当たり前の話ですが、墓地に欠かせないのが墓石です。
しかし、檀家であっても、実際に自分が喪主として、墓地を購入し、墓地を作ったことが無ければ、やはり判らないことだらけです。そこで、私自身が常日頃からお世話になっている石工の水野敏雄さんに墓石についてお話を伺ってきました。
「水野さんは石工の仕事は始められてから実際に、どのくらいの時間が経過しているのですか?」
もう、40年間、この仕事を続けています。実際には私の父の代からこの石工の仕事を始めました。
私が二代目で、今現在は二人で仕事を進めています。会社組織ではなく、個人事業主として働いています
「墓石にはどんな種類があるのでしょうか?」
墓石は基本となるのが花崗岩です。そして、墓石には白御影、黒御影、故松石など、その他にもたくさんの種類があります。
今は、昔と違って道路が整備されているので、石を山から比較的簡単に採取して運搬することが可能になりました。
昔は道も整備されていませんでしたから、石の運搬だけでも多くの苦労があったと思いますよ
「実際に新しい墓地を完成させるのにはどのくらいの期間が必要になるのでしょうか?」
約1か月半ほどはお待ちしてもらわなければなりません。
基礎などは始めから大体組み上がっていますが、やはり、きちんと墓地として完成させるためには、そのくらいの期間が必要になります。
基礎の周りの石は自分で作りますが。
「墓石を実際に彫らなければならないのですよね?」
大きな文字は分業になっていて、別の専門の業者に発注しています。
石を彫るための専用の機械があるんです。
尤も、誰かが亡くなって墓誌などに新たに文字を加える際には、私自身が墓誌を彫っています。
昔は大きな文字も自分で彫っていましたが、手間と時間の浪費に繋がってしまうため、今は大きな文字は専門の業者に発注している訳です。
「今は墓石にも様々な形のものがありますが、それは宗派などによって違いがあるのでしょうか?」
それは根本から違います。
そもそもが、様々な形の墓石が認められているのは、お寺ではなく、霊園です。
霊園の場合は墓石の形の種類も自由が認められているのです。
ただ、やはり宗派によって、墓石の形にも決まりがありますが。霊園の場合、宗派は無いのではと思います。
お寺は当然宗派が決まっていますから、墓石の形も全て統一されているわけです。
まとめ
お話を聞かせてくださった水野さんは、実際、私が職場を訪れた時にも、夏の暑い盛りの中、大変な作業中でした。
水野さんは墓石の仕事だけではなく、各墓地の普段のお世話もしてくださっています。
最後に水野さんの顔写真を撮影したかったのですが、純朴な水野さんは照れてしまい、お断りの返事をいただきました。