最近では「終活」がすっかりと定着し、身辺整理の一環として「エンディングノート」を利用する人が増えています。ここでは、エンディングノートに書いてはいけない2つのことをご紹介します。
遺産相続に関すること
エンディングノートは、最期の旅立ちを前にして生前の思いを綴り、自分の死後、遺産整理や葬儀の際に遺族が困らないようにするために作成します。もし、遺産分割において希望がある場合は、相続人同士のトラブルを避けるため、エンディングノートとは別に正しい書式に基づいた遺言書を作成しましょう。遺言書とエンディングノートの両方に遺産に関する記述があった場合、どちらを考慮すればいいのかなど、相続人同士で揉め事が起こる可能性があるためです。
また、エンディングノートと遺言は全くの別物です。遺言書を作成せずに、遺産に関する記述をエンディングノートに記載し、これを正式な遺言とすることもできません。遺言は、裁判所による「検認」が必要であり、遺言として必要な要件を満たしていなければ、遺言として効力のないものとみなされてしまいます。エンディングノートには、所定の記載事項だけを書くにとどめておきましょう。
個人的な怨恨・贔屓
エンディングノートは、故人を偲ぶ遺族も閲覧します。遺言書とは違い、決まった書式がないので基本的には何を書いても自由ですが、残された遺族に対する度を越えた怨恨、特定の個人を贔屓する文章は避けるべきでしょう。悲しみに暮れている時に、自分に対する憎悪の文章が綴られていたら、誰でも心象が悪くなるものです。
感情に任せて個人を攻撃したり擁護したりする文章も、遺産相続で無用なトラブルに発展しかねません。そればかりか、エンディングノートの記述が原因で、相続人同士で長きにわたって絶縁・不仲を招く可能性もあります。書き始める前に一呼吸おいて、誰が読んでも不快にならないような記述を心がけましょう。