直葬・・・「ちょくそう」と読みます。
調べてみると、「じきそう」と読む、あるいはどちらも正しいという見解もありました。
これが正解!というわけではないですが、とりあえずここでは「ちょくそう」と言う事にします。
直葬とは、近年増えている葬儀の形。通夜や告別式などの宗教儀式は一切行わず、亡くなったらすぐ火葬してしまう葬儀の事です。
死亡後の手続きは?
◎死亡届を出す
◎火葬や埋葬に関する手続き
◎死亡後、24時間以内の火葬は禁止
死亡届を出すというのは戸籍法という法律により決まっている。
死亡した日、あるいは死亡を知った日から7日以内に届出ないといけない。その時、医師の死亡診断書または死体検案書も添付する必要があり、死亡届だけでは受理されない。
死亡届の次に必要になるのが、遺体の措置に関する手続き。
死体火葬許可証、死体埋葬許可証なるものが必要。遺体を火葬するのも埋葬するのも勝手には行えない。
直葬という言葉のイメージだと死亡後すぐに火葬してしまうと思う人もいるかもしれないが(...自分はそう思っていました)亡くなってから24時間以内の火葬は出来ない。これは法律で決まっている事です。
なぜかと言うと、死亡と診断された場合でも、もし、万が一にも息を吹き返す事があるからといわれている。24時間以内だと蘇生する可能性がないわけではないようだ。
実際に霊安室で、あるいは葬儀の途中で生き返ったという話があるとかないとか...。
医学的な死亡の定義などは良くわかりませんが、確実に死亡したと確認するために決まった事だと思います。
ただし、伝染病などで亡くなった場合は、24時間待たずともOK。
上記3つ以外にも、国民保険、クレジットカードや相続に関する事...などなど。
細かい事を言うと他にもいろいろ手続きはありますが、ここでは触れない事にします。
直葬を行う上での注意事項は?
◎親戚の方、友人知人、周囲の人に理解をしてもらう
◎お寺にお墓がある場合は要相談
◎死亡してから火葬するまで遺体を安置する場所
直葬の場合、家族のみ、限られた人たちのみと少数で行われるため(厳密に人数制限はないみたいですが・・・)参列できない方々の中には故人とゆっくりお別れの時間がほしいと考える人もいるかもしれません。
お通夜も告別式や葬儀も行わないのだからそういった方たちの対応も必要になる。
次に先祖代々のお墓がある場合などは、勝手に直葬すると納骨させてもらえないなどトラブルになる可能性もあるようです。その際は、一度お寺に相談した方がいいですね。
先ほど述べた通り、少なくとも24時間以上経たないと火葬することは出来ない。
というわけで火葬するまでの間、遺体を安置する場所が必要です。自宅に安置できれば一番良いですが、それが無理な場合は遺体の安置場所が必要です。どうしても見つからない場合は、葬儀社に相談してみてはいかがでしょうか。
直葬が増えている理由
宗教離れと言えばいいのか、無信仰の人が増えた事。仏教やキリスト教...宗教ごとにそれぞれ葬儀の儀式はあるでしょうが、その儀式自体にあまりこだわりが無くなったというのも一つ大きなの理由だと思います。
次に、葬儀費用を安く抑えたいという理由が挙げられる。
そもそも、普通の葬儀を行ったとして費用は平均200万程度といわれている。直葬の場合、葬儀社により様々だが平均して20万程度で済むのだ。
特に都市部では、天涯孤独でほとんど家族や親戚がいない人や生活貧窮者が増えている。とてもじゃないが、日々の生活もあるし、葬式にお金をかけられない、できれば安く済ませたいと願う人も少なくないはずだ。少し切ない気もしますが、直葬が増えている理由につながるといえる。
直葬であっても、そうでなくても、結局大事なことは?
大切な事は昔から変わらない。死者を敬い心のこもった葬式でその人の人生の最期を飾ってあげたい。
世間体だけで体裁を気にしただけの、心も何もないただ盛大なだけの葬式、シンプルだが真心のこもった暖かな葬式。もちろん、価値観は人それぞれ。故人の意思、残された人たちの事情もどちらも大事。
人は亡くなってそれで終わり!というわけではない。よく聞く話だが、人は二度死ぬと言う。一度目は寿命が尽きてしまった時。二度目の死はその人を知っている人が誰も居なくなった時。
派手で盛大な葬式の後は、立派な墓石の下でひっそりと忘れられるよりは、一年に一度でもいい、その故人を知ってる人たちが集まり、あーでもない、こーでもないと言いながら。
たとえそれが、故人の悪口だったとしても...。
その人の事を思い出す時間を作ることが、葬式の中で最後に出来る最高の「儀式」だと思う。