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路線価に基づく相続財産の評価を否定した地裁判決、過度な節税対策は要注意

2019年8月、不動産を利用した相続税対策について再考を要する判決が東京高等裁判所で下された。内容は相続税評価額について路線価の否定である。当該判決は税理士業界にとっても大きな衝撃となり、今後の相続税対策が無効となり兼ねない状況を呈している。


相続開始の数年前に購入したマンションを路線価で評価した結果、相続税はゼロとされた

事の起こりは、都内に居住するある方が相続税対策としてマンション二棟を約十四億円で購入したことによる。数年後にその方は亡くなり相続が開始され、相続税の申告がなされたが、申告時に当該マンションの相続税評価額を路線価にて計算した結果約三億三千万円と評価された。更に、当該マンション購入時の借入金残高を債務控除すると相続税評価額は差し引きゼロとなるため、相続税は非課税となりその旨所轄税務署に申告された。


それに対して税務署が異議を申し立て、裁判が行われ、税務署の主張が認められた

申告後所轄税務署が異議申し立てを行った。所轄税務署は当該マンションの相続税評価額を不動産鑑定価格に基づき約十二億七千万円であるとし、相続税本税追徴課税合計約三億円を課税した。相続人達はこの課税を不服として課税の取り消しを求め裁判を起こしたのだ。結果は所轄税務署の決定どおり不動産鑑定価格を相続税評価額として約三億円の課税を認める判決を下したのだ。ここにおいて路線価方式による評価額は裁判所によって否定されることになった。


路線価とは?

少し解説すると、路線価とは不特定多数の者が通行する道路(国道県道市道等=路線)宅地の一平米あたりの評価額を言う。通常路線価は相続税評価額を指し、毎年七月に国税庁により公開される。土地の公示価格の八割程度の価格となっている。地方になると路線価が設定されていない場所が有るが、この場合だと国税局長が価格を決定する。通常相続税の申告納付の際、不動産の評価額は路線価を基準(例外もあるが)として算出し税額を計算する。


法的に正しくても税務署が不適当だといえば変更が可能

では、何故前述のような判決が下るに至ったのかと言うと、財産評価基本通達第1章総則6項が適用されたことにある。当該法令の条文だが、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」となっている。

税務署にとって伝家の宝刀とも言えるのだが、内容は法律に基づいて評価しても税務署(国税庁長官)が著しく不適当であると認めた場合、国税庁長官の指示により評価額を変更できるとなっている。前述の判決だと本来の評価額は十四億円の八割、つまり十一億二千万円程度の評価額ならば問題ないが、それよりも著しく低い評価額となったため、前述の法令の適用を受け厳しい判決となってしまったのだ。


不適当の根拠が曖昧だからこそ慎重な対応が必要

条文自体も曖昧な記述がある。著しく不適当となっているが、何を以てそうなるのかという点が曖昧で不明確なのだ。判断基準となるべき点が不明確のため判断が困難ではあるが、購入価格と相続税評価額の差が非常に大きい、所有者が亡くなる数年前に購入している、所有者が亡くなった直後に売却している。と言ったことが認められると厳しい結果に繋がる可能性が高くなってしまうことに注意されたい。相続税対策として不動産の購入や賃貸アパートの建築を検討されている方は、事前に税理士や弁護士等の専門家に相談してから購入することを強く勧める。


ライター 与太郎
ホウセンカ

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