骨肉の争いという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。家族間のトラブルにおいて最も多いのは相続、特に遺産の分割つまり相続のトラブルだと言われています。仲が良かった家族が、相続によってお互いを骨の髄まで憎みあうことになる場合や、最悪だと傷害事件や殺人事件にまで発展することも有り得ます。綺麗ごとかもしれませんが、本来相続は家族全員が納得できるように円満解決を目指すべきだと思います。
最も多いトラブルは、誰が何を引き継ぐかです
家には関係ない。家族の仲は良いと思うから相続のトラブルなんて考えられない。と、言ったような話は良く聞きます。相続のトラブルとは無縁と考える方が多いのは仕方ないのかもしれません。ですがある統計によると、遺産の分割のトラブルの件数が平成14年では約11000件でしたが、平成24年では約15000件となっていて年々増加傾向にあるのです。他の統計ですと、相続のトラブルは遺産総額が5000万円以下の中流家庭が最も多いと言われています。決して他人事ではないとお考え下さい。では、相続のトラブルとは何かと言いますと、遺産を誰が何を引き継ぐかになります。言い換えますと、誰が何を引き継ぐかを決める遺産分割協議が最もトラブルになり易いのです。本来は相続人だけで協議をして、解決できれば良いのですが、通常ですと弁護士に立ち会わせて遺産分割協議を開催する方法が最も効果的となります。
厄介なのは、寄与分を主張する相続人がいる場合
亡くなった方が生前に介護を受けていたということは結構多いのではないでしょうか。病院等の施設で専門の介護士に介護を受けていれば特に問題は発生しませんが、自宅で介護を受けていた場合は少々厄介な問題が発生します。亡くなった方の介護を親族が行っていた場合、介護に関わった程度の差によって特別な貢献が有ったと見做されることがあります。この特別な貢献を法的に寄与分と呼びます。その寄与分に応じて引き継ぐ遺産を増額できるのです。寄与分を主張する相続人にとっては、亡くなった方の介護をしていたのは自分だけで、他の相続人は何もしていない、だから引き継ぐ遺産を増やして貰わなくては割に合わないと考えてしまい、つい感情的になってしまうのも無理はありませんね。寄与分について認めて貰うには、最終的に家庭裁判所の審判が必要になります。避けては通れない面もありますので、充分にご注意ください。
隠し子や前配偶者との子供所謂半血の子がいる場合
半血の子供、即ち父親か母親どちらかが同一の兄弟姉妹のことです。亡くなった方に半血の子供が居た場合も相続のトラブルになり易いのです。亡くなった方が再婚していて、前配偶者との間に子供が居た場合が該当しますし、婚外子つまり隠し子も該当しますが、現在半血の子供に関する相続分は全て平等となっています。半分血が繋がっていないので、相続させないという理屈は通用しなくなっています。こればかりはどうにもなりません。時間をかけてでも協議を続け、妥協点を見出して解決していく以外方法はありません。その際に、弁護士に依頼し協議に立ち会わせることをお勧めします。