日本は少子高齢化社会と言われています。私の親の世代は、いわゆる団塊の世代と呼ばれ、第二ベビブームを起こしましたが、それ以降第三次ベビーブームは起こること無く、人口減少の一途を辿っています。
そしてこのことは、いわゆる後継問題にも影響しています。私の親の実家のお寺も、ご多分に漏れることなく、後継問題に直面しました。
長男と長女は共に後を継ぐ気がなかった
私の親の実家のお寺は長野県にあります。現在はもうすぐ還暦を迎える従兄弟が住職を務めています。
彼には長男、長女と二人の子供がおり、二人のうちのどちらかが後継者となる予定だったのですが、長男はお寺を継ぐ気持ちが無く理系の大学へ進学。一方で長女も将来は教師になるという夢を持ち、受験勉強に専念していたと聞いていました。
親としては本人の希望を尊重したい気持ちは山々でしょうが、それは後を継ぐものがいないことを意味します。
ちなみにお寺は直系親族で継手が無いと、養子を迎えるか、もしも遠い縁故の嫡男や、同じ宗派の住職を迎えるとお寺は潰れ無いものの、御家が潰れ、寺や家屋を明け渡さないといけないのです。
しかし長女が一転、お寺を継ぐと言い出した
しかし事態は一変します。なんと後を継ぐ気がないと言っていた長女が一転、お寺を継ぐと言い出したのです。長女は以前から東京の大学に進学し、将来は教師になりたいと話していたはずなのに。
彼女の心中はわかりませんが、この決断は非常に悩んだだろうと思います。親の継いでほしいという気持ちと自分の将来の夢。子供の夢を尊重してあげたいという気持ちがある反面、解決しなければならない後継者問題。きっと彼女の心の中には色々な思いが駆け巡っていたはずです。そして悩みに悩み抜いて彼女なりの決断を出したんでしょう。
全国的な問題となっているお寺の後継者問題
ひとまず私の親の実家では、現住職の娘が無事後継者に名乗りを上げてくれました。将来は女性住職がお寺を守り、御家もしばらくは安心です。
しかし、この問題は氷山の一角でしょう。今後、この問題が全国的に発展していくことは間違いなく、なんらかの対策が必要でしょう。