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古来の神道と外来の仏教 神と仏はどんな対話をし神仏習合を遂げたか

「仏教国」とされる日本だが仏教は本来全く異なる外来宗教である。日本には後に神道と呼ばれる古来からの信仰形態があった。両者は一部の争いはあったにせよ、基本的に排斥し合うことなく渾然一体となった。神道と仏教、神社と寺院、神と仏の一体化。一神教ではありえない「神仏習合」という現象は日本人の宗教心の考える時の重要な要素である。

古来の神道と外来の仏教 神と仏はどんな対話をし神仏習合を遂げたか

興福寺の社参式

奈良・興福寺では、1月2日にトップである貫首以外僧侶たちが春日大社を参拝する。興福寺と春日大社は藤原氏の氏寺・氏神であり深い関係にある。この日は春日大社にとっても神にお供えをする1年の最初の日「日供始」でもあるのだ。僧たちは春日大社の宮司・神官らと共に、よく知られている「般若心経」や、興福寺の宗派・法相宗の教義である唯識思想を説いた「唯識三十頌」などが読誦される。深い関係にあるとはいえ、神社の境内に僧侶が参拝し、神職と共に読経をすることに違和感を感じる人もいるだろう。興福寺の社参式は多元的な神仏習合の姿を今に伝えている。

本地垂迹説と神仏習合

道行く人に「あなたの宗教は何ですか」と聞けば即座に答えられる人は多くはないのではないか。少し考えて「仏教?」といった答えが返ってきそうであるが、では神社は?と聞きたくなる。初詣や厄除なら寺社仏閣は渾然としているものの、結婚式、お宮参り、七五三とハレの行事には断然神社が有利であり、寺の世話になるのは葬式と法事くらいである。それでも「仏教」に比べて「神道」なる名称はやや弱いように思える。寺と神社の区別を説明できる人も現代ではそう多くないのかもしれない。

元々仏教と神道の関係には渾然一体とした歴史がある。日本に仏教が伝来したのは欽明天皇の御代538年のこと。その後は蘇我物部の崇仏論争からの直接対決や、鑑真(688〜763)の来日による戒壇、つまり正式に僧侶を認定する施設の設立。そしていわゆる南都六宗、奈良仏教の成立など着実に定着していった。同時に外来宗教である仏教と日本古来の信仰形態の神道の折衷が進められ、平安時代末期には「本地垂迹説」が盛んに唱えられるようになる。仏(本地)が衆生を救済するため、日本の様々な神の姿になってこの世に現われた(垂迹)とした上で、神仏は同体であるという思想である。これを基にいわゆる「神仏習合」が行われた。

仏教神道

最澄(767〜822)は比叡山を開き延暦寺を創建したが、その際に比叡山に鎮座する土着神らを「日吉山王」として祀った。仏教では神々は仏法を守護する役目を司っているとされ、日吉山王神は天台宗の守護神ということになる。天台宗は仏教なので日吉山王神を祀る仏教神道というべき専門部署が必要になる。それが「山王一実神道」として成立。比叡山のふもとに鎮座する日吉大社は全国の日吉・日枝・山王系神社の総本山である。東京の日枝神社などは有名だが、その根底には天台の仏法があるのである。一方、空海(774〜835 )も高野山を開く際に高野山土着の神・丹生明神を祀る丹生都比売神社を創建。この後「両部神道」が成立する。両部神道は本地垂迹説に基づき、本尊の大日如来と天照大神を同体としたり、密教の世界観である金剛界・胎蔵界と伊勢神宮の内宮・外宮を対応させるなどして神仏習合を図った。真言宗寺院と関連人事では、興福寺の社参式のように僧侶が神前で読経をすることが盛んに行われた。

神宮寺

こうした中で、大規模な神社には神宮寺と呼ばれる寺院が建立され、神に菩薩号(八幡大菩薩など)を授けた。 神宮寺に従事する、いわば神社付きの僧侶を社僧といい彼らによる神前読経などが行なわれた。神道は死をケガレとして避け、仏教がこれを担当した。現在に至るまでこの役割分担は変わらない。しかし神仏習合の時代はハレの場である神社の境内に死を司るべき寺があったのである。神社の最高位、伊勢神宮にすらその名も「菩提山神宮寺」があり大いに栄えたという。しかしここまで概観しても神仏習合とはいうものの神・仏は同等の立場ではなく、実質は仏主神従の状態で「仏神習合」という方が実情に近いように思える。実際、檀家制度も採用されほぼ国教的な地位を獲得した仏教は神道より立場は上で神官は僧侶の支配下に置かれた。その神官たちの鬱積は後の廃仏毀釈につながっていく。

神道の反撃

「仏主神従」に対して神道側も反撃する。仏教による神道支配の理論である本地垂迹説に対しても理論的な反撃が用意された。伊勢神宮外宮の宮司・度会家行(1256~1351?)の伊勢神道、朱子学を基調とした山崎闇斎(1619〜1682)の垂加神道などが「神主仏従」を説き仏教に反旗を翻した。平田篤胤(1776〜1843)に至っては仏教だけではなく儒教さえも否定し、外来文化以前の純然たる日本の信仰を取り戻そうとした。

これらの反仏教思想は、明治のいわゆる「廃仏毀釈」の遠因となっていく。この悪名高い文化破壊行為は、国民の意識を天皇の下に統一することを目論んだ明治政府が発した神仏分離令などが発端となった。僧侶の支配下にあった神職たちが政府の尖兵となって、全国で仏像が破壊され寺院が焼き払われたのである。政府の狙いはあくまで宗教的な意味合いに留まるもので、実際に寺院の焼き討ちなどの暴挙に及ぶことは想定外だったという。政府は仏教に抑えつけられていた神社・神職の鬱積を理解していなかったようだ。奈良では興福寺も被害に合い多くの文化財が犠牲になった。平和的な神仏習合にも仏・神の上下関係による軋轢はあったことは知っておくべきだろう。

このような仏教による神道支配の構造があったとはいえ、その一方では仏教が庶民に広まったきっかけにもなったともいえる。神と仏の対話は、特定の宗教については「なんでもあり」に見える日本人の宗教心の根本となっているのではないか。

神仏習合と日本人の宗教心

仏教は国家鎮護のために招来されたもので庶民には遠い存在だった。庶民にとって敬うべき宗教的対象は鎮守の森に鎮座する神様である。それが神仏習合を通じて、庶民の信仰に仏教が浸透していった。神道側から見れば仏教の庶民侵攻にも見えるが、死をケガレとする神道が提供できない死後のケアを仏教が担ったのは大きい。そして当の庶民は神仏の区別なく崇めていた。神・仏の争いはもっぱら僧侶や神職によるもので、庶民の世界において神仏は概ね平和裏に手を携えて独自に発展した。人々は檀家であり氏子であり、村の住職や宮司を同等に敬っていたのである。

日本人はクリスマスもハロウィンも抵抗なく取り入れる。外国から見れば節操の無い無宗教に見えるだろう。しかしそれは現代の日本人に伝わっている神仏習合という宗教心の現れなのかもしれない。

参考資料

■拙稿:江戸時代の檀家制度 明治時代の神仏分離令と廃仏毀釈 そして現代の神仏習合
■鵜飼秀徳「仏教抹殺」文藝春秋(2018)
法相宗大本山興福寺

ライター

渡邉昇(掲載日:2022/10/28)

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