素朴な疑問を持った時期がありました。
【◯◯家】や【◯◯家先祖代々】とよく墓石に刻まれてあるので、その名字の人でないとそのお墓には入れないと思っていました。
ところが色々と調べてみると、一概にそうだ。とは言いきれない事がわかりました。
お墓のお世話をしているお寺によっても違いますし、墓石の建て方によっても違うそうで、例えば◯◯家と刻まれていても、そのお墓に入る人の関係によっては、墓石には一切手を加えなくてもそのまま入れて下さるお寺もあれば、あくまでも名字の違う方は入れません。というお寺もあるようです。
新しく墓石を建てる場合は、お世話をして下さるお寺に前もってどんな人と一緒に入るのかお訪ね頂くと名字の違う人も入れるお墓の建て方を教えて下さいます。
筆者の体験談
実際に私の実家であった事ですが、私の父は次男。母は1人っ子。この2人が結婚し、母方の両親と同居しておりました。
父は婿養子ではありませんので、2世帯同居という形でした。
そんなある日、車で5分ぐらいのところに墓地が出来る事を知った祖父が、先を考え、土地だけでも購入しておいた方が良いと墓地を見に行きました。
祖父には先祖代々というお墓があるのですが、遠方でなかなか行けませんし、父は次男なので、特に実家のお墓に入らなければならない。という事ではなかったらしく、であれば一緒に入れるお墓を建てたらどうか。という事になったそうです。
私はその当時小学生だったので、一緒に墓地へは行ってませんが、まっさらな墓地に区画だけ区切られていたそうです。そして、その墓地のお世話をして下さっているお寺へ行き、家族の事情(この場合、お墓に2世帯で入りたい。といったところでしょうか・・・)を説明し、どのように墓石を建てたらよいか相談したそうです。
その結果、そのお寺では墓石の表に父の名字、横に墓石を建てた人の名前として、祖父母どちらかの名前を刻めば名字が違っていても同じお墓に入れる。という事がわかったそうです。
そして墓地の1画を購入してから数年後、その墓地を購入した祖父が他界しました。
お寺から教えて頂いた通り、墓石には父の名字が○○家と刻まれ、墓石の横には墓石を建てた人。という事で祖母の名前が刻まれ、祖父は無事納骨されました。
様々なデザインの墓石
最近、共同墓地では様々なデザインの墓石を見かけます。
そして刻まれているのも名字でないものも増えました。
墓地によっては墓石を数種類の規格の中から選ばなければならない事もあるようですが、共同墓地や、公営の墓地などでは、無宗教でも良ければ、墓石の形も自由。もちろん墓石に刻む文字も自由というところが多くあるようです。
私が特に気になったのが、墓石に【愛】とか【絆】とか【和】などと名字などではなく、言葉を刻んでいるものが多くなったという事です。
これは、名字に関係なく親族誰でも入れるようにという事で刻まれたものだと聞きました。
お墓を購入するにも、数十万円~数百万円とかなりお金がかかりますよね。
葬儀でお金がかかり、お墓にも・・・となると残された遺族はかなり厳しい現実を目の当たりにする事になります。
これが、お墓だけでも建ててあって、いつでも納められると思うだけで気持が楽になる事も最近になってわかるようになってきました。
私も歳を重ね、様々な葬儀や納骨、法事などに参列してきたからこそ思うところなのですが、我々にとっても子孫にとっても、近くにお墓があっていつでもお墓参りに行ける位置であれば、他界したあとも淋しい思いをしなくて済みますし、お墓参りをする人も気持ち的に楽にお参りをしてくれると思うのです。
考え方は人それぞれだとは思いますが、やはりお墓を持ったからには放置したり、されたりするような事は避けたいですね。