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親の介護は子供がするが当たり前だった時代に育った子供とそうでない子供

社会学者・副田義也は「家族を、ひとの誕生する場として語るほどには、ひとの死亡する場として語らないのはなぜだろうか」と述べている(1)。孤独死、無縁社会が叫ばれる昨今ではあるが、多くの人は何らかの形で家族の中にいる。そしてほとんどの人は死に至る過程で病を患う。その時、家族とはどのような存在であるのか。「死亡する場」としての家族とは。

親の介護は子供がするが当たり前だった時代に育った子供とそうでない子供

親との物理的な距離が離れれば、否が応でも愛情は削がれていく

かつての家制度のもとでは、親・子・孫の三世代がそれぞれ家族の中で安定した地位・役割を与えられ、身辺介護などは家族が責任を負うことが当然の義務と考えられていた。儒教的倫理により教化された「孝」の意識が家族扶養の態勢を支えていたのである。それが核家族化に代表される家族制度の移行により「家」の継承観念や扶養責任意識が衰微していった(2)。

家族制度の移行という問題には様々な要因があるが核家族化に絞って考えるなら、距離の断絶は親子の情を希薄にする要因であると思われる。日々の生活に追われているうちに遠くの老親の存在感は薄くなる。介護が必要な時になってその存在が現実味を帯びてくるという状況にあっては、介護への意欲が奮わず病院・施設まかせになってしまうのは必然だろう。

親の介護の対価は相続だったが、長寿化による介護期間の延長が子供を疲弊させていった

家の跡継ぎが親の介護を引き受けることは、家督相続という報酬を獲得するための対価であった。また医療技術や生活水準の低い時代には、介護を要する期間もおのずと長期に渡ることはなかった(1)。

しかし現代は医療技術の発達、衛生環境の向上などにより長寿化が進み、引いては介護期間を延長させる結果となっている。そして介護による疲労や経済的圧迫は、やがて家族の安否よりも、そのような状況からの解放を願うまでになってしまうこともある。それは状況によっては家族の死を願うまでに至ることもあるだろう。疲労や経済的圧迫が家族の態度に変化を及ぼすことは予想されうる事態である。

介護をしている子供が疲弊していくのをみて親はどう想うか

死を想定した終末期の状態においても、これが長引くことで家族が悲嘆の段階を終えてしまい、現実生活の問題が気になり始めることがあっても責めることはできない。ある意味、悲嘆という家族の愛情故の感情も気力、体力、経済状況などに余裕があればこそのものであると考えざるをえない。

人間の心身には限界があり、長期に渡る介護に肉体は悲鳴をあげ精神は疲弊する。さらに家計も圧迫される中で、どこまで愛情を貫けるものだろうか。義母が施設入所することになった事例では、日常的な介護から解放されたことで返って優しく接することになったと語っているのだ(3)。

そのような状況において介護されている親の心境はどうだろうか。尊厳死を選ぶ人の考えのひとつとして家族に迷惑をかけたくないというものがある。高齢者への調査では「子どもに頼らない」、人様の「迷惑にならない」などの発言が目立つ。ここでは「頼る」=「迷惑」という図式が明確に意識されている(2)。そのような意識のまま、最終的に介護を受ける立場になった場合、家族に「頼る」ことができるだろうか。

親の介護が当然でなくなりつつある現代に育つ子供への影響

家族構成も様々だが第三者の視点も忘れてはならない。三世代家族を想定する時、介護をする第二世代と介護を受ける第一世代のみが問題になるが、三世代家族には第三者としての子供が存在する。現代の状況下においては三世代家族は少なくなっていると思われるが、介護の必要性から核家族から三世代家族に移行する状況はこれからも考えられる。

そうした中、子供にとって祖父母の介護をする親の態度は今後の人格形成に大きな影響を与え、次代の家族のあり方を左右することになるのではないだろうか。親が祖父母の介護に疲弊し、場合によっては不平不満を漏らすような場面に子供が触れてしまった場合、将来その子供が同じことを繰り返し負の連鎖を作り出す可能性はないとは言えない。

いわゆる「サンドイッチ世代」と呼ばれる中間世代は老親と子供の板挟みのなかで、「子ども優先」に傾きがちであるとの指摘がある(1)。それは親として当然の選択といえるが、その選択から生まれる態度が当の子供に与える影響も考えるべきではないだろうか。しかし寡聞ながら介護問題においては第三世代としての子供の存在はさほど重視されていないような印象を受ける。家族による介護役割に限界がある以上、介護の社会化の推進は急務であるが、そのこととは別に「家族」のあり方というものは考えなくてはならない問題である。

問われる「家族」と「孝」

本来家族とは安らぎの場であり、無償の愛を提供する場であるはずだった。しかし、家族の愛情とはなにか。それは心身、経済状況の余裕の上に成立するものなのだろうか。このような問題は家族の余力のある内に終わっていた、かつての(現代に比べて)短命の時代にはありえなかったものである。医療水準、衛生環境の向上によって長寿化社会に突入した我々の生活の前には「家族とは何か」という新しい倫理の問題が問われるステージが開かれたといってよい。

家族と、それを構成する親や子供の再定義が必要なのかもしれない

そもそも親(祖父母)の介護という行為自体が人間独特のものであるとはいえないか。繁殖という目的を果たしてなお資源を消費することは種の繁栄を妨げる非効率な行為である。しかし人間は人間以外の動物とは異なり、終生「家族を構成し続ける存在」である。副田は、「老人ホームや病院などの施設にいても、老人や病人と家族のとの相互作用がとぎれず、家族関係が老人や病人の心理につよい影響力をもつならば、かれらは家族のなかで老い、あるいは病んでいるのである」と述べている(1)。

家族とは生活を共にしていなくても家族関係として成立している。人間は家族の中で生まれ、育ち、やがて家族を作り、その家族の中で死んでいく。人はどのような状況であれ、家族から離れることはできないのである。現代医学が「人を中々死なせない」社会において「孝」の意識がいま改めて問われている。

参考資料

(1) 副田義也 樽川典子「現代家族と家族政策」(2000)ミネルヴァ書房
(2) 藤崎宏子「高齢者・家族・社会的ネットワーク」(1998)培風館
(3) 金子勇編著「高齢化と少子社会」(2002)ミネルヴァ書房

ライター

渡邉昇(掲載日:2020/02/21)

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