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愛する人の死に直面するとはどういうことか 葬儀の意義とは

「門松は冥土の旅の一里塚」(一休宗純)というが、誕生日と年明けは永遠の旅立ちに一歩進んだことの目印ではある。それは自分だけではない。大切な人たちも同じ道を歩いている。新年を迎え、日常で目をそらしがちな生と死、それらを考える場としての葬儀について改めて考えてみたい。

愛する人の死に直面するとはどういうことか 葬儀の意義とは

愛する人の死

家族、恋人、友人など、愛する人の死は人生における最大の苦しみであり、かつ人生の試練でもある。愛する人、大切な人とは、いつまでも自分のそばにいると思っているものである。しかし時間は無常であり無情にも、いつか必ずその人を連れ去ってしまう。明日も変わらない笑顔を見せると思っていた人が突然目を開かなくなる。この事実に直面した時、現実を受け入れることは非常に難しい。生きる希望さえ失うことさえあり「悲嘆」という形で心に深く残る。

出会いには必ず別れがある。いかなる出会いもその終着点は確実な別れである。それならば家族は別として、最初から人と関わらなければよいのだという考えに至ることもできるだろう。それにもかかわらずペットなども含め、何故人は家族を作り、交遊を深め、幸せを求めるのか。

ヴィクトール・フランクル(1905〜97)は人生にはすべからく意味があると説いている。人生に意味があるなら当然出会いにも意味がある。悲嘆となる程に愛することができた者と過ごした時間は人生を彩っている。愛する者との時間があればこそ今の自分がいるのだ。

苦痛を味わい命の大切さを知る

筆者は母親を亡くしたときに激しい喪失感に陥った。若くして親を亡くすことはとてつもない苦痛であった。介護に疲れ、強い口調でものを言ってしまったことがあり、後悔と罪悪感にも苛まれた。しかし、愛する人の死が与えるものはそれだけではない。健全な精神を持ち合わせているなら、遺された者の苦しみ、悲しみを知った者は軽々しく生命を扱うことはないだろう。例えば安易な衝動で自殺などをすることは、自分の悲しみを思い起こせば考えられることではない。そういう意味では悲嘆を経験したものは生命の尊さと限りある人生の大切を知ることができる。

しかし、現代社会は科学的世界観の発達によって人間を単なる物理的存在と捉え「モノ」と考えるようになった。これは貧しい世界観であるともいえる。そこには「人生の意味」がない。人生のイベントはすべて偶然の産物ということになる。人生には意味がないという考えでは、悲嘆に耐えることは困難である。生死を単なる偶然と捉える者は悲嘆に陥ったとき依って立つものがない。「意味の喪失」は悲嘆者へのケア(グリーフケア)の大きな障害になる。

葬儀の意義や効果

以前、葬儀の意義について書いた。葬儀は社会が歴史の中で培ってきたグリーフケアであるといえる。筆者はいわゆる「葬式仏教」と揶揄される仏教の役割を評価し、むしろ復興するべきであるという立場である。拙稿でも以下の引用をした。

「葬式は故人が亡くなったという事実を現実的に認識する機会となり、故人の人生を振り返ることができる点でも意義は大きい」

「多くの遺族を死の受け入れへ導く助けをする」(小西聖子/白井明美「『悲しみ』の後遺症をケアする グリーフケア・トラウマケア入門」角川学芸出版(2007))。

先日、筆者自身が葬儀に参列した。会席などを通じて数年ぶりに会う親族などと近況を報告する、親交を温めあうなど有意義な時間を過ごすことができた。これも死者が設けた場であるといってよいだろう。死者を語り死者を思う時間を共に共有する。通夜などは本来遺体を前に酒を飲み騒ぐ場であった。
しかし現代、特に都市部ではそのような通夜の光景は見られなくなっている。簡易化されつつある葬儀も参列者の心持ちひとつで内実は大きく変わると思われる。人間の心理とは形式によって左右される要素も大きい。スーツや礼服、道着などを着た時はラフな服装に比べ身が引き締まるだろう。形式は散逸する意識を固定する役割があるのだ。葬儀の簡易化による事務的形骸化は、葬儀本来の意味が失われつつある危うさを感じる。

本来、葬儀の場は現代人が失いつつある「あの世」や「魂」といった宗教的な世界観を見直す機会でもある。「人生の意味」の喪失は科学的世界観が宗教的世界観を圧倒したことが大きな要因であると思われる。なぜなら人生に意味が付与されているとすれば、付与しているのは何か。それは人間存在を超えた大いなる何かを信じざるをえない。そのような世界観が受容できれば「千の風」のような失った者がどこかにいるという物語が単なる慰めのおとぎ話ではなく、リアルなものとして感じられることが期待できるのではないか。

改めて考える葬儀と死生観

葬儀不要論、簡易化が盛んに展開されているのは時代の流れかもしれない。加えてコロナ禍において生活が傾いた人も大勢いる。その点では手放しに伝統的な葬儀形式を擁護することは難しい。その上で葬儀という行為そのものには、生死の意味を考えさせるという場としてのという意義があると信じたい。21世紀もまもなく四半世紀を迎えようという現代において、改めてその意義を考える価値は大いにあるだろう。

ライター

渡邉昇(掲載日:2022/01/20)

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