私の住んでいる地域には平成20年に【地域見守りネットワーク構築支援事業】のモデルになった地域があります。
【見守り】という言葉。よく耳にすると思いますが、見守りとは一体何か?
介護業界にお勤めの方は特にお使いになっている言葉だとは思いますが、一般的にはさほど使われる言葉ではありませんでした。
ではなぜ使われるようになったのでしょうか?
以前から度々ニュースや新聞などには取り上げられていたと思いますが、1人暮らしの高齢者が誰にも看取られず亡くなっていて、数日〜数ヶ月も発見されなかったという事がありました。いわゆる【孤独死】というものです。
この孤独死が年々増加し、ご近所で1人暮らしの高齢者を見守っていこう。という働きがあり、この【見守り】という言葉が出来、使われるようになったと記憶しております。
そして今では介護業界をはじめ自治体やNPO団体、警備会社、民間企業などでも【見守りサービス】を行っています。見守りサービスの内容としては、生存を確認したり、体調不良をおこしていないかという安否確認ですが、中には在宅中なのか、留守にしているのか・・・というところまで確認して下さるところもあるようです。
地域の方々のボランティア活動による買い物支援も行っています
介護業界での安否確認は、ケアプランという介護保険上の計画に含まれている事が多いのですが、自治体や NPO団体などは民生委員やボランティアさん、会員が巡回して確認をしています。
また、警備会社は月額制で非常ボタンの様なものを設置し、ボタンが押されれば直ちに駆けつけてくれる。といったシステムを確立しており、ある民間企業ではやはり月額制でポットの使用状況で確認したり、おでかけお知らせボタンなどというボタンを設置し、外出や帰宅の状況も把握するというシステムを確立しています。
さて、モデル地区となった私の市の対象団地について。
棟数:33棟 住戸数:1,160戸 世帯数:約1,100世帯
高齢者(独居)世帯:160世帯 高齢者のみ世帯:285世帯
人口:2,055人 高齢化率:27.5%(平成17年国勢調査)
(平成21年3月末対象団地データ)
この事により 対象団地では、自治会・地域ケアプラザ・区役所の協働により発足された支援団体が見守り活動を運営し、運営に協力してくれるボランティアを募り【見守りサービス】なるものがスタートしたとされています。
そして、各住戸を個別巡回しないまでも、見守り支援員として民生委員とボランティアの方々で窓の明かりやポストなどを確認したり、緊急時に連絡が可能なように見守り支援員が携帯電話を持ち、対応できるようなシステムの構築をしているそうです。
また、団地などでは足の弱った高齢者が遠くまで買い物へ行けないという問題もあり、こちらでは買い物支援も行っています。買い物支援では、買い物に来た高齢者の荷物を一緒に運んだりしながら顔を知る事からはじめ、顔が見えない時には、個別に訪問する事により、見守りのツールの1つとなっているそうです。
私達にもいずれ訪れる問題として捉えることが重要かもしれません
見守りサービスとして様々なシステムが構築される中、まだまだシステムがいき届かず孤独死となって発見されている高齢者が多いと思います。
我々もいずれは老い、高齢者として扱われる時がくるのです。今の高齢者に役に立てる事がどんどん構築されれば、我々が高齢者になった時にも安心して生活ができます。
高齢者に対し1人では出来ない事も、何人か一緒になれば出来る事もあるはずなのだから、もしご近所で1人暮らしの高齢者が居るのなら、周囲の方が気遣い、声をかけていくことが大切なのではないでしょうか?