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生者と死者が触れ合う聖なるハロウィン 失われつつある生と死の間

日本でも秋の一大イベントになった感のあるハロウィン。当初はともかくここ数年でクリスマスと同様、本来の意味からはかけ離れたお祭りになったようだ。本来ハロウィンはこの世とあの世の「間」で死者の魂と触れ合う聖なる日だった。

生者と死者が触れ合う聖なるハロウィン 失われつつある生と死の間

ハロウィンと死者の日

10月31日に行われるハロウィン(Halloween)は、翌11月1日の「オールハローズ」(All Hallows)」の前夜という意味の「オールハローズイブ」(All Hallow’s Even=Eve)が語源とされる。Hallowは「聖なる、 神聖な」。「オールハローズ」はキリスト教(主にカトリック)のすべての聖人に祈りを捧げる「万聖節」の日である。その前夜祭がハロウィンであり、この日は死者の魂が地上に戻ってくる時だとされた。そして11月2日はすべての死者のために祈る「死者の日」(All Saints' Day)である。

元々はキリスト教の行事ではなく古代ケルト人が行っていた宗教儀礼「サウィン」(Samhain)が起源だとされる。この日はケルトの新年で、秋分と冬至の真ん中にあたる。この時期は生と死、あの世とこの世の境界が曖昧になり、死者の魂が戻ってくる日とされた。こうした風習がキリスト教社会に取り込まれ、10月31日~11月2日の期間は、現世に戻ってくる死者の魂を慰める期間となった。

同じ時期にメキシコではガイコツで有名な「死者の日(Dia de Muertos)」を祝う。この日は死者の魂が戻ってくるとされ、10月31日に前夜祭、11月1日に子供の、2日には大人の魂があの世へ帰っていく。アステカ文明の風習にやはりキリスト教の万聖節が取り込まれ、ハロウィンと同じ期間に同じような祭りが行われる。いずれも日本のお盆・お彼岸にかなり近い、あの世や死者を感じる風習といえる。

五月祭とワルプルギスの夜

冬を控えたこの時期は闇が光に優っていく「間」の時期であり、魔女や悪魔、妖精たちの活動が活発になるとされた。ハロウィンに登場する様々な怪物はそうした言い伝えの名残だと思われる。

その逆の春分と夏至の間にもお祭りがある。5月1日はヨーロッパ各地で「五月祭」(May Day)が行われる。5月1日は冬の終わりと春の訪れの間の日であり、焚火を焚いて太陽の復活を祝う風習が各地に伝わっている。その前夜の4月30日を「メイ・イブ」(May Eve)として祝う地域もある。特に「ワルプルギスの夜」として知られている祭りはキリスト教の聖者・ワルプルガにちなんでいるが、こちらもケルトやグルマンの民間信仰をキリスト教が取り入れた形だとされている。この時期はハロウィンとは逆に光が闇に勝っていく「間」の時期で、焚火を点けて悪魔や魔女を退散させる風習がある。

失われつつある生と死の「間」

つまりこの時期は世界的にお盆、お彼岸にあたる時期なのである。春夏と秋冬の間に生と死の境界を見いだす感性は世界共通のようだ。夏と冬、春と秋の間とは、つまり陽と陰、動と静、明と暗、生と死の間。あの世とこの世の境界が曖昧になる時期である。曖昧ではあるが、秋分と冬至の間は夜、闇が強くなりつつあり「死」の世界が濃厚になっていく。対して春分と夏至の間は光が強くなり、生命の復活が告げられる時期なのである。

この「間」は実は毎日訪れているともいえる。昼(光・陽・動)と夜(闇・陰・静)の間である夕方・黄昏時を、かつては「逢魔が時」と呼んだ。この時刻はこの世とあの世の境目とも言われ、魔物や妖怪が現れやすい時間とされていた。このようにかつて夜は静かな時間だった。しかし現代は、少なくとも先進国である日本は24時間眠らない。例えば、かつてのテレビ番組は21時頃を境に世界が変わった。子供向け番組は鳴りを潜め大人向けの内容となり、深夜には放送終了となった。21時は子供と大人の「間」の時間だった。それが現在では昼間やゴールデンタイムと同じ芸能人が変わらないノリで騒いでいる。こうした「間」への感性は年々鈍くなっているように思える。

日本のハロウィンはというと渋谷の喧騒が毎年報じられる。生と死の間の日に大騒ぎである。外国人が驚くのも無理はない。救世主の誕生日を恋人たちのイベントにしてしまった国なので不思議なことではないが、いささか鈍感に過ぎる気もする。本家?の川崎市ハロウィンでは子供たちも交えた微笑ましい仮装行列を見ることができるだけに、近年の暴走ぶりは残念なことである。これも「間」への感性の鈍化が進んできた証だろうか。

鈍くなる「間」への感性

お盆休みを単なる長期休暇だと思っている人も少なくない時代では、外国の風習であるハロウィンがただのお祭りになるのは必然だろう。しかし季節の「間」、昼と夜の「間」にあの世や死者の存在を感じる感性が鈍くなっていることは確かである。このあたりは日本人の心性の大切な部分だと思われる。ハロウィンが定着しつつある今こそ考える良い機会ではないだろうか。

参考資料

■鏡リュウジ「ハロウィン、あの世とこの世の境界線が曖昧になるとき」Audible Studios(2016)

ライター

渡邉昇(掲載日:2023/10/25)

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