高齢者の一人暮らしは孤独死や認知症、老後資金の不足などによる問題が起こりやすいことから、高齢者向けのシェアハウスが注目を集めている。リビングや風呂、台所等を共有するシェアハウスは、若者が利用するイメージを持つ人が多いだろう。しかし今、高齢者やひとり親世帯など、他者の手助けを必要とする人が助け合いながら暮らすことに適した環境として、高齢者向けのシェハウスや、若者と高齢者が共に暮らす多世代型シェアハウスが増えている。
高齢者がシェアハウスに住むメリット
シェアハウスの家賃は通常の賃貸マンションと比べて安いケースが多く、老人ホームやケアサービス付きの高齢者向け住宅に入居するよりも出費を抑えることができる。また、コロナ禍で孤独死がさらに深刻な社会課題となっている中、共に日常を過ごす人がいることで、自然な形で異変に気付きやすく、孤独死の防止や認知症の早期発見にも繋がる。シェアハウスによっては定期的にイベントを開催している場合があるので、楽しみが増えたり、周りに人がいることで寂しさや孤独感を解消したりすることができる。
高齢者がシェアハウスに住むデメリット
老人ホームや高齢者向け住宅の場合、食事や掃除、介護などのサービスがついていることがあるが、高齢者向けであっても、シェアハウスにこのようなサービスはついていないため、基本的に自分のことは自分でする必要がある。ケアサポートを必要とする高齢者には過酷な一面もあるかもしれない。また、シェアハウスの大きなデメリットとなりやすいのが人間関係だ。異なる価値観や生活リズムの他人と共に過ごすことになるため、他人との違いをストレスに感じない方はシェアハウス生活を楽しめるかもしれないが、ストレスに感じてしまう方は人間関係に悩んでしまうこともあるだろう。プライバシーを守れるような鍵付き個室の有無など、プライバシーへの配慮があるか事前に確認することが重要である。
社会貢献性が高い不動産投資としても注目されるシェアハウス
深刻な社会課題のひとつに空き家問題がある。空き家は倒壊や犯罪を誘発する可能性があり、自治体は空き家の解消に頭を悩ませている。そんな中、空き家解消の手段のひとつになっているのが、空き家を活用したシェアハウスだ。高齢化が進み、住居が減少傾向にある地方で若者に人気のシェアハウスを経営することで、田舎暮らしを希望する若者に住居を提供することができ、若者の地方移住や地域活性化に貢献することができる。また、空き家を活用したシェアハウスの不動産投資は利回りが高い傾向があると言われており、空室のリスクを分散することもできる。空き家を活用したシェアハウスで不動産投資を始めることで、社会に貢献しながら自身の資産運用や老後資金の準備を進めることができるかもしれない。