現役のお坊さんをゲストに迎えるトーク番組「お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日系)。この番組によると、どうやら最近はお墓を閉じる「墓じまい」に対し生前建墓をする人が増えているそうだ。生前建墓をするとかえって長生きするという信仰もあるらしい。
10年、120回のローンも可能
東京都内に1㎡のお墓を建てると1基400万円ほどになるそうだ。
この値段には土地代(これは永代供養の料金らしい)、墓石代、墓石への彫刻代が含まれるそうだ。これよりも狭いスペースにするなら300万円ほどだそうだ。
ちなみに120回払いでローンが組めるところもあるそうだ。数字だけ見てしまうと、高額だと感じてしまう。しかし、年割にして考えたらどうだろう。子々孫々このお墓に骨を納め、供養もしてもらえる。お墓に関しては、長い目で見るほうが良いのかも知れない。
それ以外の選択肢となると「合同墓」や「納骨堂」
もちろん当面の費用を重視する考え方もある。
先に述べたものよりも費用が抑えられる、合同墓や納骨堂を利用する場合も近年増えているようだ。合同墓とは、例外もあるそうだが一般的には他人同士が同じお墓に入るもので、比較的安い料金でお寺に永代供養や管理をしてもらえるものだそうだ。共同墓、集合墓、合葬墓、合葬式納骨堂などの呼び名もあるようだ。納骨堂とは、いわばお墓の集合住宅で、屋内霊園とも呼ばれるそうだ。合同墓や納骨堂は、一般的に宗派は関係なく利用できるそうだ。
お墓の管理を誰がやるのかで選択肢は別れる
こうして述べてみると、お墓のタイプは様々だが、いずれにしろ永代供養の費用は既に料金に含まれていることがわかる。この点から、現代ではお墓のスタイルが多様化しているが、重要視される点は、永代供養であると考えられそうだ。そう考えると、自分の家のお墓を持ち続けたり、参拝に便利な場所へ移したり、新たに建てたりするのと、合同墓や納骨堂を利用するのと、どの方法がよいのか。いずれにしても永代供養はしてもらえる。
「故人と共に過ごす時間や空間を確保したい」、「なるべく自分たちの手でお墓の管理をしたい」という場合は、家のお墓を持ち、時々手入れも兼ねて参拝するようにすればよいのではないだろうか。または「お墓の維持管理をきちんとする」という点を重視して、既にあるお墓を移動したりせず、定期的にお寺に料金を払い、供養とその他の全ての管理をしてもらう。これならば参拝できる人がいなくてもよいし、お墓の移動も墓じまいも必要がない。「誰の手によるお墓の維持管理なのか」という点にこだわらなければすぐにできそうな方法である。
誰も管理する人がいないなら墓じまいも選択肢の一つ
あるいは自宅からアクセスの容易な合同墓や納骨堂を利用してもよいのではないだろうか。最近では、供養や管理のための費用を継続的に支払わなくてよいお寺や、納骨室ごとに間仕切りの付いている納骨堂など、参拝者に配慮した所があるそうだ。
「お墓をみる人の有無」や「家の姓を継ぐ人の有無でどうするか決めるのもよいと思う。お墓をみる人がいても、その姓が変わることも考えられるからだ(家に生まれた子供が娘のみの場合など)。その場合、墓じまいもよいと思うが、それ以外の方法を選んでもよさそうだ。墓石に家の姓を彫刻しないという方法である。その代わりに故人の好きな言葉を彫刻するのだ。その家の家訓や故人の座右の銘を彫ってもよさそうだ。
墓を建てるのも閉じるのもどちらも選びやすい現代
こうして見ると、現代では墓じまいをしたい場合、お墓を閉じやすい状況に変わってきたと感じられる。
一方で、お墓を閉じることに抵抗があるなら、閉じずに様々な方法でお墓を持ち続けることもしやすくなったと感じられる。今まで一般的だとされていた形式にとらわれずに、自分たちのお墓に関してこだわるポイントを決め、自分たちの状況に合わせたスタイルを作ることができれば、永くお墓を持ち続けることができるのかも知れない。