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瞑想やエクササイズで知られるヨーガの本来の目的はこの世からの解脱

ヨーガというと様々なポーズで健康やダイエットのためのエクササイズとの認識がほとんだろう。しかし本来の古典的なヨーガとは心を統御して、真の自分に目覚め、この世から解脱することを目指すことを示す。

瞑想やエクササイズで知られるヨーガの本来の目的はこの世からの解脱

サーンキヤ学派の宇宙論

今日知られているヨーガはハタ・ヨーガという身体操作を主とする体系である。それより以前の古典ヨーガ(ヨーガ学派)は古代インドで成立した「六派哲学」のひとつ。同じ「六派哲学」のサーンキヤ学派の哲学を実践的に展開した。

サーンキヤ学派は世界を「プルシャ」(純粋意識)と「プラクリティ」(物質原理)で構成されているとする二元論的な説明をする。プルシャは「真我」とも訳される「本来の自分」である。「霊」「魂」と考えてもよい。プラクリティは、今こうして存在している自分自身を含む物質世界のすべてのことである。このプラクリティのバランスが崩れ、我々が生きているこの物質世界が誕生したと説く。物質世界はプラクリティの現れである。
プラクリティはまず精神、理性そのものの「ブッディ」(純粋意識)という形で現れる。次にエゴ、自我意識「アハンカーラ」が生まれ世界を分別する。そして思考や欲望「マナス」が生まれる。ブッディ(精神の素)が生まれ、アハンカーラ(僕、私)となり、マナス(考える、欲しがる、喜怒哀楽)が生じるとしてもよい。さらにその後、行動器官、五感…などが生まれ 地水火風空の5大元素が形成される。
本来の自分たるプルシャは生成変化するプラクリティを見ている。ただ見ているのではない。映画やテレビを観たり漫画や小説を読み、没頭している状態である。本来の自分を忘れ、フィクションであるはずの物語の登場人物と一体になってしまっている。これがプルシャとプラクリティの関係である。

サーンキヤ学派の心身論

心が先に生まれ物質はその後というのが面白いが、サーンキヤ哲学では心も物質もプラクリティの現れの違いに過ぎない。「心」も物質だという。サーンキヤ哲学は「魂(霊)」と「心・物」の二元論である。私たちはデカルトの「心」と「物」の二元論に慣れている。これだとなぜストレスで胃に穴が開くのかといった心身問題が生じる。サーンキヤ哲学では心身はプラクリティの異なった形なので心身の一方が影響を与えるのは当然である。

心がいかに物質的であるか。私たちは心を制御できない。今日の夕飯は何を食べるかということさえ自分では決められない。肉じゃがが食べたいと気分は自然に湧いてくるものだ。意図的に「肉じゃがを食べたいという気分」を作るわけではない。感情に振り回され、欲望に囚われる。些細なことで人を恨む。病んで鬱になる人もいる。自分の心ほど厄介なものはない。

心を脳と言い換えると納得がいくかもしれない。私たちはよく脳に騙される。また脳を騙すこともできる。口角を上げるだけで心も軽くなるという。科学的唯物論では心は脳が作り出す電気反応、つまりは物質である。サーンキヤ哲学においても、心と脳は同じプラクリティ=物質である。サーンキヤ哲学には唯物論と同じく超越的な存在、神が出てこない。この世の存在はすべてプラクリティである。その一方で真の存在であるプルシャを根源としているサーンキヤ哲学は、奇妙な表現だが宗教的唯物論といってよいかもしれない。

苦の原因

サーンキヤ哲学を実践的に展開したのがヨーガ学派である。その代表的な経典「ヨーガ・スートラ」が示すヨーガは「ラージャ・ヨーガ」といい、瞑想によるこの世からの解脱を目指す。仏教でいう解脱の境地「涅槃(ニルヴァーナ)」をヨーガでは「カイヴァリヤ」という。

解脱とは何か。この世は苦であり、苦であるこの世から離れることである。心が病んでいるとまではいかなくても、人生は楽しいと思って生きている人は少ないだろう。たまにはいいこともあるが生きることは辛いことだと考えている人の方が多いのではないか。人生は苦である。これはブッダの時代から変わらない。

プラクリティには「サットヴァ」、「ラジャス」、「タマス」の3つの性質(グナ)がある。サットヴァは慈悲や信仰などの聖なる、または静なる心。ラジャスは喜怒哀楽、欲望、活発な感情。タマスは無智で怠惰な性質。プラクリティはこの3つの「グナ」が渾然となっている。時には高貴な気分(サットヴァ)になる時もあるが、大抵は喜怒哀楽、欲望、執着(ラジャス)に振り回され、良いこと悪いことに一喜一憂し、怠惰な気分(ナマス)になってため息をつく。常にサットヴァでいられればよいが、ラジャスが優勢になったり、油断するとタマスが口を開けて待っている。日常世界は不安定で苦に満ちている。それにも関わらず私たちは楽しいことや愛しい人がいるこの世界=プラクリティに執着している。これが苦の原因である。

一見楽しいこと、愛しい存在もまた執着の原因であり苦の原因となる。愛する者とはいつか別れの日が来るし、楽しい思い出があればあるほど別れは辛いものになる。別れは必ず来る。逃れようがない。だからといってこれも定めだと達観(サットヴァ)もできない。ただただ嘆き悲しみ(ラジャス)、喪失感、空虚に陥る(ナマス)。それがわかっていて愛する、愛するから苦しむ。仏教でいう「愛別離苦」である。しかしこれらは本当の自分ではない。

解脱と死

私たちの本来はプルシャであり、自分自身と思い込んでいる「これ」はプラクリティが演じる映画や小説である。フィクションの物語に没頭する自分が目覚め、その画面から目をそらすこと。つまりこの世に対する執着を捨て、本当の自分、つまりプルシャに気付くこと。これが解脱である。

ヨーガ・スートラはこの世への執着=心の動きを止めよと説く。この世はフィクションであることに気づくこと。心の止滅は順次行う。この世は実体ではない。身体も実体ではない。心さえも実体ではない。プルシャからのベクトルを逆に辿り、プルシャをプラクリティから切り離す。プルシャを純粋に戻す。プルシャは変化しない純粋な存在なので、プルシャとなった自己は究極の変化である生死を超えた存在になる。

はっきり言えば、古典ヨーガが示す「生死を超える」とは、最終的には肉体的な死ということになるだろう。プルシャをプラクリティから切り離すことは、この肉体からもこの世からも離れるということ。自殺とは異なる肉体からの卒業である。自殺は肉体に強制的な退学を言い渡すに等しい。

解脱の時期

そこまでして解脱する必要はあるのか。喜怒哀楽を捨ててまで純粋意識になることに意味はあるのだろうか。若く健康なうちに急いでもあまり面白くはなさそうである。私たちの肉体はいずれ滅ぶ。この世の役目を終えつつあると自覚したその時にこそ、古典ヨーガは、死ぬのではなくプラクリティから離れて、本来のプルシャに帰るのだと教えてくれるだろう。

参考資料

■立川武蔵「ヨーガの哲学」講談社(1988)
■スワミ・サッチダーナンダ著/伊藤久子訳「インテグラル・ヨーガーパタンジャリのヨーガ・スートラー」めるくまーる(1989)
■J・ゴンダ著/鎧淳訳「インド思想史」中央公論社(1990)

ライター

渡邉昇(掲載日:2022/01/14)

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