枕団子の数が4つ
故人の枕元には枕団子と呼ばれるお団子をお供えすることは全国でも一般的な風習です。
そのお供えする団子の数は6個が一般的ですが、宗派などによっては49個お供えすることもあります。
鳥取県ではそのどちらでもない4個をお供えする珍しい地域であることが有名で、枕団子もことも「送り団子」といいます。
枕団子の数の由来
枕団子の数が決まったのにはそれぞれ由来があります。
一般的な6個の場合六地蔵が由来と言われていて、仏教における重要な考えの一つである「六道輪廻」という考え方が深く関係しています。
生命は天道や人間道や畜生道などの6種類の世界を輪廻転生するという考え方で、六道それぞれのための地蔵を作り救ってもらおうということから、地蔵を6体立てたと言われています。
49個の場合は四十九日の数字が由来といわれています。
四十九日は故人の審判が下される日と考えられていて、四十九日までに行われる法要なども全てはこの日の審判のために行われていると言っても過言ではありません。
四十九日は遺族が喪に服す最後の日でもあり、この日を境に日常に戻るという意味でもとても重要な日になります。
鳥取県で4個というどちらでもない数になった理由は、「死」という言葉と「四」を連想したことが由来だと言われていますので、6個や49個と比べると比較的単純な理由から4個になっています。
そうれん
鳥取県のお葬式も、霊柩車の普及などが進んだことで、野辺の送りといわれる古くからの風習がほとんど無くなってきています。
「そうれん」とは、その野辺の送りで行われていたものが現代のお葬式の形に合わせて変化したものです。
野辺の送りのように長距離を運ぶ役目は霊柩車が担うため、出棺をして棺を運ぶ先は霊柩車になります。
なので、わざと霊柩車を少し離れたところに配置して、長めの距離を人の手で運ぶという形でそうれんが行われます。
この運んでいる最中に、野辺の送りの頃から行われている儀式や風習などを行うのですが、その中でも特に有名なのは「善の綱」と「縁の綱」です。
善の網
出棺の際、棺に柩に白いさらしの布を巻いたり結んだりして、その布の端を遺族の女性が持って引っ張ります。
これは「善の網」と言われる儀式で、故人の魂や亡骸を「善いところへ導いていく」という意味があります。
遺族の中でも血縁の近い人の方が、より棺に近い所を持って引っ張ります。
縁の網
そうれんの際、棺を引っ張る時に使う白いさらしの布を、わざと切れやすい物にすることで、見た目は善の綱と似ていますが、全く意味の違う「縁の網」と言われる儀式になります。
鳥取県の中に縁の綱を行う地域も存在します。
切れやすい布を使うことで、故人との「縁を切る」というのがこの儀式の目的です。