相続税とは何かと言いますと、同じように聞こえますが少し違います。相続とは、亡くなった人の財産を遺族の方々が引き継ぐことを言います。相続税とは、引き継がれた財産に課税される税金のことです。消費税や所得税から比べると、あまり知名度は高くはありませんが、国が直接管理する国税になります。何故知名度が低かったのかと言いますと、富裕層向けの税金だったからです。ある程度の資産家でもない限り、相続税は課税されることは余り有りませんでした。しかし、2015年(平成27年)に相続税に関する法律が改正され、駅の近くに一戸建て住宅やマンションを所有していたり、株式投資をしていたり、仮想通貨を所有していれば、相続税が課税されてしまう可能性がでてきたのです。私は関係ない、自分達は資産なんて持っていないから、相続税なんて課税されるわけがない。こういうことを言っている人達も相続税は他人事ではなくなってしまったのです。
相続税は誰が払うの?払わなくても良いの?
相続税を払わなくてはならない人は誰か。それは、相続または遺贈により財産を取得した人となっています。遺贈とは亡くなった人の遺言により財産を無料で贈与(あげてしまうこと)することを言います。では、相続または遺贈により亡くなった人の財産を取得した人は、全て相続税を払わなくてはいけないのかと言えば、そうではありません。相続税について細かく定められた法律があります。それを相続税法と言います。相続税法上の決りで、基礎控除額と呼ばれる決まりがあるのですが、引き継がれた財産からこの基礎控除額を差し引いた残額に相続税が課税されるのです。つまり、引き継いだ財産が基礎控除額より低額ならば、相続税は課税されませんから、相続税を払う必要もないのです。ですが、引き継いだ財産が基礎控除額より高額であったら、相続税が課税されることになりますので、相続税を払わなくてはいけません。では、基礎控除額とは何かと言いますと、3000万円+600万円×法定相続人の数となっています。
法定相続人とは何?言葉が難しくて分かり難い
実は相続税法の他にも相続や相続税について細かく定められた法律が存在します。それは民法と言います。法定相続人とは民法の決りによって相続人と認められる人となっています。相続人とは亡くなった人の財産を引き継ぐ人のことであり、通常ですと亡くなった人の遺族が相続人、つまり法定相続人とされています。