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念仏者であった慧遠や空也、法然などの死を超えた反逆の系譜

念仏者はこの世の価値を超え死の恐怖を超える。権力は民衆の生殺与奪の権利を持ち、絶対的な権威は精神を支配する。時に命すら脅かす権威・権力の暴力に民は逆らえない。しかし極楽往生に真の価値を見出した念仏者には通じない。念仏者の歴史は死に抗い、強大な力に抗った歴史でもある。

念仏者であった慧遠や空也、法然などの死を超えた反逆の系譜

慧遠 中国浄土の祖

中国・東普の時代(317〜420)仏教は国家に公認、庇護され栄えたが、国家の権威に従属し、自らも国の特権階級であると増長し、本来の一切平等の教えを忘れ堕落した僧が増えていた。そうした現状を憂いた中国浄土教の始祖・慧遠(334〜416)は、聖山として名高い廬山に籠もり念仏結社「白蓮社」を結成。さらに「沙門不敬王者論」を著し沙門(出家した僧侶)は国家の支配を受けるべきではないと説いた。仏法に帰依する僧侶は俗世の法に従うことはできない。俗世に君臨する皇帝や貴族に畏敬の念を以て頭を下げる「礼敬」は必要ないと宣言したのである。一方で慧遠は天下を伺う軍閥・桓玄(369〜404)が発した沙門追放令について、堕落した僧侶たちを国が処罰することは認めている。慧遠の思想に賛同する気骨のある僧侶は、王侯貴族を前にしても頭を下げず弾圧の対象になったこともあったという。そして慧遠も「僧侶も王に敬服すべし」という桓玄との礼教論争に一歩も引かなかった。

空也 日本浄土の祖

日本浄土教の祖といえる空也(903〜972)。半開きの口から6体の物体が飛び出している、六波羅蜜寺の空也上人像は誰もが見たことがあるはずだ。彼が南無阿弥陀仏と唱えると口から小さな仏が飛び出したという伝説が元になっている。空也は仏教が貴族のものだった平安の世において、彼は市井の民に念仏を説き救いを説いた。日本の仏教は国家のものであり僧侶は国家公務員だった。初期仏教における民からの布施で生活する乞食(こつじき)を実践する僧は少なかった。ブッダが見ればさぞ驚いただろう。
空也は貴族仏教の総本山、比叡山の誘いに応じ受戒し、光勝なる戒名を授かったことがある。結局権威に阿ったのかと見えるがそうではない。空也は比叡山、並びに貴族の庇護を確約したのち、さっさと山を下りてしまった。その後も戒名は使わず生涯「空也」のままで通したという。つまり空也は叡山や貴族から食い扶持を確保するだけしてとんずらしたのである。空也には民衆を救うための活動費として利用できるものは利用する強かさがあった。ただ盲目的に権力に反抗するだけの無垢な僧ではなかったのである。仏教を民衆のレベルに下げるべく尽力した空也にとって世俗の権力など眼中になかった。

法然 専修念仏の祖

空也が念仏を主としながらも法華経なども併用していたのに対し、浄土宗開祖・法然(1133〜1212)は念仏のみを選び取った。身分や階級、罪人ですら念仏を唱えれば極楽浄土に往生できるという専修念仏の仏法である。法然の撒いた種は鎌倉新仏教という大輪の花を咲かせることになる。しかしこの教えは既存の仏教勢力をことごとく敵に回した。出家も修行もいらない、どんな人間でも救われるでは自分たちの存在を否定されたも同じであるし、特権階級のプライドも傷つけられた。さらに彼らを逆撫でするように他の宗派をあからさまに批判するなどの勝手な行為に走る弟子も現れた。結局法然と高弟らは流罪となった。流罪となった高弟の中には法然の教えをさらに先鋭化することになる浄土真宗開祖・親鸞(1173〜1262 )もいた。革新的過ぎる故に既存の権威・権力から迫害や弾圧を一身に受けながらも、法然がひたすら無名の民のために説いた専修念仏の教えは民衆の中に浸透していったのである。

一向一揆

専修念仏。「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えれば死後の極楽往生が約束される。彼ら念仏者にとって浮世は苦界だった。彼らの幸福は往生にこそある。為政者にとってこれほど恐ろしい存在はない。最も怖い者たち。それは死を恐れない者。一揆と呼ばれる農民たちの反乱の歴史において一向一揆の苛烈さは際立っている。法然の高弟、親鸞が創始した浄土真宗は「一向宗」とも呼ばれた。彼らが起こした反乱「一向一揆」では、一向衆徒が南無阿弥陀仏を叫びながら死兵と化して突入してくる。彼らを迎え撃つ側の恐怖は相当だったと思われる。その勢いは凄まじく、特に加賀の一向衆徒は守護・富樫政親を自害させ100年近くに渡る自治を実現した(1488)。日本史上初の「百姓ノ持タル国」である。戦国の覇王・織田信長にとっても最強の敵は一向宗であり、悽惨極まる戦いが展開された。
その後、総本山たる本願寺は徳川家康の策謀により東西に分裂。独自の発展を遂げるが反逆の牙は抜かれた。そして江戸時代の泰平の中で「葬式仏教」として安寧を貪った。慧遠が否定した国家従属の道を歩んだのである。

戦後の真宗(一向宗)

現在の東西本願寺を中心とする浄土真宗各派は大戦下における戦争協力に対する反省から、真宗は各派の温度差はあれ反戦反権力の姿勢を明言している。一方で国家に対して保守的な立場にいる神社本庁などとの関係は良好とはいえない。とはいえ、ややもすれば行き過ぎる姿勢も反逆の系譜を忘れた300年の反省から来ているとも考えられる。なお同じ念仏宗でも浄土宗はやや穏健的である。

死を滅ぼした者たち

あの世に価値を置く浄土仏教は厭世的と言われ、受け身のイメージが強い。しかしこのように振り返ると、死を乗り越えた者の強さが伝わる。彼らにとってこの世の権威・権力など何も怖くなかった。念仏者にとって極楽往生の確信は「倫理以上に大安心の立脚地」(清沢満之)だった。しかし一向一揆などは教団の指導者層による煽動、強要(逆らえば地獄行き)の事実があり、イスラム過激派の自爆テロに似た狂気も見出だせる。彼らの暴挙もまた天国行きを確信しているからこそである。そうした負の一面もここで指摘しておきたい。その上で言えることは、時の権威・権力に反旗を翻した念仏者たちはキリスト教風に言えば「死を滅ぼした」者たちであった。

参考資料

■芹川博通「国家と仏教-慧遠『沙門不敬王者論』とその周辺」『淑徳短期大学研究紀要』第43号 淑徳短期大学紀要委員会(2004)

ライター

渡邉昇(掲載日:2022/03/01)

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