葬儀場には日常生活では見られない様々なものがあり、子どもにとっては興味津々の場所にもなる。様々な物に興味を持つ子どもは、如来の姿にも視線が向かうだろう。そしてその髪型に興味を抱くことだろう。
螺髪とは悟りを開いた如来にだけ見られる髪型
大人でも如来の髪型が「パンチパーマ」とそっくりであると感じていないだろうか。パンチパーマのように見える髪は、よく見れば一つずつくるくると巻かれ小さなソフトクリームのようにも見える。これは螺髪(らほつ)と呼ばれる独特の髪型である。
螺髪というのは悟りを開いた如来にだけ見られる髪型だ。人間を超えた如来だからこそ得られた髪型といわれる。如来の体毛は全て上を向きさらに右回りに巻かれている。つまり螺髪一つ一つは1本の髪で、右回りにくるくる巻かれているのだ。
螺髪と共に如来の頭はこんもりと盛り上がった肉髻(にくけい)や、肉髻の根元に飾りのようある肉髻朱(にくけいしゅ)なども如来独特の特徴となる。
数ある如来の中でも大日如来だけは螺髪ではない
阿弥陀如来や釈迦如来、薬師如来など如来と一言でいっても様々な如来がいる。ほとんどの如来は螺髪をもつが、唯一大日如来だけは螺髪を持たない如来である。では大日如来はどのような髪型をしているのかというと、髪を結い上げて垂らした髪型だ。これを垂髻(すいけい)や宝髻(ほうけい)といい、菩薩と同じ髪型となる。
同じ如来でも大日如来は螺髪ではない理由は、大日如来が仏の王であるからとされている。また多くの如来が装飾品を身に付けていないのに対し、大日如来は装飾品を身に付けているのも、仏の王であるのが理由とされている。
如来の特徴は螺髪だけじゃなかった
大日如来を除き、如来はこの螺髪をはじめ、独特な外見を持っている。耳も肩につくほど耳たぶが長く、額にも螺髪に似た渦巻状の白毫(びやくごう)がある。実はこれらの特徴は「三十二相」と呼ばれ、如来の特徴として経にも登場する。
紹介した螺髪や白毫以外にも、32個の分かりやすい特徴があるのだ。その他に80個ほど細かな特徴もある。こちらは「八十種好」といい、やはり経に登場してくる。この三十二相八十種好に沿いすべての如来像や姿絵が作られているのだ。
32あるという特徴は比較的見つけやすい。葬儀に飽きてしまった子どもと共に、探してみるのもよいだろう。