「斎場が足りてない」
神奈川県は日本でも有数の人口密度の高さで有名な県です。そのため、亡くなられる方の人数も他県と比べてとても多いです。
式場や火葬場は予約が必要な場合がほとんどで、希望通りのタイミングではなくなってしまうだけでなく、時間制限が厳しいなどの様々な問題が発生しています。
火葬場はまだ予約は取りやすいですが、式場は競争が激しいため一週間待ちなどが頻繁に発生しています。
この傾向は特に大都市と言われている川崎市や横浜市の中心部に近い場所のみならず、新興住宅地域などにも言えるため、あえて郊外でのお葬式を計画するなどの考え方も最近は難しくなりつつあります。
こういった状況を川崎市や横浜市もただ黙って見ているのではなく、公営の火葬場や式場が全国に比べても際立って多くすることで、こういった問題の解決を目指しています。
核家族化とともに広がる家族葬
神奈川県は核家族化や少子化の影響が大きい地域と言われています。
全国各地から移り住んできた人も数多く居るため、地域との広いつながりや檀家との深い関係を持つ家族というのも少なくなっています。
お葬式の風習や伝統なども混ざり合ったり薄れてきつつあります。
こういった社会の形の変化に伴い、神奈川県では一般葬や大型葬の割合は少なくなってきつつあります。
これらの従来のお葬式のかわりに神奈川県で増えてきたお葬式は家族葬です。
都市部や新興住宅地では特に家族葬の割合が高いため、地元の葬儀社も家族葬の経験が増えてきたことによる低額化や、様々なプランへの柔軟な対応ができるようになってきているといった変化が起きてきています。
小田原市、足柄市では前火葬
足柄市や小田原市などでは前火葬が主流になっています。
前火葬のお葬式というのは葬儀の日の朝に火葬を先にして、遺骨で葬儀を行う形式のお葬式の事です。
青森県をはじめとした東北全域や沖縄県や静岡県など、全国各地に前火葬のお葬式が主流な地域はありますが、神奈川県の場合は足柄市や小田原市など県の西部の一部の地域のみがこの形式を主流にしています。
納棺時にお豆腐を食べる
大和市の地域では納棺の時に立ち会った全員でお豆腐を食べる風習があります。
まず初めに全員でお酒を飲み、豆腐一丁を塩をつけて全員で回して食べます。
食べ方にも決まりがあり、「角が立つことの無いように」という意味合いで四隅や角の部分から食べます。
最後の一人が食べきったらちょうど豆腐が無くなるように、食べる量を調節しながら食べる必要があるため、慣れていない場合なかなか難しい風習です。