3年ほど前に東京から引っ越し、現在、関東地方の某市に住んでいます。JR各線と私鉄が乗り入れるターミナル駅があり、人口も多いのですが、東京とは違うなぁと思うことは数々あります。
わたしの趣味は映画鑑賞で、週に1~2度は映画館に行っていますが、この市内で見ると、鑑賞前に必ずといっていいほど葬儀社のCMが入ります。東京(とくに銀座、新宿、渋谷などの繁華街)ではあまり見なかったことの1つです。都会はあちこちから上京する人が多いですが、地方都市の映画館だと、住民の率がぐっと高まるので、葬儀社のCMは、なるほどなぁと思わせます。
施設の新しさをアピールするところあり、祭壇のセンスのよさや地域密着サービスのきめ細かさを訴えるところあり、役者さんの演技でほろりとさせるところあり、CMを見ていると「自分のお葬式をここでやってみたいな!」と思うところが数多くあります。お葬式が1度しかできず、しかも自分で見られないのが残念な限り……。
どんな斎場がいいですか?
冗談はさておき、皆様が自分のお葬式を演出できるとしたら、どんな斎場がいいですか?
チェックするポイントが人によって違うと思いますが、わたしだったら、第1が交通の便のよいところ、第2があまりお高くないところでしょうか。
基本的には「やらなくてもいいよ」とも思っていますが、声高に「やらない!」と突っ張るのも自分の主義ではないので、お騒がせすぎないかんじであればとイメージしております。
そういえば、お世話になった先輩で、葬式をセルフプロデュースして、香典を参列者から一切取らなかった方がおいででした。ご自分の貯えでお葬式がまかなわれるよう手配されており、そのきめ細かいご配慮と段取りが生前のお人柄を偲ばせまし
葬儀にかかる費用の平均は約200万
財団法人日本消費者協会の、2010年に行われた「第9回葬儀についてのアンケート調査」によると、過去3年間に身内に葬儀のあった人が葬儀にかけた費用の総額は、全国平均で約1998861円。2007年に行われた第8回の同アンケ―トの全国平均231万円より下がっているようです。
葬儀にもデフレの波がきているのかもしれません。
ただ、それでも200万近くというのは大金です。故人のために行う葬儀のあれこれですが、残された方々が心の区切りをつけるためにする部分もあるので、今、生きている自分が想像するのとはきっと違ってくるのでしょうね。
お金の話は複雑です
肉体が生命活動を停止してしまうと、ほんの数日で終(つい)の別れがやってきてしまうなんて、まことに無常で切ないものです。
生前のおつきあいの豊かさを思うと、別れはまったく突然で素気なさすぎて、やりきれない……そういう思いを受け止めるための場が、葬儀という一連の大セレモニーなのでしょうね。
生前を知る人たちが、故人の人となりや功績をたたえようと華麗なホールを予約し、美しい祭壇を作り、よい戒名をつぶやくことによって少しでも心を癒し、虚しさ悲しさを乗り越える部分があるのでしょう。
お金の話、この世ではとても複雑です。