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死に対するアプローチや死そのものへの理解が異なるヒトとその他の生物

幼稚園年長の時、自分自身が死ぬ夢を2回見た。そのうち一つの内容をいまだに細かく記憶している。当時住んでいた家の灯油ストーブが倒れてきて下敷きになって死んだのだ。そしてそのあと夢の中で霊魂となった私は自分の葬式を上から眺めていた。親が泣きながら悲しんでいるのが見えた。その夢のことは子供の頃何度か思い出しては、恐ろしくなったり泣きたくなったりしたものだ。このように死の概念というのは、個人差もあるだろうが幼稚園生くらいから芽生えるものであろう。では、動物たちは、さらには人間の祖先たちは、どうなのだろうか。

死に対するアプローチや死そのものへの理解が異なるヒトとその他の生物

死なない単細胞生物から必ず死ぬ多細胞生物に進化した

そもそも、太古の昔、「死」は存在しなかった。地球上で生命が生まれたのはおよそ38億年前だが、その当時いたのはオスでもメスでもない「単細胞生物」だった。単細胞生物は、自らをコピーして増えていくため、エサがあれば永久に命を繋げていくことが出来る。

しかし地球環境の変化により栄養分を補えない危機に陥った単細胞生物たちはDNAをコピーすることをやめ、単細胞生物同士で合体するという、大変な革命的方法を試みた。そしてその後、さらに繋がりを広げ、多細胞生物が生まれていった。私たちの先祖は環境に適応した進化を選ぶ代わりに、必ず死ぬという宿命を背負ったのだ。(DNAが増えた事で種の絶滅に繋がる傷の蓄積のリスクが起こり、それを防ぐため寿命がプログラム化された)

それはさておき、生命は有性生殖により子孫を増やすようになっていった。そこには必然的に他者との関係性が生まれてくる。オスはメスを認識し、メスはオスを認識するからだ。では、動物たちは自分以外の他者の死というものについて、どのように感じているのだろうか。

人と遺伝子情報が近しいチンパンジーの死に対する反応

チンパンジーは人間と遺伝情報が98.8%同一である。結論から言うと、そのチンパンジーにおいても、死とはただ消え去るのみだとされている。チンパンジーの仲間の死に対しての観察報告は多数あり、それらをざっと分類すると以下の通りである。

1 死体への毛づくろいやその死体が乳児の場合抱擁するなど、生前にしていたのと似た行動の継続
2 死体をゆする、近くに長時間とどまる。など、死んでから初めて見られる行動
3 食欲がなくなるなどのうつ状態
4 殺し。集団において、オトナ同士や子殺しなど

とはいえ、これらが死というものをはっきり理解しているということの証拠にはなっていない。また、亡くなった個体に対しどのような感情があったのか、という話になるとそれも非常に難しく、動物の感情の有無は現時点でも永遠の課題であると言われている。

実体験が不可能な死

そもそも死とは本来、体験が不可能な事象だ(わたしは夢で擬似体験したが)。故にそれは常に他人の死を持って経験することになる。

他者の死を経験した後に、死を認識するためには、将来について予測する考え方と、論理的な思考が必要だ。つまり、「全ての生き物は必ず死ぬ」に加えて「自分も生き物である」と把握し「自分も必ずいつか死ぬ」のだと分かることだ。これらの認知能力を兼ね備えているのは人間だけであるという考え方が現段階では主流なのだ。

人類の葬送儀礼

一方、猿人、原人、旧人、新人と進化してきた私たち人類だが、旧人にあたるネアンデルタール人において埋葬が行われていたことが発掘調査から明らかになっている。イラクのシャニダールでは遺体のあった周辺から綺麗な花の花粉の化石が見つかっており、旧人たちが遺体に花を手向けた姿が想像できる。また、片手を無くした男性で、当時としては長寿である40歳まで生きていた遺体も見つかっており、これは肢体不自由者を社会が支援して生かしていたことの証拠と捉えられる。

ネアンデルタール人はかつては、ホモサピエンスより認知能力が低く野蛮だとみられていた。しかし最近のDNA解析の結果、現代人にもネアンデルタール人の遺伝子が受け継がれていることが明らかになっている。絶滅したとされてきた彼らだがその理由も未だ謎のままであり、知的水準が低かったから環境に適応出来なかった、という従来の説明を覆すような発達した文化レベルの証拠が調査報告されている。彼らには、仲間に寄り添い死を弔う行為や埋葬の文化があり、現代人に繋がる深い精神性があったと言えるのだ。

結論として、現時点では死の概念を持っているのは動物の中でも人間だけであるという説が最有力であろう。

最後に…

そしてそれは旧人から見られ、ホモサピエンス(現生人類)において、より複雑に意味付けされるようになり、葬儀の方法や儀礼等も高度化してきた。つまり、人間だけが”死を慮る”ことが出来るということ。そして、他者の死から自分の死を想像し、死という概念を捉えることが出来るということなのだ。

このような考察により、人間だけが持つ想像力と、他者との複雑なコミュニケーション能力、それが葬儀や儀礼を生んだのだと再認識することが出来た。今後誰かの葬儀に参加する際、また自分の葬式について考えたり備えたりする事にも、改めて襟を正し向き合うことが出来そうだ。

ライター

鶴岡(掲載日:2023/02/21)

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