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キリストの再臨を未来ではなく現在起きつつあると説いた内村鑑三

浄土系仏教では臨終の際に念仏を称え極楽往生を願えば阿弥陀如来が迎えに来る「阿弥陀の来迎」が説かれている。これは臨終を迎えんとする当の本人のみに訪れる奇瑞である。これに対してキリスト教が説く「キリストの再臨」は全人類の目の前に起きるとされる奇跡である。明治のキリスト教伝道者・内村鑑三(1861〜1930)は、それが既に起こりつつある主張した。それは死者が復活することでもある。

キリストの再臨を未来ではなく現在起きつつあると説いた内村鑑三

キリストの再臨

キリストの再臨とは、イエス・キリストがいつの日か「肉体」として、この地上に姿を顕すことである。キリストの再臨は聖書で預言されている神学上の預言で、終末の日、イエス・キリストは最後の審判を行うために再びこの世に現れる。その時、死者は復活するという。最後の審判は裁きによって天国行きと地獄行きが決まるシリアスな展開が待っている。「黙示録」にも説かれていることもあり、1970年代以降の世紀末ブームに出版された無数の人類滅亡予言本でもよく話題にされてきた。キリスト教各派は遠い未来の神話として捉えていたが、内村はこの奇跡を「いつの日か」という曖昧な時間ではなく、既に「起こりつつある」現象とした。

内村鑑三の再臨思想

キリスト教一般では再臨は「いつか」来る未来形として認識されている。しかし内村鑑三の再臨思想は「〜しつつある」現在形として提示した。内村にとってのキリストの再臨とは遠い未来の話ではなくすでに行われており、「肉体」を纏ったキリストの出現を待つのみであるとする。つまり目に見えない形でキリストはすでに世界を覆っている。あとは見えないキリストが見える時を待つばかりだという。

内村は娘・ルツ子(1894〜1912)の死をきっかけに再臨思想に傾倒したと言われる。ルツ子は闘病生活の果てに19歳の若さでこの世を去ったが、死の直前彼女は「もう往きます」と言って息を引き取った。内村は娘のその鮮やかな死に霊魂の不滅、死とはこの世からあの世へ移行することだと確信したという。この死に方から霊魂不滅の直感に至る結びつきはよくわからないが、ルツ子の死に方は確かに見事なもので信仰の尊さが伝わる。内村も何らかの霊的な直感を受けたのではないだろうか。

その後、内村はプロテスタント系伝道師の中田重治(1870〜1939)、木村清松(1874〜1958)らと共に再臨思想を広めようと再臨運動を展開した。講演を行えば大盛況で多くの観衆を集めた。しかし、民衆の求める再臨とはズレが生じた。民衆は再臨に現実逃避の夢を見た。しかし内村の真意はそうではなかった。内村は生前の現世と死後の来世を分けて考えない。キリスト教は厳格な二元論であり、現世と来世は明確に分離される。内村は来世の存在を分離・認識した上で、現世を生きることを説いた。再臨=死後の復活を確信すること内村は死の悲痛を根本から癒やされたと語っている。再臨思想は来世に逃げることではなかった。

内村の反近代主義

再臨は聖書で預言されている奇跡として信仰されているが、内村らの再臨運動はキリスト教諸派からは批判を受けた。キリスト再臨はあまりにドラマチックなもので近代的合理主義、科学的世界観とは相容れなかったのである。結局様々な軋轢や民衆の意識との乖離などの理由から再臨運動は終了した。近代キリスト教自体はその神話性から存在自体が危ぶまれ、時代に合わせた近代的解釈に迫られた。プロテスタント系神学者のルドルフ・ブルトマン(1884~1976)はその代表だろう。彼は聖書の奇跡などの記述を「非神話化」して現代的哲学的に解釈した。当然ながらブルトマンらにとって再臨などの奇跡はあくまで哲学的な比喩に過ぎない。そのような近代人の合理主義に内村は自己中心的だと反抗する。そもそもそれでは救われないではないか。愛する娘の死に対して哲学的概念は無力だった。しかし本来のキリスト教は、死を徹底的に拒否する宗教である。イエス・キリストは死を滅ぼした存在であり、キリスト教において「死」は存在せず、死者はやがて復活する。内村は再臨によって「死そのものの廃止」を語ったのである。

宗教は科学を超える

内村の再臨思想は現実逃避、現実否定とは異なるものであるとはいえ、キリストの再臨を神話ではなくまさに進行しつつあるという主張は、終末論を説くカルト宗教と遠くなさそうに見える。しかし、やはり宗教たるものは神の存在を認め、霊魂不滅を信じ、死後の世界を説くものでなくてはいけない。近代以降の宗教は自然科学や哲学的論理との整合性に寄せてきた、というより媚びてきた。「哲学は神学の婢(はなため)」という言葉がある。哲学は神学に従属するものという意味だが、現代では「宗教は科学の婢」といってもよい程である。宗教の管轄である「死」は科学・医学の次のステージである。宗教者は内村のように科学主義、合理主義を恐れず、宗教的な真理によって民衆をルツ子のような穏やかな死に導くべきではないだろうか。

参考資料

■内村鑑三著/鈴木範久訳「余はいかにしてキリスト信徒となりしか」岩波書店(1997)
■鈴木範久「内村鑑三の人と思想」岩波書店(2012)
■鈴木範久「内村鑑三」岩波書店(1984)
■若松英輔「内村鑑三 悲しみの使徒」岩波書店(2018)
■小原信「近代日本とキリスト教の光源を見つめて 内村鑑三の生涯」PHP研究所(1992)

ライター

渡邊昇(掲載日:2023/01/19)

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