この夏、戸外で過ごす一日があり蚊取り線香を買ったのですが、バラ、ラベンダー、朝顔などの花の香りから、ゆず、いちご、スイカ等々のフルーティな匂いと、いろんな品がありました。パッケージには「アロマ」と印字あり。
お線香じたいの色も、ピンクだったり黄色だったりとバリエーション豊富。フレッシュな趣向、おもしろいですね。
線香をあげるのだ大好きな甥っ子
さて、話変わりまして......。わたしの幼い甥っ子は、仏壇にお線香をあげるのが大好きです。
数年前にわたしの父(つまり甥っ子にとっては祖父)が亡くなって以来、大人たちのご供養 ――仏壇の前に座り、線香を上げて鈴(りん)を鳴らす ――を見ていて、自分も見よう見まねでやってみると周囲から褒められたというのが好きになった理由だろうと思います。
さらに、甥っ子の好きなお線香があると聞いて “小さな子供でもいい香りって思うんだなぁ ”と思った次第です。ちなみに、甥っ子が好きなお線香は、普段遣いのものよりも高級な、お進物で頂戴したものだそうです! 先が思いやられる(?)高級志向です。
世俗の不浄を払い、心や体の汚れを香気で 清めてくれるお線香
お線香は仏様への大事な供養物。世俗の不浄を払い、心や体の汚れを香気で清めてくれるものです。
また、お線香は一度火を灯すとその身の尽きるまで芳香を放つため、仏様の慈悲心と人生の無常さを感じさせてくれるともいわれています。細いお線香に火をつけ、その燃えていくさまを見つめることで、確かに、いろんな思いが浮かんできますね。心静かに癒されつつも、パワーが湧いてくる気がします。不思議なものです。お線香の功徳でしょうか。
線香をたいてみるのもいいかもしれませんね
お線香は、香気を含んだ木草の粉を線状に細かく固めたものです。タブの木の樹皮を粉末にしたものに、香木の粉末や炭の粉末などを加えて練るのだそう。
主な香りの原料
●白檀(びゃくだん)=東洋風の、甘く爽やかな香りを放つ木。英語名だとサンダルウッド。香りにリラックス効果あり。
●沈香(じんこう)=正しくは沈水香木。東南アジアに産出するジンチョウゲ科の樹木を地中等に埋め、樹脂を沈着させて作ったもの。熱することで匂いを放つ。水に沈むので沈香といわれています。
●丁字(ちょうじ)=丁字の木の花つぼみを摘み取って乾燥させたもの。スパイシーノートの香辛料。英語だとクローブ。石鹸や香水にもよく用いられる。殺菌作用あり。
どれもそれぞれに強壮、鎮静などの薬効があり、自然の状態にあったときから、人間にとってありがたい木や実だったのですね。
さて、あなたのお家にあるお線香は、どんな香りのものでしょうか? 故人、ご先祖のためにも、そして今日を生きるご自身のためにも、お線香をたいてみるのもよいものです。