家族が亡くなり葬儀を執り行うことになったとき、どの宗派で葬儀を執り行うべきか分からない人は増えているだろう。もし仏壇がある場合は、その仏壇を見れば宗派が分かる可能性は高いだろう。
金色の仏壇なら浄土真宗
まず仏壇の色合いを見て欲しい。金仏壇と呼ばれる金色の仏壇であればほぼ浄土真宗で間違いないだろう。浄土真宗の中でも、柱まで金色の場合は西本願寺派(浄土真宗本願寺派)で、柱は黒塗りという場合は東本願寺派(浄土真宗大谷派)だ。他にも細かな違いがあるが、色合いだけで判断しても間違えることはないだろう。
その他の宗派では金仏壇ではなく唐木仏壇を使うことが多い。
お位牌でも判別可能
仏壇に置かれたお位牌でも宗派を見分けることができる。
浄土真宗はお位牌がない場合が多いが、お位牌がある場合戒名がほかの宗派と異なる。ほかの宗派では「居士(または信士)」や「大姉(または信女)」という位号で終わるが、浄土真宗や真宗は「釋号」で終わる。「釋」または「釋尼」の文字が入っているのだ。仏壇が金仏壇でなければ真宗と考えてよい。
戒名の上に「妙法」と記載があれば日蓮宗か法華宗となる。
他の宗派では梵字が入ることが多いが、何も入っていなければ臨済宗か曹洞宗である可能性が高まる。戒名の上に何も記載がなく、達磨太師の掛け軸がある場合には臨済宗になる。なければ曹洞宗と考えてよいだろう
掛け軸や仏像も宗派により違いがある
ご本尊の手元を見て、複雑に指を組み合わせている仏像であれば大日如来と思われる。脇侍に憤怒の形相をした不動明王がいれば間違いなく真言宗だ。
天台宗のご本尊は阿弥陀如来で、脇侍には伝教大師と天台大師が安置される。そうは言われても伝教大師と天台大師がどのような姿か分からないだろう。頭巾のようなものを被っている姿で描かれることが多いため、頭巾をかぶった僧形の掛け軸があれば天台宗だろう。
時宗はもともと浄土宗の一派であるため、浄土宗と時宗は同じ立ち姿である舟阿弥陀如来がご本尊となる。脇侍に菩薩像があれば浄土宗だが、善導大師と法然聖人を祀ることもある。一方、時宗は一遍上人と真教上人が祀られるという違いがある。
一見同じように見える仏壇にも色々な違いがあるので、これを機会によく見てみることをすすめたい。