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遺言書無効の要件である「意思能力を有していない」とはどんな状態か

以前、ある知人から遺言書の作成について相談を受けた際、公正証書遺言を勧めたのだが、その知人から今度は「公正証書遺言について、絶対に安全とは言い切れないと聞いたが本当か」という質問を受けた。筆者はその回答として、法的には「意思能力」の有無が問題となる状況ならば、公正証書遺言も無効となり得ることもあるので、絶対安全とは言い切れないと答えた。


意思能力とは?

「意思能力」とは、意思表示等の法律上の判断において自己の行為の結果を判断することができる能力(精神状態)であるとされる。平成二十九年に民法が改正されたことによって、民法第3条2項が新設された。内容は「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」となっている。

問題とされるのは、財産を有する人が亡くなる前に公正証書遺言をする場合、遺言の意味、内容を理解しているか、理解したうえで判断できる状態(精神状態)であるか否かとなるのだ。もし、意思能力を欠いている状態で遺言の手続きを実行した場合、一切の行為は無効、つまりは公正証書遺言も当然無効となるのだ。


公正証書遺言がおすすめの理由

筆者が公正証書遺言を勧める理由は、公証人が遺言書を法に則り正確に作成するため、適法で正確であり、故に安全であるからだ。公正証書遺言の手続きを簡単に解説すると、財産を有する人(遺言者)が公証役場において、二人以上の証人立会いのもと、公証人に対して遺言の趣旨と内容を口授(口頭で伝えること)する。公証人は口授された内容を法に則り正確に筆記する。その後公証人は遺言者に対して筆記された遺言を遺言者に確認のうえ承認させる。これで公正証書遺言の手続きは終了となる。作成された遺言書は公正証書となるので、法的効力が強い。更に、遺言書を遺言者、公証人、立ち会った証人がそれぞれ保管するため、盗難等のトラブルも回避できるので安全性が高いからだ。


意思能力の欠如の具体例

意思能力を欠く状態について筆者の経験した案件に準拠して解説すると、ある人が末期の膵臓癌に罹患していた。自らの死期を悟ったその人は、入院直後に公証人に病室まで出張して貰ったうえで、筆者と弁護士二人立会いのもと、公正証書遺言を作成したのだ。しかし、その人は素人である筆者からみても意識朦朧としており、弁護士や公証人との応答も曖昧であり、作成された公正証書遺言書に自署できない重篤な状態であった。最終的には公証人が代理で署名捺印を実施して終了となった。程なくしてその人は亡くなり、遺言書が執行されることになったのだが、遺言書の内容について不服がある相続人の一人が、遺言書の無効を争う裁判を申し立てた。結局一審・二審判決で遺言書は無効となり、遺産分割協議が開催されることになったのだ。


遺言書は明確な判断ができるうちに作るべき

昏睡状態や意識朦朧として明確な判断ができない状態では前述のとおり法律行為は全て無効とされることに注意されたい。如何に安全であるとされるものであっても絶対はないのだ。遺言書を作成する場合は、明確な判断ができるうちに行動するべきであると考えるが如何だろうか。


ライター 与太郎

記事掲載日:2020/07/20

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