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緩和ケアやグリーフケアの現場で近年注目を集めている臨床宗教師とは

緩和ケアやグリーフケアには然るべき援助者が存在することが必須である。多くの場合、終末期を迎えるのは病院であり、必然的に遺族は医療従事者と関わることとなる。その際に医療従事者に遺族ケアの知識があることでケアを援助することができる。そして近年、注目されているのが臨床宗教師の存在である。

緩和ケアやグリーフケアの現場で近年注目を集めている臨床宗教師とは

ケアの援助者 医療従事者

まずは医師である。患者、および家族にとって医師は距離のある存在であることが多い。「医師や看護師はしばしば家族に医学用語を用いて説明するが、医学用語は、一般の人々にはほとんど理解できない」(「死別の悲しみの臨床」医学書院)。例えば終末期の告知に際して家族は動揺しており、学術用語を駆使する医師の「権威」の前に萎縮することもある。また医師はこれまでに無数の患者を看取ってきた患者の気持ちに対して麻痺している場合もあり、死亡告知の際にも機械的な応対をしてしまうことがあると推察される。医師は遺族の悲嘆に取り組める準備が必要である。

次に看護師である。看護師は距離のある存在になりがちな医師と遺族をつなぐ接点となる存在である。患者の家族にとっては診察、治療、回診以外の院内における日常を支える看護士は医師よりも近い存在であるといえる。グリーフケアについての専門知識もあり、患者や家族を支援できる能力を持っている。医療と看護は相互補完するべき関係にあり、医師との密な協力の上で家族に近い立場で接することが大切である。

ケアの援助者 ソーシャルワーカー(社会福祉士)

近年ではソーシャルワーカーの役割も注目されている。ソーシャルワーカーは医師ではないので医療行為に直接携わることはない家族にとっては、医師や看護士に向けられる怒りやフラストレーションに直面しなくて済む。彼らは葬儀の準備、親族との連絡など家族の代わりに取り仕切ることができ、医師、看護師と異なり外部との接触を密にできる。気力体力共に憔悴している遺族にはその実務能力が強い助けになることができる。これらの援助者に対してバーネルは従来常識とされている「死別に関する神話を一掃すること」、「常に真実を告げる」や「悪い知らせを告げてすぐに病室を去るといったことはしない」といった「遺族にかかわる際の『言ってよいこと・悪いこと』」を提言している。

ケアの援助者 臨床宗教師

医療や福祉が向き合うのは、死の苦痛、死別の悲嘆に肉体的、社会的、精神的なケア領域である。人間にはさらにスピリチュアル・ペインが存在する。「なぜ自分がこんな目にあうのか」「自分はなんのために生まれてきたのか」、限界状況に追い込まれた人間の苦悩に対するケアが必要となる。それは医療、福祉の及ばない領域であり、この世ならざる価値観を提供できる僧侶、神職、牧師(神父)ら宗教者が心のケアにあたる臨床宗教師の役割が注目されている。

臨床宗教師は東日本大震災を契機として、2012年東北大学大学院文学研究科に「実践宗教学寄附講座」が設置され臨床宗教師の養成が開始された。その後一般社団法人の認可を受け、資格認定制度が始まった。現在では東北大学以外にも、龍谷大学、武蔵野大学、上智大学などに養成機関が設置されている。震災以前にも仏教系のビハーラ僧、欧米では医療機関に定着しているキリスト教系のチャプレンなどの活動が行われており現在でも継続しているが、患者側の宗教に対する複雑な感情や経済的基盤などの問題もあり、全国的な広がりには至らず臨床宗教師の今後の展開は興味深い。

臨床宗教師の課題

臨床宗教師は主としてホスピスや病院の緩和ケアの現場などに赴くわけだが、宗教師自身と患者の信仰、宗教観と一致することは少なく、特定の宗派、信仰、教義を説かず患者に寄り添うことが求められる。その一方で宗教師が属している特定の宗教教義を放棄した場合、それは「宗教師」といえるのだろうか。信仰を押しつけない態度は立派ではあるが宗教の意味はあるのか。従来の臨床心理士やカウンセラーでよいのではないか。政教分離の壁もあり、同時に信教の自由も保証されている。こうした点については今後の議論が必要だろう。

また特定の宗教活動に対する抑止にもつながると思われる。宗教者が医療や福祉の現場に布教の手段として近づく事は多い。事件、事故の被害者関係者に宗教団体が心の救いや癒やし、果ては事件の解決(信心すれば行方不明の家族が帰ってくるなど)までも確約して、多額の金銭を要求することも珍しくない。心のケアどころか魂の殺人ともいえる所業とである。この側面における対策という面でも臨床宗教師の認定は大きな意義がある。

医療と宗教の協力

終末期患者や悲嘆に陥った遺族には医療(治療、看護)、福祉、心理カウンセリングなど多方向からのケアが必要である。これに加え、医学、科学では解決できない問題があることと、宗教の役割がようやく認識されてきた。臨床宗教師についてはいずれ別稿にて詳しく述べたいが、宗教によるケアについて組織だった取り組みが始まったことは評価したい。今後医療機関との連携が進み発展してくれることを願う。

参考資料

■ジョージ・M・バーネル/エイドリエン・L・バーネル「死別の悲しみの臨床」医学書院(1994)
■大村哲夫「臨床宗教師ならではのケア : 宗教的ケアとスピリチュアルケアのはざまで」『東北宗教学』第15号 東北大学大学院文学研究科宗教学研究室(2019)

ライター

渡邉昇(掲載日:2021/11/09)

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